第5章 “海”と虚脱と光明と
意外にも電車は定刻に動き出した。
ビクトリア湖はすぐに見えなくなった。
全てを気化、蒸発させるような日差しが降り注ぐ。
時折みせるモロコシ畑の緑
手を振る子供達の褐色の肌
キラキラひかる塩田の白
舌に残る黄色いヤギの脂とそれを流すビールの琥珀
・・・そして荒涼に沈む赤
夜だ。
飲んでいるビールの銘柄は「Safari」
“サファリ”とは現地スワヒリ語で「旅」という意味だ。
闇の暗黒大陸
寝台列車のベッドの上、その振動を背中に感じながら・・・
俺は今、旅をしている
16時間後の朝10時、乗り換え地点のタボラという駅に着いた。
次なる目的地は世界2位の深さを持つ湖、タンガニーカ湖。
乗り換え列車が出るのは今日の8時。
まだ10時間もある。
交通の要所、木炭の生産地、
そんな地方重要都市とて、何も見るべきものはない。
アフリカってさ、1つの国に観光地が一つだけ
ってな感じでとてつもなくゆっくりとした旅にならざるをえないの。
ポレ・ポレとはそんなアフリカを象徴する「ゆっくり、ゆっくり」を意味する現地語(スワヒリ語)
時たま出会う日本人の旅人も
「もう日本を出て6ヶ月ですかね?」とか「もう2年になるかなぁ」とか
筋金入りのそんな“ポレポレ”旅人ばかりだ。
ネットカフェを見つけ、メールを確認したらそれだけでその日やることは終わっちまった。
女友達からのメール、
「 I miss U (smile) 」
・・・ちょっとだけ元気が出た。
地球は狭くなったケド、それも良いかなと思ったりして。
駅前の安食堂に陣取り本を開く。
その本の名は「アルケミスト」(パウロ・コエーリョ著 角川文庫)
「ピラミッドに行けば宝物がみつかるよ」そんな夢を信じ、旅立った少年の物語。
「人は世界最大の嘘を信じてる。それは自分の運命は実現できない、ということだ。
自分を縛っているのは自分だけなのに」
(アルケミストより抜粋)
ポレ・ポレ、ポレ・ポレ・・・
ヒルマからぬるいビールをあけ、
チビチビ、チビチビ・・・
マズいタバコを
プカプカ、プカプカ・・・
ポレ・ポレ、ポレ・ポレ・・・。
見る見るうちに増えていく吸殻。
合席のオッサンが話しかけてきた。
「40前後の俺達は家庭を思うと君みたいには吸えないよ。
子供達が無事一人立ちしたらまた吸うさ」
「一本どうですか?」
「やめとくよ。タバコは若者の特権さ」
オッサンはそういうと、ケータイをとりだしピコピコ。
家族にラブコールかしら?
「人生におけるただひとつの責任は自分の運命を実現することなのだよ」
(アルケミストより)
ビールを勧められ、
チキンスープをご馳走になった。
レモンをキュッと絞って口に運ぶ
汗ばむ体を抜けていく爽やかさ。
ぬるいビールがじわじわしみてくる。
「People’s Voice People’s Choice」
電柱のポスターに現地ケータイ会社のキャッチフレーズが踊ってた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
安食堂で行きかう人を眺めてたら、なにもしないまま日が暮れた。
また夜が来た。
時間を無駄につかう贅沢さ。
脈うつ鼓動が、心なしかいつもよりゆっくりに感じて。
PM8時発の予定の列車は結局9時間遅れた。
ポレポレ、ポレポレ・・・さすがにうんざりしてくる
待合室で近くに座ったおじいちゃんと話をした。
「遅れてますね」「いつものことさ・・・」
いろんな話をした。
植民地時代の話
必然か、皮肉にもぺらぺらのEnglishで話しかけてくる
俺には遠くはなれ、遠い昔のことのような気がするのだけれど
ここにリアルにその時間軸を生きぬいてきたおじいちゃんがいる。
「イキリスがドイツを・・・」
おじいちゃんは続けた。よく理解できない自分が恥ずかしい。
タンザニアの独立なんてほんの40年前のことなんだ・・・。
