私は昭和44年、53歳の時糖尿病になりました。医者というものは、患者を診療するときは、自分の医療歴に基づいて、ある時は気軽に、ある時は、ものものしく、診断投薬します。ところが自分が病気になると、大変な物です。
糖尿病はインシュリンの欠乏による疾患で、メカニズムはかなり複雑で、治療法は確立しておりません。血糖を下げる薬はいろいろありますが、これは血糖値をコントロールしているだけです。根本的な治療は昔ながらの、適度な運動と、適切な食事療法につきると言うことです。
当時の私の体重は78k、身長163pですから20kの肥りすぎです。標準体重の58kに戻って、血糖値も食前100ミリ以下になり、治癒しました。食事療法は教科書通り、カロリー食品置換法を実行しましたが、無類のアルコール好きで、毎日、ビールにウイスキーですから、虫のいい話で、医者の不養生に輪をかけたような話です。
そこで運動療法と言うことで、ハードな運動も考えました。ゴルフもマラソンも、縄跳びなども。マラソンは2〜3日でダウン。1日2Kの速歩も毎日続きません。そこで巡り会ったのが、自彊術です。12年前から94翁、公家恒衛先生から手ほどきは受け手いたのですが、信用もせず、熱心では有りませんでした。でもこれしか頼る物がないので、毎朝10分、6ヶ月続け目的達成しました。
1、歴史的発展。中井房五郎氏の按摩、マッサージ整体術から発している。これは淵源をたどれば、中国医学の按きょう導引術にあるので、単なる健康体操でなく、治療術と言える。
2,全身性を持っていること。事に、筋力をあまり使わない。そのメカニズムを見るに、全身の240の可動関節が延べ一万数千回動くことになる。これはスポーツ医学の循環・神経反射等の生理学的効用より遙かに重大な意義を持っている。
3,特殊な深呼吸法。現在ではエアロビクスは保健運動の主流になっているが、東洋医学では5千年来。これが健康と長寿を保つ神仙の術とされてきた。
4,治療から出発したため、按摩、マッサージ、指圧の手技が、随所に取り入れられている。叩打法、しっぴ法、指圧。自分一人でやれる按摩と思って良い。
5,皮膚の鍛錬も加わっている。免疫力が増大できる。
6,精神統一的な心理作用で、ストレスの解消になる。
以上の医学的根拠に基づいて、次の疾患の治療、予防に応用できる。薬品、器材による副作用は全くない。またたとえ、一時的な苦痛は有っても、他力でなく、自力なので、自然的コントロールも可能である。
@ 成人病 肥りすぎ・高血圧・動脈硬化症・心疾患・腎疾患・糖尿病・慢性肝炎・慢性胃腸病。
A 更年期障害。自律神経失調症。心身症。
B 精神・神経障害症 ノイローゼ・うつ病・不眠症・マネージャ病・膠原病
C 整形外科的疾患 むち打ち症・神経症・リュウマチス・椎間板ヘルニア・肩こり・40肩・50腕・ぎっくり腰・脊柱湾曲 症・筋萎縮症
D 脳出血・血栓症のリハビリ。寝たきり老人の自彊術。
E 受験期少年の頭脳明晰法。
F 勤労の疲労回復運動・職場体操。ゴルフ、競技スポーツのプレッシャー予防。
G 家庭で行う健康体操。
H 身体のプロポーションを良くする美容体操。
1,自彊術体操は31動から、成立しているが、この31動全体を持って一つの体操である。故にこの体操は順繰りに、準備運動ともなり、治療ともなる。互いに相関連して不可分の関係にある。一つの運動に効果があるからと言って、他の運動を行わないと、かえって悪くなることがある。あくまで一気にしなければならない。
2,我々の身体は、足の爪から、頭のてっぺんまで、各部の機関が連絡して、全体をなしているので、全身をうごかせるようにできていて、決して、部分的な物では無い。
