泣くのをずっとこらえてる


仲のよかった友達が、結婚する事になりました。
彼女はとても優しくて、随分と前から俺をフォローしてくれる人でした。
男女の友情なんてあり得ないと思う奴もいるかもしれないけど、俺にとっては本当に親友です。
彼女が選んだ奴は俺の友達でもあって、そいつもとてもいい奴です。
昔から付き合っていたのは知っていたし、結婚すると言われて「やっとか」が感想なくらいです。

結婚式の当日、いつもと違う姿の親友二人。
二人とも俺の自慢の親友です。穏やかな笑顔が晴れの日に似合います。
当然、披露宴に呼ばれた奴らも俺の知り合いが大半で、みんなに手荒な祝福を受ける新郎。
それを笑いながらも止めない新婦は、学生時代の女友達から穏やかな祝福を受けています。

こんな時でも変わらないのな、お前等は。

特別に式にまで呼んでもらった俺は、会場で落ち着きなく座るしかない。
ホテルの教会が、式を始める鐘の音を告げる。
父親と並んで歩く彼女はとても美しく、先程まで見ていたはずなのに、まるで別人のようでした。
父親と交代したあいつはとても凛々しく、先程まで馬鹿やってたのに、まるで別人のようでした。
見た事のない、二人の表情。
俺の知らない、親友の顔。

お前等、そんな顔もするんだな。
そんな姿、初めて見たよ。

式が終わり、披露宴で皆に挨拶する二人。
不思議な気持ちで、二人に挨拶に行く俺。

「今更だけど、おめでとう」
「お前もソレかよ」
俺がグラスを掲げると、あいつは他の奴らにも言われたと苦笑した。
「だけど本当に、来てくれてありがとね!」
彼女は綺麗な笑みをふわっと浮かべてくれた。
二人はお色直しやら式の進行やらで緊張気味にも見えたけど、やっぱり俺の知ってる二人の顔をしていた。
他の人も挨拶に来そうなのを見て、俺は席に戻ると告げた。
「なあ、結婚した後も遊びに来いよな!!」
「そうだよ、誰も来てくれないと寂しいし」
二人の笑顔に、俺は頷く事しか出来なくて。
何故か、胸が苦しかった。



NEXT→