大変身 01
「…全く…普段は自分から危険地帯に突っ込んで行くくせに、こういう時だけ馬鹿みたいに危険回避能力を発揮するんだから」
いじめシゴキ叩き上げ、誉めて持ち上げ可愛がってやりたい男未満少年以上に逃げられ、偉大なる大魔女、ふみこ・O・Vは冷静に、かつ非常に怒っていた。
「そしてあなたは、どうしてこういつもいつも私の邪魔をするのかしら」
《それ》を目の前にしている分更に怒りが増しているのか、顳に指を当てともすれば吹き出しそうな怒気をやり過ごす。
『……』
「まぁ…あなたばかり責める訳にもいかないけれど」
しかし両の眼からほとほとと涙を零しながらがっくりと肩を落とし、意気消沈している様がありありと判る《それ》を責めるのは御門違いだと言うことは十分に理解はしている。
「全く…せっかくの計画が台無し。本当にあなたは間が悪いわね」
『……』
してはいるが、それでも八つ当りをしたくなるくらい、ふみこは腹を立てていた。