(2004/08/13執筆開始)
(2004/10/26最終改訂)


この続きは シルマリルネタがわかる閲覧者が
現れるまで書くことはないだろう!
「レイシアン」で スパリノ書いてもいいですか?

やはり ここの管理人には 普通の恋愛小説は書けないようだ





最初は歌だった

絶望と歓喜
永遠と孤独
空気が裂ける音は 使徒が吹くトランペットよりも大きく 
大地を揺るがした衝撃は 全世界の生きるモノ達が全身で感じ取った
海は牙を向き 海と共に暮らしていたモノ達は 過去に向かって呪いの言葉を投げた

その日 落ちてきた小惑星の名は「2202XA8」
科学者が記した予言書の名でこの悪魔は呼ばれることになった

世界は闇に閉ざされた
その闇は ただ光がなくなったという物ではなく
心の中に 絶望という形で入りこんでくる生物のようであった

皆が 絶望に打ちひしがれた時 海から声が聞こえた
聞いた者は 泡がコポコポという音のようだったとも 波が岩にぶつかる音のようだったとも のちに語っている
しかし 内陸部に居る者たちも川の水や泉から同じ声を聞いた

「船を作れ 長い旅に耐えられるように作るのだ
 悪魔が眠る地にたどり着き 新たな光をみつけるがよい」

死すべき運命の人の子は この言葉に恐れおののき 暗闇の中に戻った
人より長く生きる定めの民が この言葉に希望を抱き船を作った

船で旅立った者たちは
悪魔が眠る地にたどり着き
鉄の杭で悪魔の体を大地に縫いつけ
かかとを折り
背中を曲げて
地上に輝く太陽の光からとられた火で鍛えられたくさりで
悪魔をしばった








さて 優秀な技術者達がギガンティスに集められ 
次の世代の子供達が生み出された時代は追憶の中ではあまりにも短かった


この頃 ギガンティスで まるで身中に秘かな火が燃えているかのような子供が生まれた
彼は 父親がつけた本当の名前があったのかも知れないが その後の歴史書の中では 「5番目」すなわち「イプシロン」と呼ばれた

彼は背が高く 支配する力を持っていた 目は射るようにするどく輝き 髪は黒々としていた
目的とするものがあれば 何であれ 断固として熱心にこれを追求した
助言によって彼の行動を変え得た者は数えるほどであり 力によって変え得た者は皆無であった


この時代に生まれた子供達の中で もっともガウディル博士に愛されたのはシナモンだった
彼女は 太陽の光と月の光が混じったような髪の毛を持っていた
彼女は 海の向こうにある大地を見たいという望みが強く いつも太陽が沈む方向を眺め
のちに戦場に出た時も 身中に潜んだ炎は彼女を焼かず
彼女と共に戦った者達をその手で癒した


歴史書の中には残らず もはや子供のおとぎ話の中で「小さき人」と呼ばれる種族もこの時代に生まれたと言われている
しかし 彼らがいつ どこで生まれたのかは 今ではだれもわからない
彼らは 元から身の丈が小さかったわけではなく あばれ牛を素手で組み伏せるほどの身の丈があったとも言われている
道具の使い方がうまく 生まれて始めて使うはずの武器もおもちゃのように使いこなし
人間には真似もできないほど身を隠す術に長けていたがために 
人間達は彼らが身につければ影だけ残して姿を消すことができる指輪を持っていたのではないかとまで言うありさまである
彼らは耳ざとく 目が利き 動作は速く機敏である

人間の歴史書に「小さき人」とよく似た2人の若者が出てくるのだが
身の丈が高く 故郷の事を語らず 旅を好み いくつかの戦場で2人の姿を見た者も多かったが
2人が どこから来て どこに去り 何を探しているのか聞くことができた者はいなかった





そして ギガンティスで生み出されたすべての宝石よりもすばらしい宝がイプシロンの手によって作り出された
それは超FMだった
外見は 他のFMと同じようにも見えるが 金剛石よりも堅固で いかにはげしい力を加えようとこれを傷つける事はできなかった

