徒然絵巻
|
大杉源流部3日目
粟谷小屋から、昨日下見に行った西谷へ向かった。
粟谷桜の崖から、谷におりてテンカラ竿をふった。
仕掛けは、ナイロンロングレベルライン 竹株流トバシ。
啄木鳥が、木を打つ音が渓谷中をこだまする。
水中に目を向けるとあちらこちらにアマゴが、みえる。
魚影はすこぶる濃い。
ここ二週間、雨が降っておらず、水の流れに勢いがなく、ところどころで 伏流水になっている。
|
|
水が少ないため、気取られないよう座って粘る。
毛ばり交換・誘い釣り、いろいろ試すが駄目
|
水中の風景
アマゴは岩に隠れて、アブラハヤだけが写った。
|
アマゴはみえるものの、水が少なく、毛ばりの手前で反転されてしまう。
小さい毛ばりにかえてみても、反転されてしまう。
毛ばりが着水すると、ピラニアのように、数匹のアマゴが毛ばりに近づいてくる。
しかし、口を使わず、毛ばりの手前で反転されてしまう状態が続く。
いくつか良型をかけているものの、歩いた距離を考えるといつもよりペースがわるい。
蝶々に飛びつき勢いあまって岩の上にのりあげた堂倉谷のアマゴを思い出し、
管付き9号から、普段使わない、大型のキジの逆さ毛ばりに変えた。
|
|
バッタ並みの特大キジ逆さ毛ばりを丸呑み。
イナゴの後ろ脚のように口からはみ出している。 |
特大キジ逆さ毛ばりで、良型が続く
(“抜き”が効かず、岸にひっぱりあげた。)
|
釣れないときは毛ばりを小さくというセオリーの逆で キジの大型逆さ毛ばりで、面白いようにかかった。
丸呑みにするものの、毛ばりが大きすぎて、口からはみ出す様子が、
イナゴを丸呑みにし、足が口元からはみだしているようにみえた。
|
|
水たまりの風景
(大杉源流部独特の朱点の色・形をしたアマゴ)
|
水たまりの風景
(パーマークが、大杉谷ではめずらしく背中にある)
|
流れのわきのたまりで、生かし魚籠の蓋をあけた。
ぞろぞろとアマゴが魚籠から、出てきた。
しばらく、水たまりで、泳いでいるアマゴを見ていた。
「社長! ぎょうさんおるさかいすてるで! 捌くんがめんどくさいから ええやろ?」
「いいですよ! 捨てましょう」
|
|
鹿 |
大杉の山々 |
渓谷の流れにアマゴを捨て、大杉源流 西谷を後にした。
はるか連なる大杉の山々、ふと見上げると鹿の群れが斜面を駆けていった。
|
|
≪あとがき≫
大杉谷源流部では、毎回 たくさんの野生の鹿を見かけます。
大きな瞳をした鹿が、白いオシリを揺らしながら走る様子は、愛嬌があり可愛らしいの
ですが、木々の新芽を食い荒らすとの理由で、鹿は邪魔者扱いにされています。
そもそも、鹿が異常繁殖するようになった原因は、明治時代に鹿を食う害獣として、ニ
ホンオオカミを国をあげて駆除した結果、紀伊半島の山々の生態系の頂点に立ってい
た肉食獣 狼が絶滅し、鹿の天敵がいなくなったことにさかのぼります。
自分達の都合で、生態系を破壊した人間がいちばん悪いように思います
その昔、日本では田畑を荒らすイノシシや鹿を退治する「大神」(おおくちのまがみ)」と
してオオカミを称える狼信仰があり、狼は農耕の神だったそうです。 |
東吉野村
ニホンオオカミ
銅像 |
|
|
|
|