中学1年にして4人のジジババが全て死に絶えちゃった俺にとって、懐かしく暖かな気持ち。
夜も更け、目がうつろうつろしてきた俺
「荷物は見ててやるから少し眠りなさい」とおじいちゃん。
彼の肩に寄りかかって目を閉じた
人でごった返す駅のホーム
明日にはフライドチキンになるのだろう、時折足を縛られたニワトリの奇声が聞こえてきた。
若く見えるけど80歳を超えるておられるとか。
どうぞ長生きしてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局9時間遅れ、朝焼けの中出発した列車は午後3時、
タンガニーカ湖湖畔のキゴマという街に着いた。
・・・何度もいうが街ではない。村だ。メインストリートが1本あるだけ。
それはそれとして、さすがに体が疲れている。
これからまだまだ先は長い。パプアで学んだ大事なこと。
旅を楽しみ、結果を残すなら体調管理が不可欠だ。
異国の地、ツテなし、常に水とからむそんな旅では体調不良は冗談ではなく死を呼ぶ。
今日はゆっくり体を休めよう。
このたびで俺は初めて“ホテル”と呼ばれるところに宿をとった。
タンガニーカ湖湖畔のプライベートビーチ付き。
・・・といっても1泊1000円程度だけど、ピリッと糊の利いたシーツ。
おそらくダニや南京虫はいないだろう。
安眠は何より重要なことなのだ!!
やはりというか、このような場所には白人がたまっていた。
アフリカは意外と白人が入り込んできている。
そして彼らはホテルやその周辺のバーに固まっている。
別に白人嫌いでもないけれど、違和感。
彼らが集まるところだけ、違空間。
ホテルの中だけ“アメリカ”なのだ。
さて、俺は風呂をかねてタンガニーカ湖に飛び込んだ。
住血吸虫?What’s Up!?
ここまできて泳がない手はないだろ!!
そう、ここタンガニーカ湖はかつて海であり、
アフリカン・シクリッドと呼ばれる和名カワスズメダイ科の魚の種分化が著しく
(約300種殆どがこの湖だけに住む固有種)、
進化生物学や分類学など生物多様性の世界的モデル湖。
(対岸のコンゴには京都大学の研究施設があるそうだ)
大して大きくはならないけれど、俺は是非ここでいろんな種類の小魚と戯れてみたかったのだ!
がしかし・・・・
「ビーチに魚がいないんですけど」
とにかくスケールが海なのだ。
最深部は約1400メートル(平均水深でも570メートル)と、ロシアのバイカル湖についで世界2位の深さ。
そしてただただ、ばかでかい!
「海や・・・ふるさと富山湾の何倍もあるやん・・・」
しかしいるところにはいるはずだ!
どんな所だって魚が寄る場所というのがある。
泣き言ばかり言ってられないのだ!
俺はかなりの距離を歩き回り、
岬裏に水草があるエリアを発見した。
そしてそのウィードエリアに隣接したカケアガリを発見した。
そして・・・
タンガニーカ湖ファーストフィッシュ!!
小さいが、一番よく釣れた魚。
スピナーのフォールにものすごく反応!
「こいつが噂のウロコ食魚?!(後述)」
と興奮してたが、帰国後熱帯魚マニアに確認したところ、どうやら違うらしい。残念!
うまく近写できた写真を。
なんとなくピーコックバス・パッカの幼魚っぽくない?
ちなみにピーコックバスもこいつらと同じシクリッド属なんだよ〜。
誰か正式名称知りませんか?
追記
学名は Lepodolamprologus elngatus ではないかということです!
yoshi様、情報ありがとうございました!
その後も次々と・・・
写り悪いけど、ヒレがシクリッド・シクリッドしてるよね!
同じくスピナー(ブレットン)にて
こんなんも釣れたで〜。
そして、結構いいサイズの魚が食った!!
げっちゅ〜〜〜〜!!!
唇がタラコのように厚い。タラコシクリッドと銘銘。
なんとなくスモールマウスバスにも似てるよね!
