2000年

キューバの有機農業組織

 「これはキューバの全組織のリストではなく、COSGのメンバーが出会ったり、一緒に働いたり、その組織についての記述を読んだ組織である。もし、持続可能な開発分野で活動するキューバのそれ以外の団体についての情報や出版物をお持ちならば、私たちに知らせて欲しい。それらを加えよう。

■農業省

 ミミズ堆肥を普及している牧草飼料研究所を含め、ハバナ州には11の研究機関がある。農業省の組織とそれが提供する支援策については、Mario Gonzalez Novo氏の論文に記載されている。農業省は、食料生産単位を自給的な協同組合へと転換し続けているので、アグロフォレストリやコミュニティや市のコンポストプロジェクト、都市の再植林のような基盤整備的なプロジェクトといった新たな発想の探究や革新に集中している。再植林プロジェクトの主な育苗と試験地は、ハバナ市南部にあるレーニン公園のハバナ植物園である。

 キューバでの『エコロジー農業』の開発の起源はハバナ大学にあった。持続可能な農業への関心が70年代にもたれ、80年代には研究のの中心となった。危機が生じ、政府が解決策を探し求めたときに、それが方向転換をさせた中心であった。センターを通じて様々な組織からの約50名の人々がつながって、キューバの農業のシステム転換と必要な教育支援システムの開発を監督している。現在、アグロエコロジー研究には修士と博士課程があり、自宅での定時制教育を支援する普及校がある。それは、最初に都市農業を推進したセンターのメンバーたちだった。

■キューバ有機農業協会

 アグロエコロジカルな新システム普及の鍵となったグループは、キューバ有機農業協会(ACAO=Asociación Cubana de Agricultura Orgánico)だ。1998年にスウェーデン議会から「Right Livelihood賞」を受賞し、その役割が世界的にも認識された。1999年にキューバ有機農業協会は、さらに大きな団体、キューバ農林技術協会(ACTAF=Asociación Cubana de Téchnicos Agrícolas y Forestales)の一部となり、キューバ有機農業協会は、有機農業グループ(GAO=Grupo de Agricultura Orgánico)に再編成された。

■首都総合開発グループ

 首都総合開発グループ(GDIC=Grupo para el Desarrollo Integral de la Capital)は、オーストラリアのパーマカルチャーグループとコンタクトを行い、海外からの援助を受けた最初のNGOのひとつである。同グループが設立されたのは1988年のことで、都市の歴史的建築物の保存、コミュニティの強化、都市開発といった主要な都市問題に対処している。

 グループが力を注いでいるのは、首都ハバナの経済、文化、社会的な開発である。たとえば、La Maqueta de la Habanaは、このグループが12年かけて作り出した144平方メートルもあるハバナのミニチュア・モデルである。モデルは、ハバナのあらゆる建築物を含み、参考となるツールを提供し、学生や高齢者の旅行、商業的な都市開発にも、使うことができる。GDICは、住宅と都市開発に関する調査を実施して、市内の新たな建設や都市プロジェクトへの助言で総合的な役割を果たしている。彼らの国際セミナー「持続可能な居住に向けて、新世紀への挑戦」は、5月に開催される。環境と社会的な住宅の建設、コミュニティ開発、農村開発に集中して、将来への可能な実施を容易にする手段と同様に彼らの成功と失敗、世界中の持続可能な住宅の経験を示すであろう。

■自然と人間のための財団

 もう一つのNGO、アントニオ・ニュネス・ヒメネス財団(FNH=la Fundacion de Antonio Nuñez Jiminez por Naturaleza y Hombre)は、オーストラリアのパートナー組織になった。財団は、現在持続可能性プロジェクトを実行する異なる外国のいくつかのNGOと協同している。

■コミュニティ食料保存プロジェクト

 コミュニティ食料保存プロジェクト(Proyecto Communitario: Conservación de Alimentos)は、マリアナオ(Marianao)区に拠点を置くが、そのメッセージははるかに遠くまで伝わっている。1999年に、彼らはセンターに40の異なる国からの来客を受け入れた。

■キューバ教会委員会

 教会委員会(DECAP=Consejo de Iglesias de Cuba, Departmento de Coordinación y Asesoria de Proyectos)は、農村の持続可能性プロジェクトに外部から技術者に頼ることなく、外部からのガイダンスなしに、農業者から農業者へと広められる技術を探し求めて、適正技術の開発と普及に、関して働いている。1996~97年に、教会委員会は有機菜園の全ての面についての実践的なアドバイスを含む、「オルターナティブな道」とタイトルついた一連のパンフレットを出版した。1999年に、彼らは、Hoguin州の小農のために、持続可能な農業のパンフレット・シリーズを作っている生じている(ETIAH=Estación Territorial de Investigaciones Agropecuarias de Holguin)と協働していた。

■再生可能エネルギー・オルターナティブエネルギー

 クーバ・ソラール(Cubasolar)は、キューバで最大のオルターナティブ・エネルギー組織で、二冊の科学誌、「エコ・ソーラー」と「エネルギーと技術」を発行している。

 1998年に国家水資源研究所(INRH=Unión de Proyectos del Instituto Nacional de Recursos Hidráulicos )のプロジェクトとして、カマグエイに適正技術センター(CITA=el Centro Integrado de Tecnologia Apropiada)が設立された。適正技術センターは、毎年二回雑誌、適正技術(Tecnologia Apropiada)を出版している。公衆衛生、太陽エネルギーとバイオガスを含むオルターナティブエネルギーとテクノロジーの様々な側面に関係する他の組織やセンターは、適正技術にリストアップされている。

(イギリスのNGO、The Cuba Organic Support Group からの記事)
 Organisations involved in sustainable development in Cuba,2000.

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