精霊達は超FMを見て 驚嘆と喜びに心を満たされた
そして精霊達は超FMを清めた
以後 何者であれ 悪しき意図の持主が超FMに触れれば その手は必ず火傷を負った

精霊のひとりが超FMを見て予言した
「われらすべて いや生きるモノすべての運命が超FMの中に閉じ込められている」と言った










暗闇の中 たいまつの光だけが彼らのボディの上で踊っていた
リベリオン軍の幹部達は 聞いた者すべての心の中に不安と影をおとすほどの恐ろしい誓約を立てた

「超FMを所有する者は 我らが地の果てまで追いかけ殺すだろう 
      この誓約を破る者はフォースメタルをも溶かす炎で焼き尽くされるだろう」

空に 大地に 海に向かって 何度も繰り返し叫んだ
レプリロイドに 人間に 神に そして想像主の名にかけて誓いをたてた





イプシロンにしたがって 旅立った者達の前に
黒づくめで 目だけが光る伝令が現れた
「そなた達は 誓約にしばられ 誓約に裏切られ
 同胞に裏切られるのではないかと恐れおののき
 正しいと思って行った事によって死ぬだろう」
伝令が継げたことは 意味がわからなくとも 聞いた者すべてが記憶にとどめた
そして 悲劇が起きた時に その意味を知った

イプシロンは からからと笑って伝令に告げた
「そうなるかもしれない
 しかし 我らは臆病者に悩まされる事はないだろう
 我らは死すとも 歌に残るだろう」
そして イプシロンにしたがう者達は 全員旅を続けた





リベリオン軍とレジスタンスの最初の戦いにイレギュラーハンターも支援を出した
援軍を見たとき アル長官は 声高く叫んだ
「ウトゥーリエン アウレ! ウトゥーリエン アウレ! 朝が来たぞ! 朝が来たぞ!」

援軍もこれに答えた
「アウタ イ ローメ! 夜は過ぎ行く!」と


戦いは最初レジスタンス側が勝っていたが
超FMの力に魅せられた裏切り者のせいで レジスタンスの勢力は分断され
武器で劣るが数の多いメカニロイドの軍勢が投入された時に レジスタンス達の退路はもうなくなっていた

その時 エールがアル長官に向って言った
「長官 間に合ううちに撤退してください レジスタンスが残っているうちは イプシロンはギガンティスの外には出ないでしょう」

アル長官は答えて言った
「レジスタンスベースはもはや長く隠れてはいられないだろう そして発見されれば滅びるに違いない」

エールは答えた
「しかし今しばらくレジスタンスベースが倒れずにあれば その時は長官のおそばに 人間とレプリロイドの望みがやって来るでしょう
 長官 私はこの事を死にゆく者の目で申し上げるのです 長官と私はここで永遠に別れる事になります
 では ごきげんよう」


最後にただ1人マッシモ(初代)が残った 彼は盾を捨て 両手で斧を握って振りまわした
斧はリベリオン軍のメカニロイドを切るたびに血煙を上げ マッシモは1人切る度に
「アウレ エントゥルヴァ! 昼再び来たらん!」と叫んだと歌に歌われている
70回彼はこの叫びを上げた しかし 遂に彼はリベリオ軍に捕らえられた
マッシモを生きながら捕らえようとしたメカニロイドの手が斧で腕から切断された後もはなれず
次第にその数が増して 遂に彼はその中に埋もれてしまったのである

リベリオン軍とレジスタンスの最初の戦いが終わった時
レジスタンスの一部は捕らえられ イプシロンの前に引きずり出された
イプシロンは 超FMの力と引き換えに自由を約束したが 捕虜達の1人もこれを受けず 
日のあたる塔の上ですべてを眺めることよりも 暗い地下で硬い岩を掘る重労働に使役される方を選択した

マッシモ(初代)は イプシロンの目にもひるまず 超FMの力も歯牙にかけず嘲笑った
ホーンドは主を嘲笑ったマッシモを許さず 腕を切り落とし絶壁に鎖で吊り下げた


ナナは無傷で捕らえられた 遠くを見る目を買われたからである
塔の最上階で すべてを見る任務につき
ギガンティスで起きたすべての惨劇を見た





マッシモ(2代目は)ある日7羽の大きな白鳥が南に飛ぶのを見て 海岸沿いに鳥の後を追った
こうしてついに 無人の研究室の中にマッシモ(初代)が残しておいた鎧と武器を見つけ出した
彼はこの武具に身を鎧って海岸に出た すると西方から激しい風が吹き
地上のすべての水を守る精霊の声が聞こえた
「この場所を去り イプシロンの隠れ基地を探せ 
 途中で会う1人目の男には声をかけてはならない 彼は呪いにとらわれている
 次に会う者は 見なれぬ姿をしているが その者が道標となるであろう」

