マッサージ
私のCS・ES症状の一つに、強い筋肉痛があります。これは、長年私を悩ませてきた症状で、それに対する対策も数々行ってきました。
○筋肉のコリ
私のCS症状は、1984年の発症当初から、有機リン系の農薬に対する反応が強かったです。この成分に接すると、神経症状(頭痛・めまい)に加えて、筋肉がガチガチに固まってしまうのを感じました。その後、電磁波過敏症を発症すると、電磁波によって筋肉痛を感じるようになりました。常に筋肉が固まったままで、全身に痛みが出るようになったのです。2012年頃から、スマートフォンが普及し、環境中の電磁波の量が格段に強まってくると、筋肉の痛みはますます強くなり常態化し、体を動かすのがつらく感じられるようになってきました。そのときに、筋肉をもみほぐすようにすると、痛みが和らぎます。
1999年に自分の病気が化学物質過敏症だと気づく前から、体調不良に対処するために様々な試みを行ってきました。1990年代には、ヨガを習いに行ったことがあります。ヨガのポーズは全身のコリをほぐして、体を軽くしてくれる感じがしました。今でもそのとき覚えたポーズをいくつかやってみることがあります。
1997〜1998年には、様々なマッサージ器具を試してみました。はじめに試したのが、首筋を揉む電動のマッサージ器でした。もみ玉が2つ付いていて、それが電動で動いて首を揉みます。これは、私のガチガチ固まった首には、ほとんど効果がありませんでした。もみが弱すぎたのだと思います。
他にも指圧の器具などを試してみました。自分で肩や背中がもめる器具、写真のようなタイプのものは、これもまた私の固すぎる筋肉には何の効果もありませんでした。他にもいろいろ試してみましたが、私の筋肉にはまるで歯が立たないといった感じのものばかりでした。
↑先端の突起部分を背中や肩に当てて、手前に引きながらグリグリと揉みます。
○コリがほぐれる器具
そんな中でよかったのが、中山式快癒器。これは実によく効きました。それ以来20年近く愛用しています。最近のネット情報を見ると、ステマかと思われるくらいこの器具を絶賛する声が聞かれますが、全く同感です。一見したところ単純な作りなので、たいした効果がなさそうに思えるのですが、細かいところをよく計算して作られているのでしょうか、よく効いてコリがほぐれます。使い方は簡単で、器具の上に仰向けに寝るだけです。体重の力で背中や首のツボが指圧されます。首から腰まで器具をずらして、順々に指圧していきます。
特別な技術は全く必要なくて、ただ押しているだけでジワーッと気持ちよく、しばらく押していると筋肉の固さがほぐれる感じがします。ひととおり背筋を押し終わると、全身が軽くなった感じがします。
このように、私にとって至福の中山式快癒器ですが、効果や使用感には個人差があるようです。腰痛持ちの夫にも使わせてみましたが、「全く何も感じない。気持ち良くもなければ不快でもない。何の作用もない」と言っていました。人によって、合う合わないがあるようです。
○自作「中山式」
1998年に、2球式(首用)、4球式(腰用)を購入して、毎日のように使ってきましたが、2001年に電磁波過敏症を発症してから、問題を感じるようになってきました。電磁波に過敏になると共に、金属製品にも強い反応を起こすようになったのです。金属製品を身につけると、その部分がピリピリとして筋肉が痛くなってきます。長時間身につけていると筋肉がこって固まり、痛みが慢性化してしまいます。
このような症状が出ると同時に、中山式快癒器を使っていても、痛みを感じるようになりました。もみ玉の部分が金属でできているせいだと思いました。筋肉をほぐすためには「中山式」は不可欠になっていましたが、その中山式を使うと筋肉が凝ってしまうのです。「困ったことになった」と思いました。
筋肉の痛みをほぐすため、他に決定的な手段がなかったので、私は何とかして中山式を使い続けたいと思いました。「金属製でない素材で同じ形状のものがあればいいのでは?」と思い立ち、自分で木製のものを作ってみることにしました。2003年のことです。東急ハンズに行って、材料を買ってきました。木の板と木のボール2つです。これを加工して図のようなものを作りました。作り方は次の通り。板に中山式快癒器と同じ間隔で印をつけ、その点を中心に直径1cm程度の円を描きます。彫刻刀で掘ってくぼみをつけ、木工用ボンドで球を貼ります。木の匂いにも反応するので、全体をビニール袋に入れて、口を閉じたら完成です。
