徒然日記

2004年08月28日

尾鷲 竹株希朗邸     竹株流トバシの昔むかしのエピソードなど
 (行き先) 尾鷲 竹株希朗邸 

(目 的) 社長の嫁はん探し、WEB掲載内容確認依頼

(内 容)

雨のため、源流行きをあきらめ、社長とふたりで 尾鷲 竹株邸に行く。

先日試験公開したホームページの掲載内容確認依頼と、社長の縁談の相談が目的だった。

(いい娘さんがいるんだが、社長にどうか と電話をいただいていた。)

8月にはいり紀伊半島では、ジンクスのように週末に雨がまわってくるという状態が続いている。

楽しみにしていた夏季長期休暇の源流部への山篭りも台風の影響による林道崩壊のため行けず、期間中ほとんど自宅待機となった。

以前よりPCの自作・改造などを長年趣味にしてきたものの、タグ・fttp・html言語などホームページの構造に関する知識がまったくなかったため、雨の日を利用してホームページというものを勉強することにし、HP作成解説本を片手にPCをいじっていた。

恐れ多くも、8月24日にHPを試験公開した遠因は、8月の雨である。

肖像権などの関係から竹株希朗氏には事前承認をいただき、試験公開したものの竹株邸にはPCがないため、松阪からPCを持ち込み、WEBの内容確認をしていただいた。

紀州テンカラの歴史など 竹株先生から聞いた内容をあやまって記述していないか確認していただくためである。

インターネット初体験の竹株希朗氏は、子供が紙芝居を見ているように画面を見ていた。

3点ほど ご指摘があり、訂正することにした。

1.紀州テンカラ竹株流トバシの原点である筏師 山岡氏のシカケを “テグス”に変更

2.オナギトリの仕掛け全長を “2メートル” に変更

3.竹株流にかかわる けばりの“はり” の表記については “針”ではなく “鉤”に変更

  ※著書:“紀州のテンカラとふるさと”では、トバシの命である けばりの“はり”は、
       “針”ではなく “鉤”をつかっているとのこと。

理由は、針という文字は、布団針 縫い針に用いる まっすぐの針のため 魚をかけることができず縁起がわるいため、“かねへんのはり”=“鉤”をつかうそうだ。たしかに 右側の “句”を注視すると、ほんもののつりばりの形のような “勹”という文字と“口”に分解できる。“勹(はり)”で、“口(くち)”に掛ける。 

毛針 ではなく 毛鉤・・・・ なるほどである。

また紀州テンカラについて興味深い話を聞いた。

  ・終戦後の筏師の紀州トバシの竿は、現地で調達した、木の枝 もしくは 竹を切っただけのもの。

   継ぎ竿ではなく 一本竿というより、竹や木の小枝をとっただけの3メートルのただの棒だった。

  ・継ぎ竿が普及する前の時代であり、ながい一本竿(棒)などをもって山間部を移動することが
  できない環境だったため、
  筏師は新しい仕事場に来ると、近所に生えてあるものを利用して竿(棒)を作った。

  ・運よく竹が生えていればよいが、竹がないばあいは 木をつかった。

  ・当時の竿(棒)は、中学生の体力では、とても片手振りができる代物ではなく、竹株希朗少年は 
  ダブルハンドキャストでトバシをしていた。

  ・カーボンロッドなどの軽い竿は最近の話で、竹株流トバシの竿の原点は、ただの“棒”。

  ・竹株流トバシは、極論 木の枝でも飛ぶ。竿の調子ではなく、技術で飛ばすもの。

  ・硬調先調子を好んで使う理由は、振込みではなく とりこみの“抜き”に対応するため。
  
  ・竹株流トバシ竿の変遷 :
 
   竹 もしくは 木の枝で作った 3メートルの“棒” 
      ↓
   仕舞寸法の長い 継ぎ竹竿
      ↓
   先調子グラスへら竿
      ↓
   カーボン硬調渓流竿

今まできずかなかったが、竹株先生がテンカラを始めた頃は、カーボンはおろかグラスロッドもない時代だった。

実際に、保管してあった継ぎ竹竿やグラスへら竿を持ってみたものの、その重さに驚いた。

物置からつぎづきと、大昔の道具を引っ張り出してきて、竹株先生の昔話が夜遅くまで続いた。

気がつくと竹株先生の書斎は足の踏み場のないくらい昔の道具やアルバム・ポジフィルムで散らかっていた。

帰り際、竹株希朗先生から、「インターネットで これを活用しなさい」と 水槽写真や植物の写真を手渡された。

膨大な数のポジフィルムも、すすめてくださったが 私の機械(PC環境)では使うことができないので、写真だけお預かりした。

21時ごろ竹株邸を出て松阪の自宅に向かった。

車中 肝心かなめの 社長の縁談の話を聞くのを忘れていることに気づいた。

将来、竹株先生が社長の仲人?になるかもしれない・・・・

人の縁とは不思議なものだと感じた。


※(注)ポジフィルム・・・・銀鉛カメラ用のフイルムで、プロカメラマンがつかう現像段階で写真と同じ色を確認できる特殊フィルムのこと。ポジフィルムは、現像した状態で、プリント結果とおなじ色を目視確認できるため、幻燈(投影機)や写真作品投稿などに使われる。ただし、現像や焼き増しコストが非常に高く、ネガフィルムの5倍程度のコストがかかる。

一般の人には光が反転した“ネガフイルム”が馴染み深い。


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