三笠編(奈落の城事件中)  02


何?通路もだが実は自分の部屋が怖いだ?


お前はこの期に及んでまだそんなことを……視線?なんだそれは。部屋で視線を感じるだと?俺の部屋でそんなことはないぞ。
お前の気のせいじゃないのか…おいっ、何で泣くんだ馬鹿者、俺は真実を言っているだけで…泣くな、泣くなと言っている!


あ、いや、俺は怒っているわけじゃない。お前が謝る必要は…だから泣くな!鬱陶しい!


…ではなく、泣くと体力以上に気力を持っていかれる…と思うから、泣くな。
本当に、怒っていないし…それにお前に泣かれると、俺はどうしたらいいのか判らんのだ。
泣かれると途方にくれるし、それ以上にもっと泣かせたくなる。
馬鹿者、そこで絶句して泣き止むな!こういう時は泣きながらでいいからツッコめ、余計弄りたくなるだろうが!


…また話が逸れたが、とりあえず、その、なんだ。


何かの視線を感じて怖いというのなら、そしてそのせいで熟睡できないというのなら、仕方がないから俺が一緒に過ごしてやる。いざという時、体力が落ちて役に立たないというんじゃ困るだろうが。
だからそこでまたきょとんとするな、自分の部屋が怖いと言い出したのはお前だろう?!
大体お前の部屋にある、あの奇妙な面がただそういう雰囲気を……。


………和。


前言撤回だ。今晩お前の部屋に俺も泊まるぞ。
どうしても、自分のこの目で確かめておかなければ気がすまないことある。
どうしてだと?どうしてもこうしてもあるか。それに何故気付かんのだ。


…何がですかって、だからどうしてお前はこんなにも鈍いんだ…。


ああ、もういい、わかったから謝るな。
いいか?明らかにお前の部屋はおかしいと、今まさに話していただろう。
日織が消えて、お前が残って。そして部屋で感じる視線。普段の日織を知る人間なら、まず一つの仮説に行き当たると思う。


まあ…ここまで言っても判らないお前は、これが長所であり短所でもあるんだろう。
それに、たまにはお前みたいな馬鹿者が居てもいい。


お前は日織を無条件に信じているせいで気付かない振りをしているのか、本当に気づけずにいるのかはこの際どうでもいい。
だが、こうなったからにはお前に拒否権はない。むしろ部屋の主として協力する義務がある。
何をそんなに焦って…ベッドが一つしかない?それがどうした、一緒に眠ればいいだけだ。


普通はどちらかが床で寝るものでしょうだと?


…客室のベッドはすべてセミダブル以上だったと記憶しているんだが違ったか?合っている?なら何も問題はないだろう。
幸いお前はひょろひょろで細いし俺も寝相は悪くないからな、多少は窮屈かも知れんが大丈夫だ。


とにかく!嫌だと言っても、俺はお前の部屋に泊まるからな。




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