朝食は大きな大きなパンかごに盛られた10種類以上のホール(Whole)のパンの中からお客が好きなパンを好きなだけ切り分けて食べるスタイル。(中略)
厚くてがっしりした木製のカッティングボードがいくつか並んで、やはり、しっくり飴色になった木の柄のパン切りナイフがそれぞれに添えられている。
カッティングボードには無数のナイフの跡が自然に重なっていて、温かみを感じる。
手に入れたばかりの白木のボードの表情は、未だ緊張してそっけなく冷たい。
こんな木の表情を見せるまで使い込めるといい。
ここのカッティングボードは、分厚くて重いから、しっかり焼いた弾力のある皮のパンを切っても動いてずれることがなく、切り分けやすい。(中略)
カッティングボードは、ナイフの跡も含めて木の持つ魅力を率直に力強く伝えてくる。
本当に美しくなる。こんなふうにパンをサーブできるなんてうらやましい。
「和のアルファベットスタイル 日本の器と北欧のデザイン 木製の工芸品」
堀井和子著 文化出版局より
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