2006年4月以降のまとめ

●転院、投薬の変更、生活指導

2006年4月

2003年の発病から3年半あまり、罹患右側聴力は、平均聴力が約70dbを超えて来ました。
不快な音は響くのに、必要な生活音は聴こえなくなってしまいました。
いい方の耳をそばだてても、明瞭度が悪くて、声はしても何を言ってるのかわからず・・・
人との会話も不便な事が多いし、片方が聞こえなくなると音の方角が全くわからなくなりました。

S医大の主治医はめまい専門医ですが、積極的な治療は何もなくて、病院へは薬を「買いに行く」だけ。
外科的な治療に関してはしてもしなくても経過は最終的には変わらないとの事で却下でした。
それって、運まかせ〜〜??

左も低音が低下しているし、聴力への不安が募り、転院を決意したわけですが・・・
今思うと、メニエール病に術なし、進行するのは運任せとは、S医大の先生の長年の経験からして確かなのかもしれません。
でも、患者からしたら、あきらめるわけには行きませんしね・・・

2006年4月にN病院へメニエール病での第一人者のF先生を訪ねました。
F先生は「今までずいぶんつらかったでしょう?S医大では何もしてないの?」と言ってくれて、涙がちょちょぎれてしまいました。

ここでの薬の処方は利尿剤のラシックスと、ラシックスで排出されるのを補うカリウム剤のみでした。
耳鳴りがひどいと安定剤が出るようです(家にあるのでもらわず)
そして、毎日息が上がる有酸素運動を必ず15分する、糖尿病並みの超減塩食の指導。

超減塩と、水分をたくさん摂取して、利尿剤でどんどん体内の「ナトリウム」を出す事が大事で、通常はこれだけでめまいは改善するそうです。
ラシックスの利尿作用は強力なので、外出の予定がある時は飲めませんでした。
私はラシックスを飲んで2時間ほど利尿効果があっても、夜にはすっかり耳が詰まるので、夜は残っているイソバイドも飲んでいました。

アルバム化しているオージオの記録・・・2006年4月〜5月

●ENG・カロリック検査 

2006年5月、N病院でENGとエアーカロリック検査を受けました。
3年半にして初めての、メニエール病の検査らしい検査をしたのです。

私はめまいを感じていなかったのに、眼振計では発作状態並みの眼振を記録していて、普通の人なら歩けないそうです。
それだけめまいに慣れているのでしょうと、技師さんもびっくり。
カロリック検査でも、両方ともめまいを感じませんでした。
先生に私のメニエール病は相当な重症例で、手術をしないと将来は両耳失聴するかもしれないと言われました。
そして、この病院での私の治療は「手術をするか否か?」という選択でした。

手術は「内リンパ嚢開放術」です。
メニエール病は、内耳の内リンパ系のリンパ液が増えてしまうので、内耳のリンパ液を吸収する場所、内リンパ嚢を開放してリンパ液を逃がすという手術です。
めまいの改善は、ほとんどの人には有効ですが、開放したリンパ嚢は塞がろうとする為、再発が難点。
私の場合、めまいの改善はもちろんなのですが、「両耳の失聴を防ぐ」という事が大きな目的だそうで。
手術の経験者は非常に少ないし、あまりいい情報がなくて悩みました。

手術に賭けるしかないと思って調べていたら、積極的に手術をしていて実績を持つ先生がいる事がわかり、メールで問い合わせたのがきっかけで手術をしてもらう事になり話を進めていました。
S大の先生に手術をしたいと打ち明けて紹介状ももらい、こんな体調で関東から関西まで行くのは死ぬ思いでしたが、まさに藁にも縋る思いでした。

しか〜し!!!
日程も決まってたのに、一通のメールが届きます。

「考えてみたらめまいで大御所のS大教授が主治医な上、手術一人者のF先生の手術を蹴って自分が手術したと知れたら、自分はこの世界で生きていけなくなるからやっぱりやらない」

信じられますか??これにはほんと打ちのめされました。。。
一生忘れられないですね。
(後に主治医になった先生の伝手でこの医者の手術を受けます。。。経緯を知らない主治医が手術に向けて動いてくれたので断る事も出来ませんでした。相手の医師はこっぴどく切り捨てた私とはつゆ知らず)

●2006年7月 更に転院、鼓膜チューブ留置、鼓室内ステロイド投与

手術を見送り、これからどうしよう・・・と悩んでいた時、現在の主治医を知りました。
7月に初診に行き、その日に鼓膜チューブ留置、ステロイド(デカドロン)の鼓室内投与を受けました。

鼓膜チューブ留置の効果は、鼓膜に穴を開ける事で圧が変わるので、内リンパ水腫が軽減するのではないか?との事でした。

鼓膜のチューブから、デカドロンというステロイドを鼓室内へ注入しました。(2007年4月までに計8回注入)
中耳から、内耳へ染み込む窓があり、そこから内耳に直接ステロイドが届くそうです。
服用と違い、ステロイドの副作用もない治療です。

ずっと通っていたS医大がこの治療の発祥地ですが、現在はまったくやっていませんでした。
効果は耳鳴り、めまいともに・・・感じられませんでしたが、耳へ何か治療をしてもらった満足感がすごくありました。

●中耳加圧治療(メニエット)

チューブ留置、ステロイド注入後もめまいがあったので、中耳加圧治療を始めました。
メニエットはスエーデン製の電動加圧器ですが、残念ながら貸し出し中でした。
今回私が借りているのは、オーストラリア製の手動の加圧器(P100)です。
毎日、自宅で治療しています。
これは、鼓膜にチューブが入ってないと出来ません。

手動式P100。耳に入れてシュポシュポと押すだけ。
全然圧は感じませんが、チューブの音が「プチ」っとする事で圧がかかってる事がわかります。
1日3回、1回に4回の加圧を3セットです。
2007年5月にP100を返却、メニエットを2ヶ月弱お借りしました。
これは、先生が自腹で買って貸してるんだと思います。
頻繁に空気漏れでエラーになってしまいます。
40秒待機、加圧12回、を3セット。
無事に終了するまで結構時間がかかります。

耳に入れる先のゴムは、大きさが5種類くらいありました。
私は一番小さなものを使いました。

大きいのはすごい巨大です!!外国人は耳の穴が大きいのかな?
(メニエットはスエーデン製です)
2007年2月のオージオ。
1月からめまいが頻発、音の響きや興奮状態がひどい時期。

聴力は低下の一途という感じです。



●自律訓練法

主治医の勧めで、心理士の先生の自律訓練を習い始めました。
一部のメニエール、耳鳴りに有効、パニック障害にはかなり有効だそうです。

要は、副交感神経を優位にしてリラックス出来る状態を作る訓練です。
人間は交感神経と副交感神経を調節していて、自分の意思でそれをする事は出来ません。
でも、多少のコントロールが出来るようになる訓練です。

めまいには効果はありませんでしたが、寝つきが良くなったと思います(継続中)

<参考>メンタルヘルス健康ガイド

更にいろいろな治療をする、外リンパ瘻の検査