☆仔犬物語☆
〜出会い〜 

 それはある雨の日。裕太は塾の帰りであった。

さっきまで晴れていたのがまるで嘘のような大雨だった。

「ちっ雨だょ。」その日の天気予報では晴れと言っていたのに・・・

と桜田裕太は思いながらカバンを頭にのせ走っていった。

「近道していくか。」そうつぶやき、裕太の家の近くにある小さな公園

の中を通っていこうとした。ふと小さな影が目に入った。

なんだろう?と少し思っって腕時計を見る。

時計の針は午後8時をさしていた。「ヤバッ」裕太はそのまま家に向かった。

 

家の前まで来たが、裕太はさっきの影が気になってしょうがなかった。

裕太は傘を持ってあの公園へ走ってもどっていった。

そこには、やっぱり小さな黒い影があった。裕太はおそるおそる近づいていった。

「犬??」裕太は言った。そこには、ずぶぬれになった小さな仔犬がいた。

裕太の方をじっと見つめている。ふと裕太は仔犬と目があった。

「捨てられたのか??」仔犬はじっと裕太を見つめていた。

「なんか言えよ」沈黙「・・・・・。具合が悪いのか?」仔犬はいつも以上に

息が上がっていた。そして‘‘ばたっ’’突然仔犬が倒れた。

裕太は急いでその仔犬を抱きかかえて帰っていった。

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〜はじまり〜

 次の日。裕太は仔犬を病院に連れていった。

「昨日の雨で軽い風邪をひいたんだな。」

といい医者は仔犬に注射をしようとした。

しかし、仔犬は注射を嫌がってなかなか注射を打つことが出来なかった。

すると裕太は仔犬の背中をなでて落ち着かせた。

なんとか注射をすませる「はい。すぐによくなるからなぁ。」

その言葉どうり、仔犬は2日後にはもうピンピンしていた。

「ワンちゃんよかったね!!」5歳年下の妹の那智がそういって、

仔犬の頭をなでた。「お兄ちゃん、お名前は??」

そういえばまだ名前をつけていなかった。

どうしようかと悩んで仔犬の顔をじっと見た。すると、ふと同じクラスの

成宮ちひろの顔が出てきた。裕太は顔を真っ赤にした。それは裕太

の好きな人であった。「ちひろ・・・。」思わず声に出してしまった。

「あんた顔赤いわよ」と2歳上の姉、麻智が近づいてきていった。

「そんなことなっ」裕太はあわてて顔を隠した。

「青春ねぇ〜」うふふっと笑いながら姉が「なっちぃ〜チヒロちゃんだってよ」と言った。

すると、「チヒロちゃん??かわいい♪でもなんか人の名前みたいだね。」

「ちがっ・・・。」裕太が言ったのと同時に「そぉだ!!お兄ちゃんチロちゃんっていうのはどぉ??」

那智が目を輝かせて言った。すかさず麻智が「いいわね。チロちゃんに決定☆文句ないわよね?裕太。」

とニコっと笑いかけられた裕太は、しぶしぶうなずき「チロおいで」といってチロを抱きかかえた。 

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