これを本来の中山式の代わりに使いました。台の高さが必要なので、小さくて厚みのある本にヒモで縛り付けました。この「お手製中山式」はけっこう気持ちよかったのですが、本物とはずいぶん使用感が違いました。背中に当たる部分のカーブが微妙に違うために、ツボへの当たりが強く、本物より指圧が鋭く感じました。また、本を土台にしているので、ずれやすく使いにくいものでした。それでも、もとのものに戻るわけにはいかなかったので、この手製のものを使い続けていました。4球式もほしかったのですが、加工が大変そうなので、断念しました。
○改造「中山式」
その後10年以上の時が流れ、2014年になりました。この頃にはインターネット通販もかなり発達し、様々な商品を購入できるようになりました。品揃えが格段に増えたという感じがしました。私は中山式快癒器について改めて調べてみることにしました。中山式が金属製である必要はないはずで、プラスチック製か木製のものだって売っているのではないかと思ったのです。類似品だって出ているかもしれません。もっと優れた商品だって開発されているかもしれないのです。
検索してみると、かつて木製と磁器製の中山式快癒器が発売されたことがあったのがわかりました。しかし、中古市場で取引された痕跡は見られましたが、その時点では販売終了となっていました。
現品の品揃えをみてみました。様々な種類の中山式快癒器が販売されていますが、もみ玉が金属のものばかりです。が、その中に1種類だけ、もみ玉がプラスチックのものが! これを購入してみることにしました。
↓プラスチック素材の半球がポリエステル繊維のフワフワとした布で覆われています。
見たところ、これをそのまま使うことはできないので、自力で改造してみることにしました。
問題点
・土台が弾力性のあるクッション状になっていて、指圧が弱すぎる。
・内部のウレタンの成分にCS反応を起こす。
・表面のポリエステル布にもCS反応を起こす
改良方法
ウレタンを除去し、代わりに固い素材のものを入れる。
ウレタンを除去し、ボール紙を切ったものを重ね合わせ、中に詰めました。表面の布素材(ポリエステル)の匂いが気になるので、ビニール袋に入れて完成です。ビニールは汚れ防止にもなります。
まずは2球式を買って改造してみたら、うまく行ったので、その後、4球式も買って同様に改造しました。写真は4球式のものです。使い心地は本来の中山式そのもので、非常に満足しています。2球・4球両方とも使って、首・背中・腰をもみほぐしています。
○使い方の工夫
2015年を過ぎたあたりから、環境中の電磁波がさらに強くなってきたためか、中山式の効きが弱くなってきた感じがしました。筋肉のコリが強すぎて、効果が行き届かない感じがします。さらに効果を強くするために、それまでは乗っかって背中に押し当てて静止していたのを、少しだけ体を揺するようにしてみました。そうすると、押すだけでなく、もみほぐすような動きが出るので、ずっと効果が高い感じがしています。
背筋だけではなく、背中全体や脚を揉みたいと思うことがあります。そのときはヒモを使って2球・4球式を連結してやります。ひもの長さを変えると、好きな幅に調整できます。両脚の幅に合わせると、ももの裏やふくらはぎも揉めます。
腕や脚が怠いときは、以前は写真のタイプのものをつかっていましたが、素材のゴムが匂うのと、電動でES的に症状が出るのとで、次第に使わなくなってきてしまいました。腕を効率よく揉む方法があれば知りたいです。
↑電動でドコドコと腕や脚を叩いてくれます
○改良型・木製「中山式」
その後、次第に電磁波過敏症の症状が進んできて、もうピンク色の改良「中山式」では効果がなくなってきてしまいました。筋肉のコリが強すぎて、もみ玉で押しても、ほぐれなくなってしまいました。体を揺すっても効果がありません。どうしようか・・・と悩んだときに、思い出したのが、木製の中山式です。これは「押し」が強すぎて使わなくなっていたのだから、今こそ、これを再開すべき時です!