3,自彊術は身体の一部にのみ集中し、俗に言う、力をためる物ではない。これが、労働とか、、他の運動競技、武術と違うところであって、血液が有る部分にのみ集中、鬱血したり、骨格筋肉を、不平均に、身体を、発達させる物ではない。
4,自彊術は身体の動きうる極限まで持っていくために、前動作はずみをもっておこなう。
5,人の身体には動かしうる限度がある。自彊術が、規定する限度まで動かしうるものは、完全な健康体である。出来ない人は、故障が有るためで、これが、健康のバロメーターになる。
6,自彊術によって、会得した反射的な身体の動きは、自分の疾患を癒すばかりでなく、不慮の事故、又は敵に襲われたとき、思いもかけない効果を発揮して、致命的なけがを避けることが出来る。
7,従来の体操運動は、多くは部分的で、単に、手とか足を動かすにとどまり、外部運動を主とした物で、外部から内部に効果を及ぼす物ばかりである。しかるに自彊術は”内臓”の運動を持って、外部に及ぼすことを重大視する。
8,自彊術は第1,2,4,以外は号令発声を伴う。これは単に、咽・声帯の運動のみでなく、深呼吸をすることになり、腹の鍛錬に、著しい効果が合ある。
1,自彊術を行うときは必ず、排尿をする。
2,着衣は、寒中でも、上半身、シャツ1枚。薄着。動きを自由にするため。
3,食事後は行わない。した後も30分以上、お茶、水は避けること。
4,風呂も1時間以上、血液循環鎮静後にすること。
6,朝晩2回やれば、必ず健全になれる。
7,出来ない体操は、無理をしない。苦痛を感じ無い程度にすること。、端座でも、寝ていても、出来る。
「二本松教室10周年記念誌」より
1,義父のように Eさん
義父は今年90歳です。毎朝晩、肋骨に指を入れて体操する姿を見て、変な体操だと思っておりました。80歳のころも僕は疲れを知らないと言っておりました。私自身も血圧が上が、160あったのが、検診で120となり、改めて、そのすばらしさを、感じております。
2,柔軟性を求めて Aさん
日頃から体の調子が悪く、疲れが溜まる性格で、肩や腰が棒のようになる毎日でした。それを見かねた上司が、自彊術に誘って下さいました。初日に講師の先生の柔らかさに驚きました。1年半がすぎて、疲れも溜まらなくなりました。まだまだ身体は堅いのですが、以前の私とはずいぶん違うのを実感しております。
3,身も心もリフレッシュ Fさん
出会いは6年前の成人病検診の時でした。いらい実力はいまだに上達しませんが、恩恵はしっかり受けております。肩こり、が持病で、はり、マッサージに通っていましたが、現在は行っておりません。教室を通して友だちもでき、教室のある日は、先生を中心に、心身共にリフレッシュして帰る日々です。
4,やれるとこまでやろう Hさん
自彊術をやろうと決心しても、長続きはしないと思い、忙しくても5動までまでなら、何とか続けられると思い、寝る前に、布団の上で、必ずやってみることにしました。 肩のこりが取れたので、、「もうちょっと増やそう」と、13動、15動までやり、腰痛の時は29動をプラスしていました。始めて6年、風邪薬飲むことが無くなりました。又午前中は頭がボーとしていたのも無くなりました。以前より体力ついてきました。
5,自彊術で、身体の回復を Aさん
私は62歳の主婦です。短時間ですが、仕事にも出ており、風邪もひかないので、年の割には健康だと思っておりました。ところが法事で、久しぶりにあった子供達から、背中がずいぶん丸くなったねと言われました。スカート、ワンピースどの服着ても、裾が平らにならず、身体が、傾いていることに気付きました。すぐに病院に行きましたが、老化現象と言われて、何の手当もありません。入会2ヶ月ですが、朝の内は身体が真っ直ぐですが、午後は疲れるのか悪い姿勢に戻ってしまいます。でもまだ真っ直ぐになるときもあるのだから、手遅れでは無いと思い、これ以上曲がらないようにと頑張っています。