◆プロローグ◆
 ずうっと前から京都の紅葉を観てみたいと思っては居たが実現できなかった。今年は何が何でも観て来ると早い時期から計画を練った。

 11月の勤労感謝の日あたりが最も美しいと聞いていたのでそこに照準を当てた。

 9月はじめにインターネットで京都のホテルの予約を試みたが安く泊まれる部屋は無かった。たまたま大津にある会社の保養所に電話をしたところ11月23日から26日までの3泊4日の予約をする事が出来た。

 これはラッキーな出来事でした。それから手当たり次第京都のガイドブックを読み漁る。ここも行きたいあそこもと3泊ではとても観て回れるものではないようだ。
 
 「さらい」という雑誌に京都の紅葉が特集されていた。更には国立博物館の特別展覧会「京焼みやこの意匠と技」展の記事が掲載されていた。

 これで決まり。東山と嵐山に行こう。東福寺と哲学の道と南禅寺の紅葉を観よう。そして夜には清水寺か高台寺のライトアップされた紅葉を観る。

  嵐山は、まずは渡月橋に行こう。あとは常寂光寺と天竜寺、祇王寺あたりを観て見たい。ついでにトロッコ列車で保津川峡谷の紅葉もと欲が深くなる

 これにプラス国立博物館の特別展覧会「京焼みやこの意匠と技」展を観るということに決めた。

 帰路は、天橋立に寄ろう。そう安寿と厨子王の丹後由良の海岸もついでに廻ろう。旧海軍の港町舞鶴にも行ってこようと机上のプランは決まった。

 交通手段は、マイカーである。そのためにETCを付けているのではないか。出発は午前3時、帰仙は午前0時以降の深夜割引時間を利用して走ることにする。

 仙台から京都まで片道800キロを超える。今回の走行距離は1800キロにも及ぶ。無謀とも思われるスケジュールであるが同行する妻も最近では慣れてきたようで、あまり文句を言わないでむしろその事を楽しむ余裕が出てきたようである。
第一日目   11月23日
  11月23日午前2時、出発。

 東北自動車道、磐越自動車道と我が愛車、11年式日産プリメーラワゴンは快調に旅程を稼ぐ。

 磐越道の阿賀野川SAのあたりで走行距離が144444キロになった。

 よくも走ったものである。大きな故障も無く8年目を走り続けている。そして、今回もこれから1800キロを走る予定なのである
 
北陸道・米山SA

 心配された発達した低気圧の影響もなく、夜明けの北陸道を西に走った。..


 
 。

  新潟、富山、石川と北陸道のドライブは快適です。

  尼御前SAで昼食をとる。甘エビが3匹乗っかった丼に私は美味しかったのですが、妻は物足りなかったようで甘えびが足りないとぶつぶつ言っていました。
 
 木之本ICで北陸道を降りる。 ここからは琵琶湖の西岸を南下、一路大津市坂本へ。

 自宅を出て12時間が経過。昨年の合併で誕生した高島市の安曇川(あどがわ)には新しく「藤樹の里あどがわ」と言う道の駅が出来ていたので休憩。

 なぜ藤樹の里なのかとは看板に「近江聖人と称えられた日本陽明学の始祖、中江藤樹先生が誕生したところ」だからと書いてありました。

 妻は、土産物や地元の野菜などを物色してわが意を得たりの感じです
 

 
 
 
 今夜の宿は間もなくなのですが、折角来たのですから比叡山の紅葉も観てみたくなり比叡山のドライブウェイに入りました。 

 天気はあまり良くなく、午後3時なのですが薄暗く感じます。

  比叡山ドライブウェイの紅葉は、今日は太陽の光に見放されているせいかいまいちでした。

 横川の駐車場。入口のけやき一本が美しく紅葉していました。ほかは既に紅葉が終っていたようで期待した紅葉は観られません。

 この比叡山のドライブウェイは奥比叡ドライブウェイと比叡山ドライブウェイの二つの有料道路で出来ています。琵琶湖大橋の近くの仰木口から入り、延暦寺を経由して大津市側までこのドライブウェイを走ると料金は2320円になります。高いと思いませんか。
 
 予定通り午後4時過ぎに、今夜から三夜お世話になる「湖雁荘」に到着しました。

 今回、京都の市内に宿を確保する事が出来ませんでした。ここからの最寄の駅はJRの比叡山坂本駅。駅まで歩いて15分、京都までJRで約15分です。この時期は宿を京都以外にとることも方法ですとガイドブックにも書いてありました。

  旅の疲れを癒すには、暖かいお風呂とやっぱりお酒です。ビールも美味しかったですが、冷えたお酒もこれまた美味しく感じます。
第2日目 11月24日
  【琵琶湖の夜明け】琵琶湖の夜明けは静かです。時折モーターボートが湖面を滑るように過ぎて行きます。対面は大津市の市街、右手は比叡の山々です