クローゼットにしまってあったのを取り出してきました。このままでは高さが足りないので、新たに段ボールで土台を作りました。
段ボールや木の匂いが苦手なので、全体をビニールで覆って、完成です。
さっそく仰向けになって乗っかっていると、ピンクのよりずっと強い「押し」です。グリグリと凝りをほぐして気持ちがいい! これを使うことにしました。 ピンクの方と比べてみると、もみ玉の直径が小さくて、その分ピンポイントで強く押せる構造になってい ます。よく見てみると、以前、球のカーブが強すぎると感じたため、彫刻刀でいくらかなだらかになるように削って調整したあとも見つかりました。丁度良い揉み具合です。
すっかり忘れていましたが、腰が揉めるように幅広のものも作ったようです。こちらは、さらに木製の台をつけて、高さを調整してあるので、このまま使えます。
これからしばらくは、この中山式でコリをほぐしていこうと思っています。更にこれが効かなくなるときが来たら、そのときはまた別の方法を考えていきたいと思います。
○姿勢を直す
私は若い頃から姿勢が悪い、猫背だといわれてきました。今考えると、中学校の時にCSを発症して以来、肩や背中を支える筋肉が化学物質でやられていて、正しい姿勢を取るだけの働きができなかったせいではないかと思います。全身の筋肉が固くて、怠さのあまり座っているのもつらいくらいでした。また、呼吸が苦しいので、かばうために猫背になったとも思われます。大人になっても猫背だという自覚があって、モデルさんのようなすっきりとした姿勢になれば、肩こりや背中の痛みがなくなるのではないかと思っていました。姿勢を矯正するためにいろいろやってみました。
○猫背矯正装置
学生の頃、猫背矯正ベルトというのを使ったことがありました。ゴムのバンドっぽいので留めるやつです。あれは締め付けが苦しいので、長続きしませんでした。だから、今でもあのタイプは無理だと思います。
私が考え出したのは、京劇や曲芸の人たちが体を柔らかくする方法を参考にしたものです。少しずつ力を加えていけば、体が柔らかくなるというのです。私の肩の筋肉はガチガチに固まって猫背になっていたので、しかるべき方法で柔軟性を取り戻せば、猫背が治るのではないかと思ったのです。
それで考え出したのが次のような装置です。実物は安価な段ボールで作りました。段ボールで角材のようなものを4本作り、それをつなげて図のようにします。補強のために中にロープを通してあります。
どうやってエクササイズするかというと、くびきのようにはめます。
ふだん前の方に倒れている肩を、強制的に外側にします。はじめは緩いものを作って練習したら、少しずつ四角の幅を狭めていくつもりでした。
これを装着した様は、かなり異様です。最初は人に見られないようにこっそり使っていたのですが、夫のアドバイスを受けたくなり、見せてみました。夫は唖然としたあと、大爆笑でした。
1日10分程度の装着で、毎日続けていきましたが、何とも言えず苦しい装置でした。10分後には肩が痛くなってしまいます。血流がおかしくなるのか、クラクラとめまいもしました。つらくても少しずつやっていけば、いずれ柔軟性が出るのでは?とがんばっていたのですが、10日ほどやって、はっきりと「これは体に悪い」と感じたので、やめにしました。
○ストレッチポール
その次に試したのはストレッチポールです。インターネットで検索していて、見つけました。丸太状のプラスチックフォーム(直径15cm×長さ98cm
)の上に仰向けに寝ます。背筋が伸びて、肩が自然と外側に開き、全身によい作用があるということです。
これがけっこう高価なのです。しかも素材は発泡オレフィン系樹脂。私の場合、何らかのCS症状を起こしそうです。また、買って効果がなかった場合、ゴミに出すのも厄介そうです。簡単に試してみたい、そのためには自分で作ってしまうしかない、と思いました。
またまたネットで調べてみたら、自作している人が何人かいました(2015年当時)。塩ビ管を使ったもの、紙管を使ったもの、木材を材料にしたものなどいろいろありましたが、どれも材料費が3000円以上するようです。現物を買うよりは安いのですが、それでも高すぎます。ゴミに出すときの問題もあります。
私はまた、安価な段ボールを使うことにしました。作り方は簡単です。大きな段ボールをひたすら巻いていきます。段ボール4つ分巻いてちょうど直径15cm、長さ90cmのものができました。これを2つ作ってつなげ、直径15cm、長さ
