〜過去〜

いよいよ学校に潜入!!(わぁ学校だぁ久しぶり!!)

理恵ゎ家にだれもいなくなると家を出た。そして今、校門の前の木の陰に隠れて

人が来るのをまっていた。

(なんか緊張するなぁ)そして登校してくる生徒たちにまぎれこんで校舎の中に入ろうとした

その瞬間!!生活指導の松谷先生が理恵に近づいてきた。

「なんだなんだ!?おっ首輪がついている。飼い犬か??だれだー犬を学校に連れてきたのは!!」

松谷が怒鳴った。そしてチロを捕まえようとしたとき・・・「松谷先生大変です!!向こうで

生徒が倒れています。」近くにいた男子生徒が言った。「ぁあ崎岡か。すまんがこの犬を外に連れ

だしておいてくれ!!」「わかりました。」松谷は走って行った。

「ほら大丈夫か??こんなに震えて。松谷怖いよな。」崎岡は理恵の頭をやさしく撫でた。

(えっ・・・泉くん・・・。)理恵はあわてた理恵はおもわず目をそらした。

(どぅしよう。。。どんな顔したらいいの!?)

理恵は今は犬の姿だから泉くんは気づくはずないということを思い出して落ちついて泉をみた。

「あっ首輪に名前がかいてある。えっと・・・‘‘SAKURADA TIRO’’」そうつぶやいた後しばらくだまっていた。

それは裕太からもらったピンク色の首輪だった。(あっもしかして桜田先輩の犬ってわかった??

でもなんで黙ってるんだろ?)「はぁよりによってなんであいつなんだょ」と怒鳴った。

「理恵は・・・・オレよりあいつを選んだのか。。。」泉はため息をついた。理恵は思わず息を飲んだ。

そして泉と付き合っていたときのことを思い出した。

*  *  *

理恵と泉は幼なじみで、泉は運動神経がよくバスケ部に入っていた。

しかも成績は学年トップで優しかった。当然それを女子がほうっておくはずがなく、

どの学年にももてていた。そんな泉が体育祭の時に理恵に告白しのだ。

理恵も泉のことは好きだったので迷うことなくOKした。

みんなも泉が理恵を好きならしかたないかと応援してくれていた。

しかし理恵と泉の幸せなスクールライフはそう長くは続かなかった。

ある雨の日。いつものように理恵は部活を終え、泉を待っていた。

(泉くん遅いなぁ)と思っていると同じクラスのコがやってきて

「泉くんに体育館裏でまっててって理恵に伝えてって言われたの。」と言った。

理恵は傘を差して体育館裏に向かった。そして泉を待っていると5人くらい上級生がきた。

そして「あらぁ泉クンなら来ないわよ??かわいそうに」((笑

と言ってきた。理恵はその人たちが誰なのかすぐにわかった。風椿先輩たちだ。

泉くんを狙っていたことで有名だった。「何の用ですか先輩方?」理恵は負けずにイヤミっぽく

言い返した。「何よちょっと泉クンに好かれたからっていい気にならないでよ。ムカつく」といって5人で

理恵に殴りかかった。痛っ・・・くない?そこには1人の男の先輩がいた。「ケガはない?」と聞いてきたので

無言で頷いた。「桜田!?何でココに!!」風椿たちは顔色を変えた。

(桜田?確か泉くんと同じバスケ部のだったような・・・。)

「風椿!!後輩に手ぇ出すなんてみっともないぞ。しかも5人寄ってたかってイジメなんてな」

風椿たちは走って逃げていった。

「あの・・・ありがとうございました!!えっとお名前は??」

「あぁオレ?桜田裕太。危なかったなっ気をつけろよ?」

「はい!!本当にありがとうございました!!そうだっ何かお礼を・・・」

「礼?いいってそんなのオレは当たり前のことしただけだし!!」恥ずかしそうに笑って言った。

思わずその笑顔みとれてしまった。(なんだろ?胸の奥がもやもやする)

