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Coffee Break NO.174/2008年5月26日Mon.
英語の絵本
目から鱗の瞬間、それは2年前、当時高校1年生の藍ちゃんとの出会いによってもたらされました。年長時に英検準2級合格。小学校2年生のときにはハリーポッターを原書で読み、中3のときには英語スピーチ大会で1位の高円宮杯を受賞。本人はもちろん、ご両親とも海外生活の経験もありません。英語の本の読書で育ったお子さんです。
藍ちゃんが英語に親しむきっかけは、幼児期の読み聞かせです。英語の絵本と日本語の絵本を同じように読み聞かせしてもらったことに始まります。英語の読み聞かせが、英語の読書へとつながりました。小さい頃は日本語の本も英語と同じように読んでいたそうですが、小、中、高と学年があがるにつれ、日本語より英語の方が難しい内容のものを読むようになっていったそうです。思考力の土台となる言葉の獲得が、外国語と母国語で同時進行したのでしょう。
話は少し変わりますが、同じ内容の英語版と日本語版のそれぞれの絵本を2歳の幼児さんに読み聞かせしたお母さんのご報告をします。「くまさん くまさん なにみてる」(英語版Brown
Bear Brown Bear What Do You See?)という絵本では英語版の絵本を好み、「ぎゅう」(英語版Hug)という絵本では日本語版を好み、「はらぺこあおむし」(英語版The
Very Hungry Caterpillar)では両方とも気に入ったとのこと。幼児と言葉の獲得の不思議、知れば知るほどまだまだ目から鱗体験をしそうで楽しみです。
さて、藍ちゃん、先日お電話で近況を聞きました。現在高校3年生。昨年はオランダのハーグで行われた模擬国連の議長を務めたそうです。絵本が生んだ国連議長ですね。
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Coffee Break NO.173/2008年5月19日Mon.
Tea Break
夏も近づく八十八夜♪先日、狭山茶の新茶を御呼ばれに預かりました。甘くて香りが爽やかで、美味しかったです。もともと甘いお茶が好きで、日ごろは玉露代わりに値段も安くて玉露ほど甘い味の「かぶせ」茶を愛飲しているほどですので、新茶の甘さで幸せな気分に浸ることができました。ついでながら、「かぶせ」というのは新芽に覆いを被せて渋み成分のカテキンを抑える製法のことです。
狭山茶は確か日本三大銘茶です。歴史があるお茶所ということでしょう。それにしても「三大○○」という言い方は古今東西普及しているランキング方法用語ですね。実は数を使った言葉を名数辞典で調べると一番多い数は「3」なのです。「日本三景(松島、宮島、天橋立)」「孟母三遷」「仏の顔も三度まで」、忘れてはいけない公文の「三種の神器」。自然界だって、「色の三原色」「光の三原色」あり。極めつけは「三々九度」。古今東西森羅万象「三」はダントツです。誰もが遂には渡る「三途の川」で人生の最後まで「三」が付きまとっています。
ちょっとわき道に逸れました。新茶の話でした。新茶と言えば、日本より1〜2ヶ月早い新茶があります。ダージリンのファーストフラッシュ(一番茶)です。若々しい渋みがあり、香りがフルーティで、マスカットフレーバーと言われます。日ごろはコーヒー党の私もこの時期には紅茶の専門店へ行って、数十種類あるファーストフラッシュの中から、香り立つ銘柄を選びます。ここ数年はバラスン農園の茶葉を楽しんでいます。
お茶は緑茶も紅茶も烏龍茶も健康にも良く、薬代わりに飲んでいた時代もあります。このコーナー、毒にも薬にもなりませんが、ほっとひと時を楽しんでいただけたらと思います。今回はTeaBreakとなりました。
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Coffee Break NO.172/2008年5月12日Mon.