追記
この魚は Lobochilotes
labiatus という学名だそうです。
因みに小種名のlabiatusとは“肥大した唇”の意味、だとか。
珍魚「ラビアタス」、“膨らんだクチビル”なんてモンスター“kiss”らしい一尾です(笑)
(ラテン語読みに自信なしですが・・)
yoshi様、情報ありがとうございました!
その後も・・・・
スピナー万歳!!!
次々見たことない魚が釣れてくる!
珍魚マニアの俺は大はしゃぎ!
誰かこいつらの名前知りませんか?
さてさて俺がスピナーを使ったのには理由がある。
一つに魚を寄せる力のあり、探れ、そして食わせられるルアーということ。
(ワームは手返しが悪いし、熱帯では暑さで溶けてかばんの中が大惨事になることも)
そしてもう一つはこの湖に住む“シクリッド”という魚の面白い生態である。
俺は熱帯魚マニアじゃないし、大して詳しくない&知ったかぶりで話せば
近縁種でありながら、明確に食性が分かれているということだ。
ミズコケを食うもの、虫を食うもの、魚を食うもの・・・
そんな中で特に変わっているのは
「魚の鱗だけを食う」という、
世にも珍しいウロコ食の魚がいるというはなしなのだ。
キラキラ光るこのスピナーというルアーの特性が、そんな珍魚をつれてきてくれるのでは?とおもったりして。
そしてふと思った。
食性が種ごとにはっきりしているということは
「住み場所が種ごとはっきりしている」ということなのかもしれない。
概して、
沖の深場で食ってくる魚、
波打ち際で食ってくる魚、
ウィード帯で食ってくる魚、
ルアーの巻き方にしてもリトリーブ中に食ってくる魚
フォール中に食ってくる魚(前述のウロコ食の魚を狙ってフォールを多用した)
等、等・・・
魚信の出方や場所でだいたいどの種の魚が食ってくるか想像できるようになってきた!!
そうなるとこの小魚釣りがどんどん面白くなってきた!
「お!これはあの魚だろ!・・・よっしゃ、あたり!」
「ここで食ってきたということはあのオレンジ色の・・・・ちぇ、はずれた!」
どの魚がかかるかを予測する、おれはそんなこの湖らしい雑魚釣りを満喫したのだった・・・。
日が暮れてきた。
遊びつかれた俺は宿に戻った。
隣接の湖畔のパブでぬるいビールを開ける。
ムカシキと呼ばれる牛の串焼きが今晩の肴。
隣りに同い年くらいの白人が座った。
ノルウェー出身で、アフリカを旅しているという。
彼は自分のことを「ハンター」と呼んだ。
狩猟をしながらアフリカを回ってるのだろうか?
「そんなに気軽にハンティングなんてできないんじゃないの?」とおもったが、
酔いが回って英単語が出てこず、めんどくさくなって確認してない。
「コンゴからウガンダを抜けてここタンザニアに着いた」
「コンゴ国境はひどかった。靴の中に紛れた砂を指して“国土の持ち出しだ、罰金を払え”とくる」
・・・とんでもないいちゃもんですな(苦笑)」
とりとめもない話は続く。
「ヒロシマナガサキはどうだ?」
「ナゴヤの万博は行ったか?」
外国に行って思うのは、外国人はは意外なほど日本を知っている。
自国を誇りにおもうと共に、自分の無知もおもった。
俺はノルウェーの首都すら知らなかった。
頭に浮かんだ話題といえば
「北欧って社会保障の福祉費高いですよね!?」
「そうよそうよ」
と話は進む
「ノルウェーにいれば所得の3割もってかれるんだゼ?