180cmのものを作りました。段ボールの匂いが気になるので、全体をビニール袋で覆って出来上がりです。
さっそく仰向けに乗ってみました。重力でじんわりと体がポールに馴染んでいって、何とも言えない気持ちよさです。背筋が伸びて、胸郭が開いて、呼吸が楽になりました。自然と深呼吸ができます。
しばらく乗っていました。気持ちがいいので、いくらでも乗っていられそうですが、あまり長時間やらない方がいいみたいです。短時間ずつ、継続してやるのがいいようです。「これはいい! 毎日やろう」と、「ストレッチポール日課表」という記録用紙まで作りました。やる気満々です。1ヶ月もやれば、だいぶ体も変わってきて、体調がよくなるに違いない。3ヶ月やったらどうだろう? 6ヶ月後の自分が楽しみだなぁ。
半年ほど経ったとき、私は部屋の隅に見慣れないものがあるのを発見しました。すっかりホコリをかぶっています。これは何だろう? ホコリのアレルギーがあるので、まず全体に掃除機をかけてから、持ち上げてみました。「あ、これは・・・!」
ストレッチポールです。すっかり忘れていました。あのあと1週間ほどやった記憶はあるのですが、その後のことが思い出せません。記録用紙もどこかに行ってしまいました。もし効果があると実感できたのなら、ずっと続けていたはずです。中山式快癒器なんて20年も続けているのですから・・・。ストレッチポールはあまり効果がなかったことがわかりました。
そうと決まれば、話は簡単です。自作ストレッチポールはあっという間に解体されて、廃品回収へと旅立っていきました。製作費も処分費も0円です。このサイトのために写真を撮っておかなかったことだけが悔やまれます。
○本に書いてある方法
2015〜2016年にかけて、筋肉の痛みを取るための本を、いくつか図書館から借りて読んでみました。試してみてもあまり効果の感じられないものや、手間がかかって続かないものも多かったのですが、そんな中で次の本はとても参考になりました。
「頭を5cmずらせば腰痛・肩こりはすっきり治る!」綾田秀樹・著、角川SSC新書
この本には、悪い姿勢を良い姿勢に直すための方法が書いてあります。
図左の「猫背なのに腹は前に出ている姿勢」というのが、もろに私の姿勢そのもので、これを意識してなおすと、ずいぶんと肩こりが楽になります。そのための具体的な矯正法も書いてあります。毎日練習しなければなりませんが、1週間ほどで上手にできるようになり、効果が出ました。具体的でわかりやすい方法であり、理論的な裏付けも書いてあるので納得できます。問題点をあげつらって、「
治したければ当院の治療を受けてください!」という本が多い中で、この本は完全にセルフヒーリングの方法が公開してあり、良心的です。
目からウロコだったのは、「よい姿勢は何か」という項目で、モデルさんがピンと背筋を伸ばしている姿勢は、実は体に負担がかかっているということです。私は猫背で、「背筋を伸ばして!」と言われることが多かったので、モデル姿勢が理想なんだと思っていたのですが、実際は違うということです。自然で負担の少ない姿勢とは、まっすぐに棒立ちになっているような姿勢で、決してかっこよくは見えないけれども、重力に逆らわない、筋肉に負担のかからない姿勢だということです。
かつて段ボールで作った「猫背矯正装置」は、モデル姿勢を目ざすもので、考え方が根本的に間違っていたのだと気づきました。すぐにやめてよかったです。
この本の矯正法を3週間ほど続けていたら、子供の頃から続いていた頑固な肩こりがずいぶん楽になりました。その後も姿勢が悪くなってきたと思ったときは思い出したようにやっています。
○ヨガをもとにした自己流背筋伸ばし法
電磁波過敏症で首から肩の筋肉がギューッと引っ張られたように収縮して痛むことがあります。私の場合、あるタイプのパソコンに対する反応として出ることが多いです。一度この症状が出ると、数日は続きます。首〜肩〜背中〜腰がバリバリに固まったようになります。これをほぐすための体操のようなものを、自己流に開発しました。ヨガの「魚のポーズ」みたいに、仰向けに寝て頭をそらします。肩も外側に開きます。
その状態を少しゆるめます。その姿勢で、両足の爪先を外側に開いて、足踏みのように揺らします。次に、両足の爪先を内側にして足踏みのように揺らします。背筋が揺すられて、内部の筋肉がほぐれる感じがします。首から肩の固まった筋肉も、だいぶ柔らかくなる感じがします。
(2017年11月)
(2019年5月加筆)