第7章 文明哀しく、人温かく















茜射す 銀の丘

Nice SAMAKI
(良き魚)

Nice FARAKI
(良き友)

Asante Sana
(ありがとう)





アサンテ、サナ・・・


























































いつも釣竿抱えて町をぶらついてた奇特な日本人は

いつの間にやら少し有名人になっていた


「今日は釣れたか?」


「ゴンベはどうだった?」


行きかう人々が聞いてくる。

そんなニボシ臭い町とも今日でお別れ






日中はダガーという小魚が干され、丘が銀色になります。











これがダガー。カタクチイワシというよりはむしろマイワシのような顔してる。
周辺はこの魚の干物のモノカルチャー化してる気がするな。
村を通過するたび、大量の“煮干”が船に積み込まれてた。



























さぁ。出航だ!船出じゃぁあ!


とりあえず、やっとけ・・・汗。
































ファーストクラスの部屋をとる金もなかったし、

第一白人だらけのそんな部屋にいてもオモロくない。

元イジメられっ子、死ぬまでピエロ、虐げられし俺には、

臭いとこ、汚いとこ、そんなんで充分だ!


しかしながら今後の長旅を思うと睡眠だけはとっておきたい。

俺はベッドのあるセカンドクラスチケットで乗船

ボロは着てても心は錦

・・・そういや何日同じ服着てるんやろ?(汗)

部屋には2段ベッドが2つあるだけ。


相部屋の4人に、部屋の鍵は一つ。

「タクは黄色いから船の上でも目立つ。鍵はタクが管理しな」

とは同室のルワンダ人ビジネスマンのおっちゃん。

・・・いい旅になりそうだ。






・・・しかし、扇風機の故障した部屋、

暑すぎて寝れない。

こんなことならサードクラスの甲板ごろ寝でよかったよ・・・。



























ってなワケで
船内 フォト・ギャラリー!





エチオピア人の二人組。
一口に黒人といってもやっぱり出身ごとに少しづつ顔つきが違う。
エチオピアは比較的北部でアラブ社会に近いからか、
ピラミッドの側で見た人々に顔つきが近いかな。

































フェリーへ積荷にきた少年達。
「せいっ、せいっ・・・」と元気よくオールを操り、パイナップルを運び、
フェリー看板から投げられるペットボトルを集めてた。何に使うのだろうか?









































コーラの蓋で行うアフリカン・ゲーム「ドラフト」
・・・ルールを教えてもらったのですが、負けまくりでした。































“あいのり”したポーランド人の青年と。
いっしょにドラフトで遊んだりしました。
こいつはいつもヘラヘラ笑ってましたね。





































陽気なエチオピア人一行と。













































船の中をニワトリが駆け回っている。


アヒルが残飯をつついてる。





相部屋のおじさんがもちこんだパイナップルを同室の4人みんなにご馳走してくれた。

俺は「お礼に日本の味を」とゴンベでもらった「しょうゆ味スナック」をふるまったり。









ドラフトで負けたり、





時には甲板で読書したり・・・・・



































そんなこんなで、2泊3日の船旅はのんびり過ぎていった。

























そして3日目の朝、フェリー無事ザンビアに着いた。


マラウイへ入国するには、一旦首都のルサカまで行き、


ルサカからマラウイ行きの国際バスに乗らねばならない。










ザンビアでの数日間、

船で相部屋だったルワンダ人のカマリさんの家に居候させてもらえることになった。






「タク、どうせ宿とか決めてないんだろ?うちに泊めてやるよ!」

「あ、ありがたいっす・・・」





首都のルサカにあるカマリ兄貴の家まで、



さらにバスに揺られて12時間
































荒涼とした大地の一本道を


バスはどこまでも突き進む。


巻き上がるホコリ


見飽きたサバナ、半砂漠。




















































・・・・そこにふと現れた大都会。



「ここがザンビアの首都、ルサカなのか・・・。」

ザンビアのすぐ南は南アフリカ共和国

アフリカの中のヨーロッパ、そんな南アフリカの影響なのだろう。

都市はヨーロッパ風(行ったことないから、推測)に整備され、

スーパーやらなにやら道沿いの商店はほとんどが南ア(略称)資本だそうである。





厳しすぎる荒野を見続けた目に、

その都は哀しく映った。



厳しき日差しに色あせたその都が、

立ち並ぶコンクリート群が、



荒野に浮かんでいるような非現実感


ヒトという生物の破壊力と行き詰まりを見た気がして



なんでかわかんないけど、とっても哀しくなった。
















バスは朝に出発したが、郊外にあるカマリ兄貴の家に転がり込む頃には真っ暗になっていた。










カマリ兄宅にて。甥っ子の赤ちゃんを抱き、何か歌いだす兄貴。
久々の帰省うれしくてしょうがないのだろう、・・・お邪魔虫でごめんなさい(汗)
テレビでは南アフリカの教育番組をやっている。
人口比とは逆にディスプレイには白人ばかり。
それでも画面に必ず混じってくる黒人に
「アパルトヘイトの影響かしら」と下衆のかんぐりいれてみたりして。



















