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「 仏の顔も三度 」
「いかに温和で慈悲深い人でも、無法をたびたび加えられれば、ついには怒り出す」 の意だ。
仏とはブッダのことだが、ここでいう仏とは 「仏のような人」
だと思われる。
仏教の仏は、三回どころか、幾度無法を加えられても怒ったりはせぬはずだと理解している。
聖域でもっとも仏に近いといわれているのは、むろんシャカだ。
「もっとも神に近い男」 という呼称もあるようだが、これは神仏混淆の影響による誤った呼称であり、シャカ本人も自らを仏に擬しているようだ。
処女宮に沙羅双樹の園を作ったのも、その表出だろう。
また、シャカは幼い頃から仏道修行に励んだといわれるだけあって、深い洞察力と慈悲心を持ち合わせており、卓抜した精神世界を有している。
仮にそのシャカに無法を加えたとしても、すでに悟りを開いているのだから怒ることは金輪際有り得ない。
つまり、聖域では、この諺は通用しないのだ。
は? お前、なにか勘違いしてないか?
シャカの奴のどこが 「慈悲心」 で 「悟り」 だと言うんだ???
いくらお前達にアテナ エクスクラメーションを撃たせるためとはいえ、かつての朋輩の五感を情け容赦なく剥奪した奴だぞ!
そのせいで聴覚だけが残されたお前を処女宮からアテナのもとへ運んだときも、お前は俺に抱かれていることすら感じることができず、俺も、ムウやアイオリアの手前、お前に話しかけることもできなかったのだっ!
もし、あの時のお前に視覚が残されていたのなら、お前は俺の姿を見ることができ、お互いに目と目で万感の想いを伝えることができたのにっ!!
それを奴はよりによってお前に聴覚しか残さなかったのだっ!
俺がどれほど口惜しかったか、わかっているだろう??!!
そのシャカを、お前は慈悲心があるというのかっ!
それに、悟りだと?
悟りを開いている奴が、俺たちに何をしたと思う?
こともあろうに
「歓喜天」 を調べさせたんだぞっ!
悟りを開いている奴が、そんな世俗的な嫌がらせをするか?
あの時、お前と一緒に検索して最初に見た画像をお前も覚えているだろう!
お前は真っ赤になってうつむいて黙りこくってしまい、俺もすっかり慌てたものだから、どうやってあの場を収めたのか、今もわからんっっ!
おかげで俺は三日の間、宝瓶宮に入れてもらえなかったのだ!
いいか、あれは絶対に確信犯だっっ!
「私にわからぬことはない」 などとうそぶきながら、俺たちの慌てるさまを見て、陰で笑っていたに違いない!
そんなシャカの、いったいどこが
「もっとも仏に近い男」だというのだ、
俺は納得できんっっっ!!!!!!
※ お二人が見た画像 ⇒ こちら
※ 歓喜天の出てくる黄表紙 ⇒ こちら
騒がしいが、なにか、言ったかね?
………っ!
いや、別にっ!
◆◇◆◇◆◇◆◇
歓喜天をこの話で初めて知った方もいらっしゃるのでは。
とするとうちのサイト、罪が重いわね………。
いや待てよ?? 罪が重いのは私ではなくてシャカなのでは!!
よかったぁ〜、私のせいじゃないもんね♪♪