ゴールデンウィーク
ゴールデンウィーク中は一回休みにしました。今年の連休は短かったので近場が多かったとか。鎌倉はたくさんの人が来ていました。世界遺産に立候補していることだし、人気が増しているのでしょうか。
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連休には浅田次郎の「サイマー」で世界の競馬場を旅し、吉田修一の「悪人」で故郷の方言を堪能し、子ども日には「ミュージックオブハート」のDVDで涙する傍ら、基本は毎日湘南の海で風に吹かれていました。
皆さんの連休はいかがでしたか?湘南の海では、ウィンドサーフィンをやっていました。あまりご存じない方は、サーフィンに帆を張ったものと思ってください。風と波の両方を使って楽しむことができますので、サーフィンのように波乗りだけでなく、セイルに風を受けて波を超えて沖へ沖へと逆走することもできます。波の上でジャンプしたり、エキスパートは宙返りだってします。風が強ければ水上を滑空します。そのときはボードが浮き上がり、体が軽くなります。これが心地いいのです。秒速7mの風を受ければ時速40kmくらいのスピードで進みます。秒速7mの風は換算すると時速25.2kmですから、受ける風よりも速度が速くなるのです。不思議でしょう。
私が属しているクラブ兼スクールではインストラクターがアドバイスをしてくれます。海上でも陸上でも、フィードバックをこまめにしてくれます。個人競技のスポーツということもありますが、年齢、体力、運動神経、柔軟性、瞬発力、諸々、個々人バラバラですから、このアドバイスは難しいだろうなって思います。運動感覚やイメージはなかなか伝わりにくいものですし、それに海上では止まって手取り足取りということができませんので。だから一つ一つの技の習得には90%は自学自習ということになります。
教わる立場になるとアドバイスの有難さが分かります。「裏風の取り方が軽くなりました」「後ろの腰でセイルを引くと良いですよ」というように、小さな変化をよく観て、小さな進歩を感じさせてくれる言葉は嬉しいものです。子どものようにテンションを上げられてしまいます。このカタルシスが微妙に良いです。
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Coffee Break NO.171/2008年4月30日Wed.
「音楽の傍ら」
今年の本屋大賞は、ビートルズが聴たくなる作品でした。「ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎著」ですから、そのまんまです。本屋大賞も今年で5回目。本屋さんが売りたい本の賞という口車に軽く乗せられて、私は今年も売り上げに貢献させていただきました。この本、ゴールデンスランバーを聴きながら読むと味わいが増すようでもあり、英語の歌詞に気をとられてしまうようであり、眠くなるようでもあり、CDを聴きながらの読書は色々な意味で抜群の音響効果がありました。映画化されるときっとビートルズが流れるのでしょうね。
その前の週に読んだちょっと古い作品「モルヒネ 安達千夏著」は、主人公の“私”の元カレが才能豊かで個性的なバッハ弾きという設定でした。モロ音楽ネタですね。“私”はバッハのゴールドベルグ変奏曲、中でも第16変奏が好き。元カレはパルティータの5番が好きという具合に微妙な趣向の違いも何か暗示するようなしないような。元々、ゴールドベルグという設定そのものが、アリアとか輪廻とか意味深なわけですよね。そこでも私は軽く乗せられて、ゴールドベルグとパルティータを聴きながらこの本を読んだというわけです。
偶然にも、丁度その頃BSでバッハのゴールドベルグ変奏曲の番組をしていました。何々、「ロンド」、「かえるの歌のように」、「3度ごとに繰り返して、最初のアリアに戻る」。音楽の緻密さと思想の深遠さを語っていたのですが、例に「かえるの歌」とは可愛いなあと思ったものです。国民的輪唱曲には違いないけど。
私が聴いたバッハはグールドのCDです。そうそう、自分ならどれが一番好きかと考えながら。何といってもパルティータの1番で決まりです。それは優雅でしなやかでもあるし、大好きな映画「カウチ・イン・ニューヨーク」で主人公のウィリアム・ハートがいつも聴いていた曲でもあるからです。
そんなこんなで、読書のBGMがいつしか音楽の傍らの読書になってしまった2冊の本でした。
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Coffee Break NO.170/2008年4月21日Mon.