カマリ兄貴「わるぃな、布団は一つしかないんだ・・・」

その夜、シングルのせんべい布団に俺とカマリ兄貴はいっしょに寝た。

布団一つ、それでも泊めてくれる兄貴に感謝。

アフリカの夜は以外に冷える。

このぬくもりは嫌じゃない。



※ケツの穴で精算とかしてないんでそこのところよろしく






























翌朝、


マラウイ行きの国際バスのチケット購入に行くも

意外に手間取り、数日足止めを余儀なくされることに。





まぁ、“釣り”だけが俺の旅ではない。


アフリカ人との生活を楽しもう。






























おばさん(カマリさんにとっては義姉さん)と赤ちゃん。
オシャレなおばさんは、今日は青Tシャツ。
赤ちゃんとおそろいなのかしら?




ちなみにおばさんの作るメシはマジでうまい!

ザンビア以南ではウガリは“シマ”と呼ばれ、

ウガリより気持ち柔らかい。

ちょっと贅沢品のソーセージも出してもらったり・・・

ご馳走様でした!!ありがとうございます!!
















ここでちょっくらアフリカの珍酒について。








「す、すっぺぇ・・・。」

カマリ兄貴の住む住宅街、

ぶらついていればどこでも勧められる密造酒「チブク」

表ざたには売られておらず、マーケットの奥でひっそり売られてる(笑)

「Beer]とあるが、けしてビールではない 汗。
(special brewという銘柄のホントのビールは別にあります。著作権も銘々権もあったもんじゃありませんな 笑)

トウモロコシ(マヘウ)の粉を発酵させたドロドロの酒(?)

なんか消しゴムのカス入り飲むヨーグルトのような・・・

滅菌しないから紙パックの中でも発酵し、膨らみ、染み出してきてます(笑)

住宅街には昼間から爆音でリンガラ音楽を鳴らすパブが点在し、前を通れば「座れや、飲めや」となります(笑)

(リンガラ音楽とはアフリカ人が非常に好む、高音のエレキがジャカジャカやってるような、俺の主観でいえば「ヤカマシイ」音楽。
スピーカーを音割れさせて、朝から晩まで爆音で鳴ってます。)

だだでさえこの爆音リンガラ音楽で頭痛いのに、

たまに油まで浮かんでるチブクがある。(なんの油だ?!)

ザンビア人のオッサン「これが俺たちの体を強くするんだ〜〜〜」
「・・・これがあんたらを頭悪くする元凶だぁあああああ 笑」

























アフリカの朝は早い












暑くなると体力も気力も奪われるからか











朝8時にはどの商店も開く。











俺は朝市に顔を出してみた。











驚くべき野菜があった。













それは・・・・







オクラ














俺はずっと“山上憶良”よろしく




“憶良”





とでも書いて「オクラ」呼ぶ、日本古来からの野菜かと思っていたのだが・・・




















「What  is  this ?」



おばさん「オークラ」



「・・・。」










「What  is  this ?」



おばさん「オークラ」




「・・・。」













「オクラ?」

おばさん「オクラ」





クラって言うな!

クラって伸ばすな!




「大○」 とか「○蔵」とかいうな〜〜!!!




高校時代、
ひと悶着あった女を思い出して
萎えるじゃないか!!!!!!






・・・・・すいません、取り乱しました(笑)


でも言いたくなる気持ちもわかるでしょ?>ワタル





オクラは呼び方も“ほぼ”そのままにアフリカ原産の野菜らしいです・・・。










































市場で見つけたもう一つの珍品
「マサオ」
姫リンゴみたいな木の実のドライフルーツなのだが、

「なんとなく梅干っぽい味がします!」
地球の裏側で梅干を恋しく思っておりました・・・とさ。
え〜どっかの国のバカ長男「正男」とは雲泥の差です(笑)




































午後からは町の中心地でアマチュアチームの試合があった。
住民総出でてんやわんやの大歓声(俺はチブクで殺されかけた 笑)
どこでもサッカー。誰とでも一喜一憂。
いつになっても暗い話題は、哀しい争いは終わらないけど・・
「すべてはサッカーで、フィールドで戦おう!」
翼が言ってた言葉を思い出すねぇ。










サッカーに狂喜乱舞し、

チブクを強引に飲まされてたら日が暮れた(笑)








カマリ兄貴は半年振りの恋人の元へ。

取り残された惨めな俺を(笑)、同行していたカマリ兄貴の甥っ子、

オバーディア坊がこの辺りを案内してくれるという。







俺が道端でポップコーンを買い、代金を払っていると・・・・
オバーディアがサッと一袋万引きした。
それも一番でかい袋を。
「やるな、オバーディア!」







今度は近くの商店に入って行ったかと思うと、電池を買ってきたオバーディア(万引きかも 汗)
「これでタクのカメラ貸して!」

カメラに興味津々のオバーディア。

壊れたら大変!と「電池がそんなにないから」と今までやんわり断ってきた俺であったが、
(事実そんなにゆとりがなかったし、何より、アフリカで売ってる電池では日本製デジカメにはパワー不足で動かないのだ!)

