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 「読み聞かせを始める」12のコツ

Step5 あなたスタイルの自然な微笑み♪
〜お子さんとのハーモニーで楽しい雰囲気作りを〜




  
  
    
 お母さんご自身が読み聞かせのひと時を好きになってきましたか?お母さんの声や身振りや表情は幼児の智恵の扉を開いたり、時には閉ざしたりするものです。読み聞かせのとき、お母さんの楽しい気持ちにお子さんは惹かれます。読み聞かせのとき、お母さんの不機嫌な気持ちにお子さんは門戸を狭くします。お母さんの楽しみの度合いに応じて、お母さんとお子さんの読み聞かせのハーモニーが綺麗に奏でられたり、不協音を放ったりするのです。ですから「読み聞かせ」は、親子双方が微笑み返しをし合うように、幼児とお母さんに構えがなくリラックスした雰囲気の中で、自然に行いたいものです。このときに、お子さんの集中力や吸収力は大きく育つことでしょう。
<微笑が幼児を育てる♪>
 ■笑顔のお母さんでいますか?
  不機嫌は伝わります。不機嫌な人には人は本能的に身構えます。子どもは不機嫌な親には、身を強張らせたり、泣き出したり、視線をそらせたりすることでしょう。だから、不機嫌なままでの読み聞かせは遠慮しましょう。不機嫌を退治してください。気持ちを切り替えてから、読み聞かせを始めましょう。童謡を口ずさむと笑顔に戻れることはよくあることです。絵本を読み始めると笑顔に戻れることもあります。工夫してみましょう。
  
 ■楽しい雰囲気作りも、あなたスタイルで♪
  お子さんの気持ちをリラックスさせ、楽しい雰囲気にするにはどうしますか?膝に座らせる、手を握る、抱き上げる、手を両手で包み込むなど、歌をうたう、手をたたく、・・・気持ちを和らげるようなスキンシップこそ、あなたスタイルで工夫してみましょう。
 ■イメージコントロールをしてみるのも良いでしょう。
  お子さんとお母さんの気持ちが通い合っていると感じるときのお子さんの様子をよく思い描いてみてください。その時のお子さんの表情を具体的に言葉で表現してみてください。「目は」「視線は」「口は」「手は」・・・そうすると可愛いわが子の様子に、お母さん自身の心が弾みます。そしてそのときのお母さんご自身の様子は如何ですか?どんな行為をしていますか?自分の様子も具体的にイメージしてみましょう。手を握っていますか、優しく声をかけていますか?・・・
 このように、お互いが楽しい状態で読み聞かせをしているシーンを想像することで、お母さんが自然な笑顔でいっぱいになることでしょう。
  あわてないこと、ゆたったりとすることを覚えてください。もし、お母さんが楽しくならなければ、「読み聞かせ」は中止しても結構です。
  G・ドーマン博士の有名なことばに「楽しくなかったらおやめなさい」があるくらいですよ。


******** コラム 「微笑みの不思議な魔力」 ********
 
生後1ヶ月を過ぎ、2〜3ヶ月目になると乳児は親の微笑に反応すると言われます。乳児は「声」を出したり、色んな表情を試みます。自分の顔が見えないのに、表情を作ったり、口の形を真似てみたりもします。その表情が真似しているものと似ているかどうかは幼児は鏡を見て確認するわけではありません。確認の手立てとして、あるいはバロメーターとして乳児が使っているのが、実は親の笑顔や親の声です。親の笑顔を見たいために、親の声を聞きたいために、幼児は自ら声を出したり、あれこれと「まね」を試みます。親の笑顔と乳児の笑顔、この不思議な微笑返しの中で幼児は人としての要件を自らのうちに育てているのでしょう。親の微笑み、それは乳児の言葉の獲得の大切な栄養なのです。
 
 ただし、笑顔を作ろうとして緊張しすぎないでください。親の笑顔は、子どもを育てるために親の遺伝子に組み込まれた本能なもの、ある意味でお母さんに与えられた天賦の才能だからです。子どもを人間に導くための天からの授かりものというくらいの気持ちでいれば、あなたの中から自然で素敵な笑顔が溢れてくることでしょう。母親が話していた言葉に反応するとも言われます。新生児は、お腹の中にいたときにお母さんがよく歌っていた「歌」に反応を示します。また、お母さんの言語が日本であれば、外国語よりも日本語に対して反応するそうです。胎児の時に聞いていた親の声を記憶しているのですね。
 また、母親の母乳を嗅ぎ分けるとも言われます。ミルクと母親の母乳の匂いを嗅がせると、明らかに母乳の方に反応を示すそうです。不思議なメカニズムですね。
 ついでに紹介しますと、母子の最初のサインのやり取りは、赤ちゃんが乳を吸っているときのリズムと、母親が赤ちゃんの背中をさするときのリズムのなかにもあるといわれます。「トントン・・・」、「チュチュ・・・」、そして「トントン」がしばらく止まったままでいると、赤ちゃんは乳を飲まない場合でも、「チュチュ」と乳首を吸って、お母さんの「トントン」を無意識に要求します。これが母子の本能に組み込まれたサインです。これは最初のスキンシップであり、最初のコミュニケーションだと言えそうです。

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