西伊豆                h、16,12/10,11,12


12月10日(金) 昔お世話になった会社の奥様が亡くなって お通夜に顔を出す。
昔の同僚も随分年を取っていた。向こうもそう思っていただろうな。

7時30分、家に帰って 待っていたヒロちゃんと荷物を積み込んで出発。
途中三島のスーパーで食料の調達、9時閉店の店で20分間の慌ただしい買い物を
済ませて 西伊豆へと向かう。
天気予報は 明日11日(土)は晴れ、12日(日)はくずれると云っていた。釣りは明
日だけになるであろう。

西伊豆到着が11時近く、2人程夜釣りをやっているが干潮で釣れていないようだ。
オレ達も夜釣りをする元気はなく 車の中でおでんを温めてまずは乾杯!。
今夜も星が綺麗だ!ヒロちゃんも感激している。
良いこんころもちになった所で 窓から首だけ出して星空を眺めていたら 流れ星が
ふたつ ピュッ ピュッ っと飛んだ。 何か良い事が有りそうな予感が・・・・・。



明けて11日(土) 気持ちよい目覚めである。 8時少し前、漁師が網を広げている。
車から降りるとニコニコと挨拶をしてくれた、顔馴染みになった。
「今日の漁はどうですか?。」
「全然駄目だ!。」
海が静かすぎるのかな?。
「何か売ってほしい。」って頼むのだが。
「自分で釣れ!。」って売ってくれない。冷たい親父である。
「今夜はこれを焼いて喰え!。」ってサザエを二つくれた。
ヒロちゃんも覗きに来た。
親父さんが「こいつを喰うか?持って行きな!。」ってトロ箱を指差す。
ヒロちゃん蓋を取って 「ウエッ!。」って云って行っちゃった。
「あっははは。」 って笑う親父。ウツボがいっぱい入っていた。
「あん人は駄目だな、あんたは何でも喰いそうだが。」
「ああ、オレは何だって喰っちゃうよ!。」
横からお母さんが
「キタマクラは食べるじゃぁないよ!。」
「キタマクラねぇ、あいつも旨そうだけどな、やめとくよ!。」
話しているうちに
「こいつを喰うか?。」ってタカノハダイを寄こす。
「こいつは不味いっていうからいらない。」
って云ったんだけど、甘味噌を腹の中へ入れて 鱗の付いたままで焼いて喰えば旨
いから持ってけ!。と2匹貰った。
「それから法螺貝も焼いて喰え、ワタは喰うなよ!。」
色々貰ってしまった。

          
   オジサン

釣りは27センチのオジサンが1匹。
そうだ、その前にウツボが釣れたんだった。
スーパーで20センチのマイワシを買って、こいつをタンザクにして 捨て錘で沈み岩
の所へぶっ込んでおいたら ピクピクッっと魚信が来た。捨て錘の糸を切る為に思い
っきり竿を煽ってぐんぐんとリールを巻いた。
重い!、何だろうか?。一所懸命にリールを巻く、時々巻けない位に重くなる。
漸く見える所まで寄ってきたら とぐろを巻いたウツボが掛かっていた。ピンピンと竿
を煽って真っ直ぐに伸びたところで思いっきり堤防へとぶち抜いた。
車の陰で昼寝を始めたヒロちゃんの所へ「釣った、釣った!。」と大騒ぎをして持って
行って起こしてやった。
「今夜はこいつを喰おうぜ!。」
ニコニコして見ていた漁師の親父さんが来て ヒロちゃんに
「こいつは駄目だ、黄色のウツボが旨いんだよ。」と云ったらしい。
オレはそんな事知らないから スチロールの箱の中へしまっておいたんだが それ 
を聞いて残念だが捨てた。
  ウツボ

