エベリオ・ガルシア(Everlio García)氏が、まるで自分の皮膚のように、穀粒をなでている。氏は食料生産という目的に人生のすべてをかけている。そして、キューバ北東部にあるオルギン州の穀物種子生産の技術責任者として、氏の希望は実現しつつある。
「我々は、高品質のマメ、トウモロコシ、ヒマワリの種子、基礎的な穀物収穫を拡張するための原料のより高い生産を達成しています。オルギン(Holguín)州と、とりわけ、ベラスコ(Velasco)市は全国的にも知られています」。
若き農耕家は、キューバのいわゆる穀倉地帯を旅しつつ、グランマ・インターナショナルに伝える。
エベリオ氏は、ほぼ三年前にキューバ農業省によって開始され、かつ、国連開発計画(UNDP)、スウェーデン政府、そしてキプロス共和国政府からの100万ドル強の支援を受けた生産支援プログラムのワーキンググループのメンバーだ。プロジェクトは、キューバ東部五州のうち、少なくとも4州の3,200の協同組合や個人に役立ち、稲作研究所(IIA)、「Liliana Dimitrova」園芸研究所(IIH)により実施されている。この研究所がマネジメントや技術を提供し、技術的にはFАOの援助を受けている。
技術援助とトレーニングに加え、プロジェクトでは、近代的な脱穀機から小鎌、ゴム長靴、ファイル、耕作に必要な器具にまで及ぶ種々様々な設備も提供されている。プロジェクトを全国的に管理するミゲル・ソコロ(Miguel
Socorro)博士はこう述べる。
「それはまったく完璧なものです。私たちは、大規模、中規模、そして小規模な生産者の穀物栽培を促進したい。私たちは彼らをすべて同じく評価しますし、すべてが技術支援と援助を受けています。そして、小規模な生産者の場合には、近代的な作付け、耕起、作物保護、収穫と脱穀技術、高品質の種子、情報やトレーニング支援を保証する特別のメカニズムがあるのです」。
このミッションを代表するのは、UNDPプログラムのオフィサー、アルナウド・ペラル(Arnaud Peral)氏とFАOプログラムの助手、レベテ・スアレス(Ivette Suarez)さんだ。二人は、この部門での進展に満足していると言う。
レベテさんによれば、約30人のキューバ人が海外で訓練を受ける一方で、このプロジェクトの技術面をFAOが一貫して支援し、全国では約13,000人の生産者が実地トレーニングを受けたと言う。さらに、プロジェクトには、キューバの専門家や生産者への経験を積んだ国際専門家の援助も伴っているという。こうした専門家たちの貴重なアドバイスや示唆はプロジェクトにとても役立った。
アルナウド・ペラル氏も、とりわけ米作で、コメの品種が有効で、食料確保に加え、市場価格低下や新たな雇用創出に結びついているので、同じく満足している。ベラスコ市のまさに中心部にある農業生産共同組合、アルマス稲作農家(Congreso
Campesino en Armas Agricultural)の生産者たちとの会合では、進歩が定着したことがわかる。協同組合のメンバーに加え、地域の個人農家も参加し、誰もがプロジェクトの成果を確認したのだ。
いまだに引き続く干ばつで、地域は打撃を受けている。だが、ネルソン・リバス(Nelson Rivas)協同組合長は、種子が優れているので、長年達成できなかったほどの多収量が期待できると、断言する。
「私たちは、UNDPの資金援助やFAOの技術支援にとても感謝しています。おかげで、私たちはよい仕事がやれるのです。そして、高品質の豊かな実りを得ることが、その最高のお返しでしょう。それは、私たちが確実に歩んでいる道なのです」。
|