それが嫌で旅してるところさ・・・。」
シュッとマッチを吸った。
ボッと大きくなり、やがて落ち着く炎。
月明かりの下、浜辺に砕けた白波が反射する。
木タールのお湿りをタバコで吸い込んで、俺は白い溜め息を吐いた。
「でかすぎるやの・・・さすがに。深すぎるやの・・・、ほんまに。
こんな“海”でどうやって魚を探すねん・・・」
ノルウェー人のアニキは続けた
「俺の国はまだマシさ。フィンランドなんて5割だゼ」
「将来のため、なんてウゼぇんだよ。俺は今に生きるゼ」
「・・・ロックですな、ダンナ 笑」
水平線沿いに明かりが並んでる。
ふるさと富山のイカ漁にも似た、光で小魚(現地名:ダガー)を集め獲る漁船の明かりだ。
「!?」
光明、圧倒的 光明。
「フフフ・・・フフフ・・・そうか、そういうことか。」
俺は笑った。気づいてしまった。
「北欧は〜〜・・・・」
アニキのしゃべり声が遠くで聞こえる。
タバコの灰がポトリと落ちた。
翌朝の朝一俺は現地漁師の集まる船着場にいた。夜の電灯漁から帰ってきた漁師さんと直接交渉。
そして今晩の漁にタダで同船させてもらえることになった。
「ムフフフフ」・・・そしてその夜は来た
夕方、船着場で今朝約束した漁師さんを見つけかけよる。
男衆は今夜の漁に向けて腹ごしらえ。
俺も現地の家庭の味をご馳走になった。
売り物ではなかなかみかけない、キャッサバの粉で作ったウガリ。
トウモロコシのそれより弾力に富み、ほのかにすっぱくて。
それをヤギ肉(臭い)とキャベツのトマト煮とともにほおばりながら、俺の気分は高揚していった。
湖の水平線に日が沈む。
PM7時、
ボートにエンジンが掛かった。
アフリカ内地ではじめて見たエンジンボート。
ガソリンの気化した匂い。
これだ。この匂いだ。
普通の人には嫌な臭いかもしれない。
けれど、俺にとっては特別の匂いだ。
初めてのボート釣り、キス釣りに富山湾へ出たあの朝。
丸太くりぬきボートでパプアの大湿原へ繰り出したあの日・・・。
舳先は波を押さえ込み、進んでいく。
風を感じる
気持ちよすぎて震えてる。
こいつを武者震いと呼ぶのだろうか?
バスタックル一つ、なにが釣れるかわからん夜の大湖へ。
いざ、いざ!!
・・・浸水してくる水を絶えずかき出し、船底の穴を綿で埋めながら 汗
1時間半後、ポイントに着いたらしい。
俺は・・・・倒れてた。
うねる湖面の小さなボート。
漁の獲物を入れる枡(?)の中で、俺は死に掛けた小動物のように波をかぶってた。
強烈に船酔った。
船長。
「名前は?」「・・・ムハンマド」「!?神ですか?」
イスラム圏では名前を尋ねると「マホメット」だのなんだのとふざけるオチャメな方が多い。
ちなみにこの船に英語が通じる人は誰もいない。
俺は全てジェスチャーとアイコンタクト。
フラフラの俺を尻目に作業は進む。
魚寄せのライトに点火が始まった。
当然“電球”ではない。
石油ランプ(?)にガスを圧縮。
“不思議な”芯が燃え、まぶしく発光しはじめた。
船長と“不思議”ランプ
不完全燃焼全開。
黒いすすけた空気が漂う。
一酸化炭素充満。
気化ガソリン充満
波のうねりは“不況なんてどこ吹く風”、
超ゴキゲンでございます。
俺はまたボロ雑巾のように倒れこんだ。
カエルのように、胃袋を裏返しに吐き出したいような気分だ・・・。
後日聞いたはなしによれば、
この“不思議な芯”は“石綿”というものらしい。
・
・
・
!?
石綿 =ア ス ベ ス ト !?
アスベスト全開シェイク。思い出しただけで頭がくらくらしてきた。
寝転ぶ俺の眼前で船長と船員が作業を始めた。。
目の前を男の尻が行ったり来たり。
俺に尻を向け、湖の方へへかがみこんで作業を網を引いている。
一言言わせてほしい。
ただ乗りさせてもらっておいてこういうこと言うのもなんだと思うが、一言だけ言わせてほしい
あのさ、船長、
ケツが完全に擦り切れたズボン、
そして
ケツが完全に擦り切れたパンツ。
目の前で黒い振り子が揺れてるんですけど
更に気分は悪化したのは言うまでもない。
「ダメだ、釣りする以前の問題だ・・・・」
どれくらい立ったろう、気分もようやく落ち着いてきた。
頭はクラクラする。ヘモグロビンは一酸化炭素と仲良くやっているようだ。
船長が目で合図する。
ランプで照らされた湖面を見た。
おぉ!!!