マッシモが北に進むと 大きな剣を背負った戦士と四辻ですれ違った
戦士は足早で 背の高い者であったが声をかけそびれた

次に出会った者は遠方より来た者で 仲間達とはぐれ 疲れてはいたが 精霊が告げた内容を話すと道案内をひきうけた





エックスはエールから受け取ったIDを握り締めると 運命に守られて逃げた
リベリオン軍の兵士達は慌てふためき 銃を打ったが弾はみな空を射た

エックスは1人で戦い
その大胆不敵な戦果はギガンティスの外にまで聞こえハンターベースまで伝えられた
遂にイプシロンはエックスの首級に かつて赤いイレギュラーにかけられたものにも劣らぬ賞金をかけた
しかし リベリオン軍の兵士はエックスを探し出すどころか 彼が近くにいるという噂だけで逃げ出す始末であった

そこでスカーフェイスが指揮をとり 軍隊が派遣された
追い詰められたエックスは エールの墓を捨て 遂に脱出せざるを得なくなった

エックスは ギガンティスにまだ残っているFMに支配されていない自由の民の協力を得ようとした

レジスタンス達の基地のだいたいの場所は知られていたが 彼らは隠密行動に長け
隠れた場所から侵入者を撃ち殺す戦術を好んでいたため
エックスは 自分がレジスタンスの基地に近づくにつれ 自分の命に危機が迫っていることを感じた

エックスは エールから受け取ったIDをかざすとレジスタンス達は武器を下ろした
そのIDには 西方浄土で作られたエメラルドがはめ込まれていて
刻まれたデーターは レジスタンスのパスコードが入っていた





超FMはボロックの手を焼いた 同族殺しをした手では超FMに触れることはできなかった
彼は 超FMを精製した炉に 超FMを投げこんだ
しかし 彼は同族の元には戻らなかったと言われている
彼は かつて西方浄土で喜びの歌を歌っていたと言われているが
最後に彼に会った者は 彼が苦しみと悔恨の歌を歌っていたと語っている


超FMはフェラムの手を焼いた 世界を守るためにたてた誓約は彼女の超FMに対する所有権を奪っていたのだ

彼女は翼持つ船のへさきに超FMを結びつけると
1人で空に船を出した

「超FMは 呪われた我らには使えない 呪いを受けるのは私だけでよい だから・・・・・」

その後 空を見上げる者たちは 絶望の暗闇の中に
希望の星を見る事ができた






マリノ「ねえあれは われわれが捜し求めていた 超FMではありませんか?」
スパイダー「それでもいいじゃないか もうあれは ありとあらゆるすべての悪しき者から永遠に手の届かないところにあるのだから」








祈りが神に届き
西方から 神の軍勢がやってきた
この戦いは「大会戦」と呼ばれているが 人間が記した歴史書の中には詳しい記述が残っていない

戦士の1人は
 武器を全身にまとい 大地に足跡を残さず
 腕を振るだけで 敵が倒れていったという

戦士の1人は
 金色の花冠を頭に載せ
 暗闇の衣をまとい
 蝶の様とも 鳥の様ともたとえのつかぬ翼を持ち
 敵を切り刻んだ

戦士の1人は
 ある歴史書には 少年のような姿と書かれ
 ある歴史書には 動物のような姿と書かれている
 しかし 両手に武器を持ち戦場を駆けぬけて行ったと言われる


大会戦が終わった時
太陽が再び昇り 腐った大地すべてが光で清められた
しかし 大地が裂け人より長く生きる定めの民が作り出した大地のほとんどが海に沈んだ





精霊達が歌う歌声が終わる時
暗闇の中に座して待つ者達に 次の歌の主題が与えられると言われているが
それを知るのは 風の精霊と輝きの精霊だけと言われている


この物語はここに終わる
この物語が気高く美しいものから 暗黒と滅びに到ったとしても
過ぎし昔の傷つきたるギガンティスの運命がかくあったのである

                
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解説

はたして コマンドミッションをクリアーした人間で シルマリル物語を知っている人間が居るのかどうか・・・・

メカニロイド・・・オーク
エックス・・・ベレン=カムロスト 他・・
エール・・・バラヒア 他・・

マッシモ(初代)・・・フーリン
マッシモ(2代目)・・・トゥオル

イプシロン・・・フェアノール 他・・
フェラム・・・エアレンディル 他・・


実を言うと エックスとゼロは キャラをかえて 頻繁に登場していたりする
                ・・・・・だってシルマリル物語の登場人物が膨大なんだもの