1999年10月10日

キューバのバイオ農薬

 皆さん、こんにちは。ラジオ・ハバナの科学技術環境の最新版ブレーク・スルーへようこそ。私はラジオ・ハバナのサイエンス・エディター、アーニー・コロです。いつも、あなたに魅惑的なこうしたテーマのニュースをお届けできるのが楽しみです。

 今日は、キューバ農業が、生物的な害虫管理手法でどのように生産を改善し、汚染を減らすよう活用しているのかについてお伝えしましょう。

 最近の生物防除技術のひとつで、いま最も広範に利用されているのは、新バクテリアです。それは、集中利用を広げると、アリ科の大型昆虫、いわゆるキューバアリの数を効果的に減らすのです。キューバのライオン・アント(fireants)は大型で、慣行的な方法ではアリのの巣穴や地下道を壊すことがとても難しいため、園芸に多くの被害をもたらします。農薬も効果がほとんどなく、通常の収量漸減の法則があてはまるのです。つまり、キューバのアリと戦うために農薬散布の回数を増やせば、農薬への抵抗性がもっと強くなってしまうのです。

 もちろん、有機農業はキューバが目指す目標のひとつとなっています。ですから、園芸家は、科学者にその課題を研究すれば、ある種の生物防除システムが開発できますかどうかを尋ねたのです。数年の研究の後、完全にテストされた商品がいま利用できるようになっています。

 それは、アリを攻撃するある細菌からから作られたもので、アリを殺す病気を起こします。バクテリアは、アリ以外の動物類や人体には無害で、古典的な手法で、キューバに数多くある生物学研究機関のひとつで多量生産できます。この製品は「BIBIJAGUAS」として知られるキューバの大型アリがいる圃場に適用され、アリの空けた地下道や巣穴のまわりに粒が撒かれます。働きアリがこの粒を巣穴に運び込み、数日後には、バクテリアがすべてのアリを殺し始めるのです。

 製品の効果は数カ月は続きます。後は、圃場に新たにアリが侵入しているかどうかだけを確認するだけですみます。

 新たなバイオ病害虫防除資材の恩恵を得るのは、園芸農家だけではありません。観葉植物や花卉栽培に熱心な菜園家たちも、キューバのアリから植物を保護するため、それを使っています。このアリ種は、夜通し菜園をみんな破壊し、夜明け前には巣穴の中に消えてしまいます。これと同種の活発なアリの種は、カリブ海や中央アメリカ諸国でも多くの被害を引き起こしています。そこで、この新製品はまもなく輸出できるようになることでしょう。

(キューバのラジオ・ハバナからの記事)
  Arnaldo Arnie Coro, Break through,1999.サイト消滅

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