そこには10センチほどのマイワシのような小魚が群れている!
一気に酔いが飛んだ!
「“探れ”ないんなら“寄せ”ればいいんだよ!」
コロンブスの卵作戦始動!
俺はイワシ(仮称)の群れに中にルアー(メタルジグ)を投入し、
必ずやこの小魚を追って集まってきているであろう怪魚を狙った。
「何がいる?この漆黒の湖に・・・?」
そして・・・・・
でた〜!!
うっひょ〜〜〜〜!!
てか心霊写真!?
・・・That’s kidding !
後ろに写っているのは船長だよ(笑)
未知なる珍魚、
現地名:ンゲブカ
せいぜい60センチぐらいまでの魚だが入れ食い!
(45センチぐらいで既に釣り上げたショックで射精してたし 笑
あんまし大きくならんのやないかな?)
サイズはどうあれ、狙い通りに釣れた魚に大満足!
こんな魚釣りを楽しんだ奴など誰もおるまい!
蛇足
しかも、後でこの魚の学名を現地の知識人に尋ねると
(近くに魚類研究所があった)
Migebuka LusioLates Steppassi
!?
Migebuka LusioLates Steppassi
なに!?この顔でラテス族なの?!
あのアカメやバラマンディやナイルパーチと同じ!?
うっひょ〜〜!!
(学名は正確じゃないかもしれません。筆記体のクセ字でよく読み取れなかった 汗)
追記
http://members.tripod.com/tanganyika/id100.htm
にそれらしい魚が載っています。
どうやらやはりラテスっぽいです!やったゼ!!
(情報:yoshi様)
その後も、しばらく釣っては寝込むを繰り返す。
気持ち悪すぎ!
漁獲した魚で俺の寝場所はどんどん狭められ・・・
魚の上に横になって寝た
なまぐせぇよぅ・・・
回遊性の魚なのだろう、尾周りは横から見るより上から見るほうが太い。
バスタックルで狙うとかなり面白いぞ!
揺れる小船&初めてカメラに触れる現地人。
つたない英語で説明するも伝わらず。いい写真がなくて申し訳ない・・・・
夜通しで網を投入し、せっせと小魚を獲る船長と船員達。
網が寄せられ、傷ついたイワシが網目からこぼれ落ちるたび、ゲブカの活性は高まり、爆釣。
見渡せば360度水平線に、同業者のランプが並んでいる。
覆いかぶさるように、こぼれんばかりの星。
船長の目がランプを映し、キラキラ光ってる。
言葉は全く通じないけれど、
なんかいい感じ
「この船が沈めば死ぬのだろうな」
「ここで死んだら死体など上がらぬだろうな」
そんな寂寥を、孤独を
煌々と光り続けるランプを見つめながら、
思いっきり無茶やれる今この時を、たまらなく愛おしく思った。
その後も仕事の邪魔にならないよう注意しながらせっせと釣り続け
“ただ乗り”のお礼に漁獲に多少なりとも貢献した。
(60本ほど釣ったかな?)
TOPでも釣れた!
しかし捕食はヘッタクソ!
思い入れのあるテクノジャークに出たうれしい一匹!
この写真みてもらえばわかるけど、大“海”原にこの小船・・・汗。
東の空が明るくなってきた。
さっきまであれほど荒れていた湖面に静けさが戻った。
「おはよう朝日・・・そしてお疲れ様」
激動の一夜があけた・・・汗。タンガニーカ湖に日が昇る。
港に戻ったのは朝の9時。
14時間にも及ぶ船酔いとの戦いはこうして終わった・・・。
思い出しても吐き気がするゼ・・・。
・・・Fish on in TANZANIA
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