大迷惑01
それは全く以って些細なことだった。
「日向サン……」
「………」
「ひゅ、日向、サンッ!」
「ん――?」
「コータローさん、戻ってくるかもなのに、これは止めて下さいと…ッ!」
「……却下」
ただ、その事に対して日向が耳を貸さないと言うだけで。
「却下、違うでしょうッ。見られたしたらいけません、止めて下サイっ!」
「……見られたって別にいいだろう。それどころか、逆に気を利かせてもらえるようになるかも知れんよ」
本当に、全く以って馬鹿らしい悩みなのだ。
「駄目だと……言って……!」
「お前さんが抵抗するのは構わんが…その分長くなるぞ?」
「……ッ!ん……さっき……やった…ばっかり……」
「素直になれば早く終わる……かもな」
ただ、それに日向が全く耳を貸さないから、どうしたものかと考えあぐねる金が居るだけ。
「そ……したら…ッ…、また…するくせに…ッ!」
「…そうとも言う」
「―――――ッ!!」
しかし。
そんな全く以って些細で馬鹿らしいことに巻き込まれた方としてみれば、怒髪天を突くとはまさにこのことだった。