「楊過與小龍女」について

 この映画を初めて見たときの第一印象は、(かわいい・・)でした。
1982年公開作品だそうですから、LESLIEは26歳。でも、どう見ても十代の少年ですよね。
 しかし、私が見たものは、北京語に吹き替えてあり、字幕はハングルというものだったので、もう、何がなんだかわかりません。それで映画の原作「神G侠侶(神G剣侠)を読みました。すると、今度は楊過の父の話が読みたくなり、「射G英雄傳」に取り掛かりました。そうして、当然のごとく、「倚天屠龍記」も読みました。(三部作なので)
 それからは、金庸さんの作品を手当たり次第に読むようになり、「鹿鼎記」などは、翻訳が待てずに、中国語のままがんばって読みました。(先に梁朝偉と劉コ華のTVドラマで見ていましたから、なんとかなったのですよ。)
 この「楊過與小龍女」は、長い長い年月の話を、ぐーーーんと縮めてありますから、変なところがたくさんあります。ま、それはそれ、原作を読めば(なるほど)と納得。
 
では、最初、私がわからなかったことについて
@なぜ、変なおじいさんは逆立ちをしたり、がまの真似をしたりするの
 →このおじいさんは、実は西毒(欧陽鋒)です。黄蓉にだまされて、「九陰真経」を逆に修練したため気が変になっています。そして、死んだ息子のかわりに楊過を可愛がっています。
蝦蟇のまねは、「蝦蟇功」といって、天下の武芸の中でも頂点の技なのですが、あまりかっこよく見えませんよね。
 「大英雄」の時は、梁朝偉が西毒役で、変になっていました。「楽園の瑕」のときはLESLIEが演じた役だけど、気が変になる前だったのですね。

A楊過とそっくりな人の顔が、変になって死ぬのはなぜ
 →これは楊過の父楊康です。黄蓉の着込んでいた服のとげに塗ってあった毒にやられて死にました。
 詳しいことは「射G英雄傳」に書いてあるのですが、このお父さんは顔はハンサムなのに性格が凶悪、自分の栄耀栄華のために売国奴となった人なので、その息子楊過がいじめられたり、信用されなかったりしているわけです。かわいそうですね。

B楊過と小龍女のことを、人々が変な目で見ていたのは
 →当時、師弟関係で愛し合うのはタブーだったからです。しかし、楊過は浮浪児だったし、小龍女の方も古い墓の中で、感情を持たぬ修行をし、世の中のことには無知だったのです。(小龍女は、お金のことも知らなかった)
この写真の人が、東邪(黄薬師)の娘、黄蓉ですが、この楊過をいまいち信用していないし(ひどい父親と顔がそっくりだから)、師弟で愛し合うなんてとてもふしだらなことだという思いから、小龍女に話をし、楊過の前から消えるように説得したのです。置いていかれた楊過は、もう、ぼろぼろになってしまいました。かわいそう。(この人が娘郭芙を甘やかして育てたものだから、わがままな郭芙は、自分の思い通りにならない楊過に対し、いろいろ意地悪をし、ついには腹立ちまぎれに楊過の右腕を切ったり、小龍女にとどめのダメージを与えたりするのです。本当は、楊過のことを好きだったのに、気づくのが遅すぎ)

Cあの鷲は何者
 →知られざる剣豪「独孤求敗」の死後、ずっと一人(?)で剣塚を守ってきたワシ。楊過とは、一度、食べ物を探しにやって来たときに出会っています。
 原作でも、(人の背よりも高い、巨大なワシ、ひどく醜い。全身の羽毛はむしりとられたようにところどころ禿げて、毛並みも艶がなく薄汚れている。)なんて書いてあります。翼が短すぎて飛べないのも原作どおりです。
 二回目に会うのは、実は、世話になっている郭靖の、娘郭芙右腕を断たれ、毒にもやられて死にそうなとき。このワシが、濃い紫の粒を飲ませてくれ、命を助けてくれました。おまけに、剣をくれ、修行の手助けまでしてくれました。
 のち、小龍女と会えないままの16年間片腕の「神G大侠」として活躍する手助けをします。


LESLIEの顔を想像しながら「神G剣侠」を読むと、一気に読めますよ。
まだの方は、徳間書店から発売されていますので、読んでみてはいかがでしょうか?
全五巻です。