「わくわく どきどき」
先週の土曜日は近所で「子育てサークル」をしました。0歳の乳児さん2名を含め、幼児さんが7名参加。 「もこもこもこ」「きんぎょがにげた」「はらぺこあおむし」「たんたんのハンカチ」「なめれおん」、それからお母さんのご紹介の絵本で「はじめてのおつかい」「これはのみのぴこ」「だるまちゃんとてんぐちゃん」を読み聞かせやら、解説やら、絵本クイズやらで、幼児さんとお母さん方と一緒に絵本を楽しみました。
「もこもこもこ」(谷川俊太郎作)は、0歳児が食い入るように見ていました。“もこもこもこ”という言葉はオノマトペ(=擬態語・擬音語)ですが、このようなオノマトペ絵本は乳児さんが好きになり易い絵本です。
谷川俊太郎さんは「(『もこもこもこ』は)意味以前の『存在』の手ざわりを絵と言葉を通して表現している」と語ります。なるほど詩人らしいなあ感心します。幼児さんの側から見ると、オノマトペは、一語で絵の状況を指し示す一語文的なものですから、意味以前と言うよりも“意味そのもの”となるのですけどね。シンプルな絵とリズミカルな音韻が手伝って、幼児さんは絵の状況と言葉の音との繋がりとを捉えようとします。幼児がオノマトペ絵本を楽しむ時、そのときはまさに意味を獲得しようとする素敵な瞬間です。
ところで、日本語はオノマトペ大国と言われます。しとしと、ざーざー、さわさわ、さらさら・・・自然の音、自然の変化、動作の様子、心の変化にも擬音語・擬態語を効果的に使います。静けさにさえ“しーん”と言ったりします。感じないと言葉になりません。雨に関するオノマトペが多いのも雨に敏感なせいでしょうが、ともあれ沢山のオノマトペを祖先はその感覚とともに残してくれました。大切にしたいものです。
古典には大鏡以降江戸時代の戯曲には、犬が「びよびよ」と鳴いている様が登場します。この場合は遠吠えのようですけど。ワンワンでないところが面白いですね。
古語とオノマトペと幼児さんに人気のオノマトペ絵本、色々考えると、わくわくどきどきしますね。
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Coffee Break NO.169/2008年4月7日Mon.
花まつり
明日、4月8日は「花まつり」。お釈迦様の誕生日です。仏事では「潅仏会」、お祭りになったのは江戸時代だそうです。近所のお寺でも「花まつり」があり、甘茶の供養をします。花御堂という小さなお堂をしつらえ、たくさんのお花で飾ります。参拝者は、かわいいお堂の中にいらっしゃる釈迦誕生仏像に柄杓で甘茶をかけてお参りします。そしてお寺さんからのサービスで、お花と甘茶をいただきます。
お釈迦様が生まれると、甘露の雨が降り、甘い花の香りが辺り一面に漂ったというお話が、お釈迦様に甘茶を注ぐ所以だそうです。お釈迦様はルンビニーという果樹園でお生まれになったそうですので、もしかしたら果樹の花に囲まれて、甘い香りの中で誕生されたのかもしれませんね。
先日読んだ「夢をかなえるゾウ」という面白い本のなかに、お釈迦様がジェットコースターに乗って「天上天下唯我独尊」と言う場面があったのを思い出しました。お釈迦様は誕生して直ぐに七歩あるかれ、右手で天、左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と言われたとされます。「夢をかなえるゾウ」では「身近で一番大事な人を喜ばせなさい」という話につながっていくのですが、それは割愛するとして、この「天上天下唯我独尊」とは、「天上天下、広い宇宙にあって、誰もただ一人、みんなそれぞれ比べようもなく尊い」という意味だそうです。そうそう、あの歌です。「世界に一つだけの花」。「♪そうさ僕らは 世界に一つだけの花 ひとりひとり 違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい・・・ もともと特別なオンリーワン♪」ってわけです。「夢をかなえるゾウ」もどこかそんなメッセージがあったような。・・・お釈迦さまの教えはもっと深遠なのでしょうが、信仰のないこの身としても明日の「花まつり」には甘茶をいただいて、子供たち一人ひとりのために精進する気持ちを新たにしたいと思います。
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