伝統工法の意味を問う
この構法・工法の特色は、大きな木造建築で天井の高い空間を造り出すために、日本の伝統的な木造建築の技術が応用できないものか、また伝統的造形表現を継承できないものか、と試行錯誤して生まれた「現代四方差し」ともいうべき、柱と横架材の仕口の形態にあり,
接合部に金物を使用しない工法となっています。
近世的差物構法では、柱(特に大黒柱)はケヤキ材、差物はマツ材が多使用され、拭漆仕上げで光沢を放っていたり見事な構造美をつくっています。
しかし、現在の日本の木材事情ではなかなか実施困難であり、また柱と差物の仕口加工は精密複雑で、しかも柄穴など断面欠損が多い点があります。
カンザシ工法では、こうした問題点を解決しました。