大変身・続 02





「だっ、大丈夫です!私のことはお構いなくっ」




久しぶりに金からきちんと教えてもらえるせいか、はたまた隣に元に戻った光太郎がいるせいかは判らないけれど。

「そうですネ…ではそうしますカ」
「金さん?」

光太郎の言う通り、確かに小夜はこれに集中しすぎたかも知れない。

「小夜サンが頑張りたい、その気持ちは判りマス。しかし無理はいけないのです。ネ?」
「大正殿の言う通り!巫女姫殿、リラックスすることはとても大事なことでゴザルよ」
「はぁ…」

金からにっこりと優しく微笑みながら諭されて、ロジャーからは豪快に笑い声と共に促され。

「そうだな…この馬鹿弟子の方も休憩を取らせないと、まともな報告書を出せなくなるしな。
こいつがいい加減なモノを作り出す前に、一旦休憩するぞ小夜ちゃん」
「…はい」

ロジャーと眈み合っていたこの場所の家主からも気を使われて、小夜は休憩する事に同意せざるを得なかった。





…のは良いのだが。





「おい…なんでお前たちが金の両隣に陣取るんだッ?!」





いざ休憩することになって、各々ソファに腰を落ち着けて…となったところで問題が起きた。

「愚問だな。大正殿の尻尾と耳を愛でる為に決まっている」
「そうそう。所長はケチだから触らせてくれないしさぁ」
「誰がお前らに触らせるかっ!」

光太郎からさりげなく変化した姿を金以外に触れさせようとしない事を責められ、日向は渋面で「絶対にお断りだ!」と言い切った。

「落ち着いて下サイ、日向サン。私は嫌ではアリマセンから」
「しかしだな…!」
「大丈夫ですヨ。本当にただ撫でていただいているだけデスし、それに何かおかしな具合になったら、その時は私容赦しませんカラ」

納得いかないと憤慨する日向に、金は皆へお茶を配りながらにこりと微笑んだ。

「全く…人がいいにも程がある。こいつらを甘やかすとつけ上がるぞ」

渡されたお茶を受け取りながら、日向は二人をにらみつけた。

「失礼ですが、金さんが一番甘やかしているのは日向さんのように見受けられますが?」
「小夜たんナイス」
「うまいでござる」
「……」

だが、よりによって小夜からあまりにも的を射た切り返しを受け、日向は仏頂面のまま明後日の方を向いてだんまりを決め込んだ。

「まぁまぁ」
「……ったく…」

苦笑いしつつすかさずフォローに入る金に、ちょっとだけ機嫌を直す日向だった。

「ホント大正殿は優しいネ。それに背は俺より高いし性格もイイ。
…もしかしなくとも、実はかなりモテるんじゃナイのかい?」

しかし、このロジャーの直球的な質問に、今度は金が慌てふためいた。

「はあッ?!な、ナニを言いますか、ロジャーさん!!」」
「本当にそう思ったんだよ、そんなに照れる必要はナイだろ?」
「そんなコトはアリマセンッ!」

真っ赤になって否定する金だったが、ロジャーの言うことも一理ある。

「からかうしないで下サイ。怒りますよっ」
「何故?拙者なら、ダレかに好きと言われたら嫌だと思わないヨ」
「まぁ…そうですが」
「ゴメン、冗談が過ぎた。大正殿は真面目だから、こういう話はしない方がイイね」


ロジャーは心持ち身体をはなしかけた金を引き寄せ、素早く頬に軽いキスを落として謝った。








                               

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