 心配された天気も何のその、とってもいい天気です。

 早々に朝食を摂り、比叡山坂本から電車で京都へ。京都駅でJR奈良線に乗り換え、一つ目の駅東福寺へ。

 ガイドブックに真っ赤な見事な紅葉の写真が載せられていた東福寺は、今回ぜひ行って見てみたいと思ったお寺です。

 ガイドブックの写真の方がインパクトがありましたがそれでも見事な紅葉です。
 
 朝の9時ごろですが、多くの観光客がひしめき合って、東福寺の紅葉の見所の通天橋から真っ赤に染まった峡谷をカメラに収めています。
杉の間を彩るもみじの美しさ。鮮やかな赤と補完する黄色のコラボがなんともいえません。
 もみじにこんな色があったのでしょうか。淡いピンクとオレンジ色のデュイット。これだけで充分の美しさです。

 東福寺の紅葉は今が盛り、もっと写真を載せたいのですがこれだけにします。
 
 バスで京都国立博物館に移動です。ここでは「京焼 みやこの意匠と技」展が開かれており、常には観る事が出来ない京焼の歴史に触れる事が出来ます。今回の旅行の目玉の一つです。
 このレンガ造りの建物が旧帝国京都博物館本館で特別展示館になっていて「京焼 みやこの意匠と技」展もここで開かれています。

 また、隣の常設展示館でも紅葉をテーマにした教科書でしか見た事のない屏風図とか丸山応挙の描いた掛け軸等を見ることが出来ました。

 11時頃に入館して2時過ぎまで昼食も摂らず、見入ってしまいました。
 もっと早く、ここ日の出食堂に来る予定でしたが博物館に長く居すぎたため、昼食は3時を過ぎてしまいました。

 そのためか店先に並んでいる人もわずかであまり待つことなく「特カレーうどん」にありつけました。

 ここもガイドブックに乗っている人気店です。カレーにご飯を注文して食べるのが通だとか?私も「特カレーうどん」にライスを注文。カレーうどんを食べたあとにカレーにご飯を入れて食べたがうどんはもちろんだがカレーご飯も本当に美味しかった。

 これって、通って言う事・・・・・・・
 永観堂の紅葉。白塀とのコントラストがきれい。
ここは夜間のライトアップもきれいな所だそうです。
南禅寺ですが、ここも紅葉は素晴らしいところですが、私が訪れた時間が午後4時を過ぎていました。

  私のカメラでは手ブレで写真がよく映りませんでした。
 今日のメーンは高台寺の紅葉のライトアップです。
 京都の市街を俯瞰しているのですが、カメラブレで何がなんだかわかりません。

 京都のお寺は写真を撮るのに三脚の類は使用法度です。ここは自分の目で観るしかありません。
 
第3日目 11月25日
朝焼けの琵琶湖
 今日のスタートは嵯峨嵐山です。ここからトロッコ列車に乗る予定です。

 
トロッコ列車は、5両編成で運転されています。そして5号車はザ・リッチ号といって囲いのないトロッコで予約はできない車両。行けば乗れるものと思っていったのですが既に満席。1時間後の立席の切符しか買うことが出来ませんでした。

 
トロッコ列車が到着です。

運賃は大人一人600円です。折り返しの列車に空きが出たという事で往復を購入。帰りも立席です。
トロッコ保津峡駅では狸がお迎え。なぜだか判りません。
 保津川下りのお客さんとトロッコのお客さんが手を振ってエールの交換。

  船下りは2時間かかるそうです。
 5号車は囲いの壁とか窓ガラス等どは一切ありません。オープンエアーの臨場感を思いっきり味わえます。この時期でもかなり寒いです。
真っ赤な紅葉を観ながらの20分です。
 トロッコ亀岡駅で降車。歩いて常寂光寺に。
途中竹林の向こうに赤と黄色に色付いたもみじがまるでスクリーンに映し出されたように見えます。
常寂光寺の紅葉です。もう言う言葉がありません。
ビユーティフルです。
こんな絨毯に寝転んだら本当に幸せですね
このオレンジ色のもみじは感動ものです。
 紅葉の中の鐘楼、中々粋です。
常寂光寺の紅葉は言葉では言い表す事が出来ない美しさ。なぜかやさしさを感じさせる。なぜだろう。
常寂光寺から戻って、トロッコ亀岡駅から天竜寺に
行く途中「竹林の道」を通ります。美しい竹林は嵯峨野を感じさせるところです。
 嵐山のメーンストリートに着きました。中身が芋の金つばを一個買って食べました。
渡月橋の付近は観光客でごった換えしています。
土手に腰を下ろし、渡月橋を渡る人越しに嵐山の紅葉が楽しめます。
人は歩道からあふれて車道を歩いています。
  嵐山から京都駅に戻るのですが京福電車で北野白梅町に向かいました。ここには北野天満宮があります。
 
