秋の雨 木々にふりゐぬ身じまひの わろき寝ざめのはづかしきかな

                                                        若山牧水    歌集「海の聲(こえ)」より

                                   【歌の大意】   音もなく降る雨が 色づいた木々をしっとりと濡らしている
                                             心ならずも寝乱れて目覚めた朝のなんと恥ずかしいことか



「………ミロ! ……お、お前はいったいなんという寝かたをしているのだっっ!!!恥ずかしいとは思わぬのかっ!!」
「………ん? ……ああ……すまん……そんなに気にするなよ、いいじゃないか 。」
「な、なにがよいのだっ!」
「しょうがないだろ、眠ってたんだから。 意識のないときにどんな姿勢をとろうと、毛布を蹴飛ばそうと、俺に責任はない!」
「しかし……っ」
「あのねぇ、カミュ………俺がこれほど無防備でいられるってことは、お前のそばだと安心していられるからじゃないのか?
 どうしても責任追及したいのなら、俺をこれほど安心させたお前にこそ、その責任の所在を求めるべきだな!」
「え? そ、そんな論理は……」
「だから、カミュ………責任とってもらおうか。」
「あ……………ミ…ロ………」
「ふふふ……」


                                     

               久しぶりの若山牧水、秋雨の降るのを待って登場です。
              ほんとに、この短歌があるんですもの、責任の所在は若山牧水に。

              カミュ様、そっと毛布をかけてあげて、知らんふりをしてればよかったのでは?
              風邪ひかないか、そっちのほうが心配なんですけど………。