電池をわざわざ買ってくるそのけなげさに心打たれた!


「好きなもん撮ってこいや〜!」



カメラを渡すと、喜び勇んでオバーディアはどこかへ消えていった。

「・・・おいおい、俺を置いてくな〜〜!!!迷子になっちゃう・・・」
















カマリ兄貴の甥っ子、オバーディア坊 (左)
デシカメに興味心身なので渡しておくと
・・・この子(右)ばかりを撮り続けていることに気づく。
「ほほぅ〜笑」
「どれどれ、お兄さんが撮ってやるよ」
レンズを向けたら手をまわしおった!
「マジでやるな!オバーディア!」
その得意顔は何なのよ!笑


























お前らみてるとセツナくなるゼ!笑
若いっていいね。初恋っていいね。
仲良くやれよ〜。





















ここからはオバーディア劇場のはじまりはじまり〜
















作品名 「友達」・・多分
撮影:オバーディア
トリミングは無し、そのままアップしてみた。
大胆すぎる構図。とりあえず撮ってみる若さ(笑)











相撲の「四股」を披露。
空手や四股の真似事をするだけで、現地の子供は大喜びです。
すぐに人気者。悪く言えば「単純」なんだけど、その純粋さにホロっとくるネ。
これもトリミングなし!こいつはいい構図だぞ!!
撮影:オバーディア

























・・・はい、オバーディア劇場終了。









だって

ピンクのブラウスの子しか撮らないんやもん

なんとなく悔しいけど、おじさんは優しい気持ちになったぞ!(笑)

悔しいからキミの撮ったカノジョは載せません!(笑)






・・・ってなわけでカメラ回収。
おじさんはつきあいきれないよ(笑)
大人になって、自分で稼いで買っていちゃつきなさい!
いっぱい好きな子撮ってやりなや〜!
ただしへんな使い方すんなや〜!笑
>ね、○○ちゃん(笑)

(俺が持ってても仕方ないから、撮った写真は後でメールでカマリ兄貴に送ってやるよ!)





































ザンビアの笑顔。
こらこら、押すな!カメラがぶれて撮れんねけ!
・・・元気でな〜。
















































青は青く、緑は緑に。俺の大好きな色彩感。
カカオみたいな実やね。
「この〜木 なんの木 気になる 気になる ♪」




















































世話になったカマリ兄貴。
「大学は経済的な理由で2年で一旦やめて、来年はモザンビークに行くんだ。
外国人でも元手が少なく起業できて、税金も安いから・・・。」

広いアフリカを、人々は行き来しながら生きている。
俺も頑張ろう。ちゃんと生きよう。
カマリ大兄、ほんとにありがとうございました!





マラウイ行きのバスは早朝に出る。

兄貴はまだ暗いうちから一緒におきて、俺をターミナルまで見送ってくれた。

寝ているオバーディアは起こさずに家をでた。

「餞別代り」と、決して豊かでないなかでターミナルまでの交通費さえおごってくれて・・・・。



お互いわかってる

「一期一会」

ってことを・・・。


























カマリ兄貴、そしてカマリさん一家の恩義に答えるためにも、

俺は釣らなくてはならない。

目的を達せねば、

挑戦は夢物語で終わってしまうから。







バスはまた一本道に乗った。

哀しい都が遠ざかっていく。



















丸1日、走り続けた。

代わり映えのしない景色


「時間を本当に贅沢に使ってるなぁ」

1日になにか1つやればそれでいい。

あせらず、さわがず、

ポレポレ、ポレポレ



隣の席のおじさんが豚の焼肉をくれた。

イスラムのタンザニアでは食うことのなかった豚。

旨すぎ


骨を窓からポイと捨てながら、

ポレポレ、ポレポレ
















今日も一日が終わる。

何もせず、今日という日は暮れていった。




でも、それが嫌じゃない。










































マラウイ国境が目前に迫ったそのとき、河川脇の干物屋にて終に発見!!
「近づいてる。確かに“牙”はこの地にいるのだ!」






移動だけで所要1週間

正直長かった、しんどかった・・・



最終目的地、

マラウイのシレ川まではあと少しだ!!










・・・Fish on (!?) in ZAMBIA

←前へ アフリカ編TOPへ 次へ→