夕方暗くなったが釣れない。6時頃、買い物に行こうぜと ヒロちゃんが呼びに来た。
夕べ ビールを全部飲んでしまったからなぁ。
ウキに魚信があったところだったので 「もう少しやらせてよ。」って竿を出す。
ヒロちゃんは車を動かす支度を始める。
浮子が スーーッ!っと潜る。
ビシッ!!。っと合わせると、重い!。
「何だ?!。」走る 走る!!。結構重いぞ。なかなか浮いて来ない。
漸く近くまで寄せて玉網を構えるが 真っ暗で魚が見えない。困ってしまった!。
仕方が無い、ヒロちゃんを呼ぼう。
「おーーい、ヒロちゃん!。」
返事が無い。 もう一度。
「おーーーい!。」
「なんだぁー?」
「ちょっと来て!!」
のそのそとやってきたヒロちゃん。
「何だ、釣れてんのか!」
「うん、釣れてんだけど 真っ暗で何にも見えないんだよ。懐中電灯で照らしてすくっ
てくれるか!。」
「わかった!」
懐中電灯で照らしたら でっかいメジナが掛かっている。
「おおっ!でかい!!」
ヒロちゃん、例によって玉網入れが下手くそである。なかなか入らない。しかも懐中
電灯が魚を照らしていないときている。
「魚を照らして!」
「よし、そこだ!」って云うんだが変なとこばっかりすくう。何度目かの玉網入れで
漸くと取り込む事が出来た。やれやれである。
「おおー!でかい!!。50センチは有るな!!」
大げさである、40センチだろう。でもオレにしたら初メジナである。嬉しい!。
高笑いしたいのだが そこはぐっと堪える。
「よーーし!、刺身で喰おうぜ!!。」
とりあえずスカリに入れて。
「ビールを買いに行こう!」
もう釣りはいいのだ。
喰いたいのである。
43センチのメジナ


ビールを買って来てから考えたら 今夜のつまみは沢山ある。漁師の親父さんに貰
った魚と貝、それにオジサンがある。
「そうだ、明日は天気が悪いっていうから 早上がりをして温泉に入って 家に帰って
から皆で喰おうか。」
「そうすっか。」
って事で、血を外してクーラーへと放り込む。
タカノハダイとオジサンの刺身、サザエの刺身、法螺貝を焼いて、タカノハダイの甘
味噌焼、堤防での酒盛りである。

タカノハダイの刺身はクセは無く味が無くで 不味くは無いが旨くも無かった。それか
ら甘味噌焼は 教えてもらったように鱗が付いたままの状態で焼いて、焼きあがった
ところで皮をバリバリと剥がして、腹に詰めておいた甘味噌を付けて喰うのだが、肝
心の魚の旨味が足りなくて 何か物足りなかったな。
サザエの刺身はオレ一人で喰ってしまった。ヒロちゃんはあんまり好きではないの
かな。法螺貝は身を出しにくくて 家に帰ってから喰う事にした。
オジサンは身がしっとりとしているのだが もう少し旨味が欲しいってところだったな。


  豪華客船

12日は天気予報では雨、漁師の親父さんの予想では午前中はもつだろうと言って
いたが、何のこたぁない 朝からぽかぽかの良い天気である。

  27センチのメバル

昼少し前に ヒロちゃんが27センチのメバルを釣り上げてきた。立派メバルである。
オレは全然ダメ、ヒロちゃんの近くへ移動してようやくとイスズミが1匹。後は例によっ
てお決まりの餌取りの猛攻である。昼1時頃に納竿、漁師のお母さんが「気をつけて
帰んなよー!。」って別れたんだが、しばらくしたら「これ持って来な!。」ってヤマ
トイモを持って来てくれた。色々もらい物しちゃったなぁ。ありがとうね!!。今度は
おみやげをいっぱい持って来るからね。

帰りがけに 天城のふもとの狩野川沿いにある 湯の国会館で温泉に浸かる。
この温泉は良い!。ぬるぬるとしていて身体に良さそうである。泉質が良いと思う
な。 帰ってからFさんの店へ寄る。
「明日オレん家で飲まないか。」
「いいな、遣ろう!。」
「これ、料理してくれないか?。」
図々しく頼む、メジナの刺身とメバルの煮付け、イスズミは任せる。ヤマトイモも任せ
るからと。

今夜のつまみは店の物を喰って。っと、そうだ 法螺貝を開けてもらって喰ったんだ
が、こいつがなかなかどうして 旨いんだな。
「刺身も旨いぞ!。」と云う。よし、今度貰ったら刺身でくってみよう!。って
自分で釣る事は全然あてにしていないのである。

翌月曜日、隣のOさんも誘ってオレの家で4人で酒盛りである。
大皿いっぱいにメジナの刺身、なかなか豪勢である。それからメバルの煮付けは文
句なしである。イスズミ、不味いというけれどなかなか旨いぞ。この間は焼いて喰っ
たが 今回は煮付けてくれた。旨いよ、身も締まっていて。
ヤマトイモも 自然薯に負けない程のねばりがあって やまかけにして喰ったが旨
かった。とても畑作りの芋には思えない味であった。


後日、法螺貝の刺身の話を漁師の親父さんに話したら、ぬるをきれいに取らないと
あたるからやめときな、と言われた。やめとこ。

イスズミ→図鑑で調べたら 旨いのと不味いのと2種類あるらしい。ここのは旨かっ
たから2度共当たりだな。夏は喰えないようではあるが・・・・・。