「なんかオレの顔についてる??」裕太のその声ではっと目をそらした。

「いっいえ・・・えっとでも何かお礼をしないと気がすまないです。」

「そこまで言うんなら・・・。これもってて」といってカバンから淡い水色のアルバムを取り出し

空にきれいな虹のかかったの写真を一枚さしだして走り去っていった。

理恵はその写真を見つめ下駄箱へと向かった。

「遅い!!なにやってたんだ!?」泉が言った。理恵はさっと写真を隠した。

「上級生がっ・・・なんでもない。ごめんね友達と話してたら遅くなっちゃった。」

理恵は泉に心配をかけないようにと嘘をついた。

「そっか。ま、しょうがないかいつも待たせてるんだしな」と言って歩き出した。

 

〜本当の恋?〜

帰り道理恵はうわの空だった。泉が何を話しかけても「うん。そうだね。」としか言わないのだ。

試しに「何が好き?」と聞くとやっぱり「うん。そうだね。」としか言わなかった。

泉は聞いてないのなら仕方ないと黙って理恵の家まで送っていた。

次の日。学校では、同じクラスの親友亜紀が不思議そうな顔をしていた。

なぜなら、いつも「泉くんってね〜」とか「泉くんがね〜」と自慢してくる理恵が今日は

やけに静かで何か考えごとをしていた。亜紀は不思議に思って「どうしたの?と聞いた。」

「えっと亜紀。こう胸の奥がきゅーって苦しくなることってない??」突然の質問に少し戸惑いながらも

呆れ顔で言った。「それって恋でしょ??好きな人みるともうその人しか考えられない〜みたいな?

どうしてそんなこと聞くの?」「えっと私恋に落ちたのかもしれない!!」理恵は真顔で言った。

亜紀はまたいつものが始まったのかなと思って「はいはい今日は泉くんがどうしたんですかぁ〜?」

といった。すると首を大きく振って耳打ちしてきた。

「はぁ〜桜田ぁ!?」「しぃ〜亜紀声大きすぎ!!」「あっごめんで、別れるってワケ??」

「うん。だって昨日もずっと考えてみたけど泉じゃだめなの!!桜田先輩じゃなきゃっ!!」

「まぁ理恵がそういうなら・・・。」「じゃぁ言ってくる!!」「えっちょっとまっ・・・もう行っちゃったょ。」

* 

「泉!!ちょっと話があるのいい??」理恵に呼ばれ泉はついていった。

「泉・・・あのねよく聞いて。。。コレは冗談なんかじゃないからね。

私泉のこと大好きだよ。でもねそれは恋愛感情ではなくて、友達としてなんだ。

私。。。他に好きな人ができたの。ごめん。私が気づくの遅かったせいで泉まで悲しい思いさせて

別れよぅ。。。」泉は黙って聞いていた。しばしの沈黙。。。

そして、約5分後泉が口を開いた。

「理恵がそういうのなら・・・オレが何言おうとかわんないんだよな?」

理恵はすまなそうに頷いた。「ならもう言うことはない。ただ最後に少し言わせてくれ。

オレはお前が大好きだ。別れたとしても友達の関係はくずれないから。あと、その好きに

なったヤツって誰だ?」静かに言った。

「それは・・・言えない。ごめんね。」そういうと理恵は走っていった。

その後。泉はあの雨の日のことを理恵を呼び出したクラスメイトから聞いた。

そのクラスメイトも上級生に脅されていたと言うことをあとから理恵も知った。

*  *  *

(泉・・・。私なんかをおもっててくれてありがとう。でも、ごめん。桜田先輩のことしか考えられないの。

大丈夫。泉なら私なんかよりずっといい子が見つかるよ。私が保証する。)理恵は涙ぐんだ。

そぅして理恵は「わんっ」と鳴いてその場を後にした。

そして泉は「あーもぅ何犬に語ってるんだろ??チロか・・・。なんか理恵に似てる犬だったな・・・。」

と言って理恵を見送った。

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