 天満宮に参拝してバスに乗って京都駅に戻ってきました。
 
 京都タワーが夕暮れの空に美しくそびえ立っていました。
第4日目 11月26日
 いよいよこの旅行も最終日を迎えました。大津市の宿「湖雁荘」から京都縦貫道路を通って、天橋立に行きます。

  沓掛ICから京都縦貫道路に入り丹波まで走ります。丹波ICでからは国道27号線を綾部まで行きます。

 途中。和知で道の駅 「和」に立ち寄り休憩。和知黒豆が名物なのでしょう。甘く煮た黒豆が何種類も売っていました。

 さば寿司も何種類もありました。さば寿司は保存食なんでしょうね。
 雨がぽつぽつと落ちてきました。11時過ぎに天橋立に到着しました。

 駐車場は道路沿いにたくさんあります。1日、500円から1000円です。運がよければ安く止められます。ちなみに600円の駐車場に止める事が出来ました。
 天橋立の景色は高いところから見なければ判りません。

 リフトでビューランドに行きました。ビューランドにはリフトかモノレールで行くしかありません。料金は850円です。インターネットで割引券を取り出して持っていったので150円割引になりました。
 股のぞき台に上ってこうしてみると上の写真のように見えます。写真を逆さにしてみたのと変わりませんが換わる変わる台に上がって股のしたの景色を楽しんでいました。

 隣接の看板には「股のぞきとは、頭を下げて股の下から景色を見ていると頭に血が上り、くらくらしてきて天橋立が天につなっがているように見えるから」などと書いてありました。
モノレールから見た天橋立。雨に煙っています。
四日間で初めての雨になりました。
 中年の女性が一人、傘をさし砂浜で何かを探すさまは一抹の寂しさか。

 はしだて茶屋で昼食。ここはあさり丼が名物みたいですが、定食をいたいただきました。開いた魚を二枚あわせた干物が美味しかったので土産屋で聞いたら「あわせサヨリ」といって昔はよく作っていたが今では、手間がかかるから作らないといっていた。なかなか食べられないものをご馳走になったわけです。

 黒ちくわといって、いわしだけでつくる竹輪です。焼きあがるを待っていただきました。あつあつの黒ちくは御覧のとおりの旨さです。
 舞鶴には、丹後由良経由の道を選びました。あの安寿と厨子王の舞台となったところです。これは山椒大夫と言う、森鴎外の小説の話ですが、昔読み聞かされて、ものすごく可愛そうな話として聞いた事が懐かしく思い起こされ、そこを観たくなって行ってきました。
 山椒大夫の屋敷跡の石碑があるだけですがここでもが燃えるような赤の美しいもみじを観る事が出来ました。
  今回の旅行の最終目的地舞鶴のレンガ博物館です。

 着いたのが午後4時15分。ここの見学は5時までです。雨の所為もあって夕暮れが早く来てしまいました。

  舞鶴の他の場所は何も見ることが出来ないままレンガ博物館から敦賀に向けて出発。

【エピローグ】

  天気予報に逆らったようないい天気に恵まれ、京都の見事な紅葉を観てくる事が出来て本当に幸せでした。

  何年も前からの観てみたいという欲求を今、達成した気分です。

  わが愛車は現在8年目、走行距離は14万4千キロを超えもはや老体の域に達した感がする車ですが無事1800キロのドライブを完走してくれました。まあ、同行した我々も、結構無茶をする初老人と見られたかも知れませんが気力、体力充実した楽しい4泊5日でした。

  高速道路は乗ったら最終目的地まで降りない。そして深夜割引時間にあわせることが基本です。

  今回の旅行のデータ
  日程 H18年11月23日から27日(4泊5日 一泊は車中)
  走行距離:1770キロ 大方、高速道路利用
  高速料金(ETC)仙台南〜木之本 9600円(深夜割引) 京都東〜京都南 450円(通勤割引)
             京都縦貫自動車道 沓掛〜丹波 1000円、綾部〜宮津 1000円
             敦賀〜仙台南 9300円(深夜割引)  
  有料道路  奥比叡ドライブウェイ 1500円  比叡山ドライブウェイ820円 
  電車運賃  比叡山坂本〜東福寺 320円  京都〜比叡山坂本 320円
          市バス200円
          比叡山坂本〜嵯峨嵐山 480円  トロッコ列車(往復)1200円
          京福電車 嵐山〜北野白梅町 200円 市バス200円
          
          天橋立リフト 700円(割引後)
  国立博物館特別展 1000円(前売り)  レンガ博物館 300円
  寺院拝観料  東福寺 400円 高台寺(夜間ライトアップ) 600円  常寂光寺 400円
  ガソリン使用量  約130L  
  小遣い ほんの少々  宿泊代 昼食代等
 
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紅葉の京都を訪ねて
H18.11.23〜11.27

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