「 星夜 」
カミュ、カミュ………
………あ………ミロ…………
ふふ………気が付いた? ずいぶんだな、俺をほったらかして
私はそんなつもりでは……そんなに…長く……?
冗談だよ、気にするな……ほんのちょっとの間だった
……………
なぁ、カミュ……お前、あの七夕の願い事……何を書いたんだ?
え………それは読まない約束だろう……
うん、だから直接聞くことにした 俺はお前が何を書いたか知りたい
そんなことを言われても………
いいから教えろよ………どう?
あ………ミロ!
これで教える気になった?
私は………あ………っ
それじゃ、先に俺のを教えてやるよ
『 カミュと常にともに在りたい 』
これが俺の願いだ さあ、今度はお前のを教えてくれ、でないと………
あ………ミロ…ミロ…………
わかったから……もうわかったから………ほんとうに……ミロ………
わかればよろしい
私の願いは………もう叶っている………
え?
ついさっき 叶った……
カミュ………
満天の星が漆黒の空を飾る七夕の夜、ひそやかな願いが叶えられ、やさしい夢がつむがれた。
※ 古典読本 33 につながります