あけび蔓細工
あけび蔓は、奥信濃の山地〔標高500mから800m)に自生するアケビ科の落葉つる植物です。弾力性に富み大変に丈夫である為、遠く江戸時代より背負い籠・花篭等生活必需品や郷土玩具の鳩車として使われておりました。
あけびは春から秋にかけて成長した蔓を毎年10月~11月に採集し、手入れをしてから風通しの良い所に吊るして乾燥し保存します。編む籠の種類により蔓を選別し、温泉に浸して柔らかくしてから編みます。
あけび蔓製品には2種類あり表皮をつけたまま編む赤棒の製品と、表皮を温泉で剥いだ製白蔓の製品とがあります。製白蔓で編んだ籠はつるつるとしていて手触りも良く年月を経ると飴色に変わって艶が出る為大変重宝がられていました。以前はこの製白蔓の製品が主流でしたが、現在は自然でそのままの風合いが喜ばれて、茶褐色の表皮をつけたままの赤棒製品に人気が集まっています。
近年手作りの良さが見直されて長野県伝統的工芸品に指定されました。