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    東南インキ株式会社

TEL. 072-266-3216

〒592-8341 大阪府堺市西区浜寺船尾町東4丁32−2

  TONAN INC CO.,LTD.

印刷トラブル解消

現在、印刷方式として最も主流なオフセット印刷は、機械の自動化、高速化、資材の品質向上等、ハード面に関しては目を見張る進歩を遂げているが、それとは裏腹に、熟練されたオペレーターの減少が原因と思われるトラブル増加が、最近の印刷現場で深刻な問題となっています。当ページでは、そのような問題に関する原因・対応策を数々の資料・熟練されたオペレーターの方々の声を元にわかりやすく解説しています。


オフセット印刷に関するトラブル

トラブル名 現象 原因 対応策
乳化
(emulsifying,水負け)
■インキがトロトロの状態になる
■インキ濃度の低下
■セットしない、乾燥しない
■裏移り、コスレ、汚れ
■湿し水の量が多い
■湿し水のPHが高い
■工場内、機械の温度管理不足
■親水性の顔料が多いインキ使用
■インキの粘度不足、コンパウンドの誤用
■工場温度を25℃前後に保つ
■エッチ液の見直し
■ローラー設定(ニップ幅)を小さめにしてローラー温度を下げる
■メジウムを10%程度加える
パイリング
(piling,caking、版残り、ブラン残り)
■版上にインキ、紙粉等が残るためインキの転移不良となる
■ローラー、ブランケット等の表面インキが残り円滑に転移していかないため印刷面にむらができたり、画腺が太る
■インキの乳化
■インキの練肉不足
■インキがさくいと版残りしやすく粘すぎるとブラン残りが多い
■比重の大きい無機顔料を使用しているインキ(パール顔料等)
■ビヒクルにくらべて顔料過多
■インキの粘度不足、コンパウンドの誤用
■スプレー粉の過量
■乾燥剤の過量
■紙の塗工層が湿し水によって軟化し、インキに混入
■紙粉が出やすい用紙の使用
■湿し水のゴミ取り機能が不足
■高粘度ワニスを練りこみ、顔料分を減らす
■タックが高めのインキに交換する(紙粉が原因の場合は逆効果)
■インキの流動性を上げる
■ブランケットの紙離れを良くする為、湿潤剤を使うブランケットを交換する
■ゴミ取りローラーを取り付ける
■紙粉が出にくい用紙に交換
■エッチ液の添加量やタイプを変えてみる
ヒッキー
(hickey)
■印刷部分にドーナツ状の抜けができる
■印刷部分に白抜け斑点ができる
■インキ壺まわりやインキローラーの端にできるインキの皮が混入し、版やブランケットに付着
■モルトンの脱毛
■カッターダスト、紙粉
■ほこり、パレットの木屑等のゴミ
■インキかすの溜まりやすい場所をこまめに掃除する
■缶からインキを取り出すときに皮が入らないよう注意する
■紙のスリッター、断裁刃の交換間隔を短くしてもらう
つぼ上がり
(backing away,hanging back,つぼ逃げ)
■印刷中にインキつぼからインキ出しローラーに移っていかなくなる ■インキのチキソトロピー(しまる速度)過大
■インキの降伏点過大(流動性不足)
■インキの引きが短い
■ワニスを加えてインキに流動性をつける
■インキつぼにインキアジテーターを取り付ける
■インキつぼのインキをときどきへらでかき回す
■超光沢メジウムを少量添加
地汚れ
(greasing,scmming)
■版の非画線部が感脂性になってインキが付着し、印刷物に汚れが生じる。汚れる位置は決まっている。 ■インキが軟かすぎる
■インキを出しすぎる
■ドライヤー過多
■湿し水の量が過少
■PHが低すぎて版の親水層が破壊された
■インキ中の活性剤や脂肪酸が湿し水と一緒になって版の親水層表面に親油基を作りインキを吸着する
■刷版部門での現像不良
■着けローラー圧、湿しローラー圧、ブランケット圧の過大
■ローラー、ブラン圧ムラにより親水層が破壊された
■紙から感脂性物質の溶出
■号外ワニスまたはゲルワニスを加えてインキに弾性を与える
■版を取り替える
■湿し水のPHを調整する
■着ローラー、湿しローラー、版とのニップ圧や汚れ、劣化の確認
■用紙の交換
浮き汚れ
(tinting)
■淡色の汚れが非画線部一面に生ずが、版には感じて無い為水を含んだスポンジでふけば汚れを除去出来る。汚れる位置は決まっていない。 ■インキのタックが低すぎる
■湿し水のPHが高すぎてインキが溶け湿し水が着色される
■湿し水のPHが低すぎて版持ちが悪い
■湿し水にインキが粒子状になって分散する
■紙に含まれる薬品類が、インキの乳化を助長
■湿し水の量が過多
■版を拭く
■水上がりを最小にする
■高粘度ワニスまたはゲルワニスをインキに添加
■湿し水のPHを調整
■機械の清掃をする
■静電気発生を防止する
乾燥不良
(drying too sloely,poor drying)
■長時間経過してもインキが乾かない
■金、銀インキを印刷時に圧胴にとられたり、裏刷りの時こすれ落ちる
■ドライヤ不足
■湿し水のPHが低い(5以下)
■紙のPHが低い
■湿し水の上げすぎ
■コンパウンドの過剰添加
■インキの盛りが多すぎる
■環境不良(低温、高湿度、換気不良)
■金、銀インキはビヒクルが少ないため浸透性の紙では金属粉の定着が不十分となる
■適正ドライヤを適量添加
■湿し水のPHを5〜7(アート紙やコート紙は6〜7)に設定する
■工場内環境を整える
■金、銀インキには超光沢メジウムの添加によりビヒクルを補う(多少発色は落ちる)
裏移り
(set-off,offset,offsetting)ブロッキング(blocking)
■積み重ねたり、巻き取ったりした印刷物のインキが、重なっている印刷物の裏面に付着して汚れる
■積み重ねたり、巻き取ったりした印刷物のインキが粘着性のために、印刷物がくっついてしまい、はがそうとすると印刷物を損傷してしまう
■インキの盛りが厚い
■インキのセット、乾燥が遅い
■棒積み過度
■静電気で紙がピッタリくっついている
■紙のカール
■巻き取りの加圧大
■巻き取り時の冷却不足
■スプレー粉の散布不良
■ブロッキングは高温高湿で起こりやすい
■ドライヤを添加する
■裏移り防止コンパウンド添加
■静電気防止装置の設置
■印刷前に十分な時間を置き紙の温度を整えカールを防ぐ
■刷り本の風入れ
■スプレー粉の適正散布
■高濃度インキで薄盛り印刷
■用紙の点検、交換
■工場内は温度25℃湿度50%程度にする
ゴースト
(ghost,ghost image,)
■ベタ刷りの部分にインキののりの少ない淡い部分が出来る ■くわえ側のベタや白抜きのインキの消費の過不足の影響
■水上げ量の影響から、インキ着けローラの表面に水がのり、インキを反発することによるもの
■水着けローラの汚れ
■ゴムローラの劣化
■乾燥時の酸化重合過程で発生するガスの影響
■湿し水をしぼり、濃度の薄いインキで厚盛り印刷する
■版面の画像の割付けを工夫する
■ローラの点検
■ゴースト解消ローラーの取り付け
■絵柄に対応してインキキーの調整を行うのは当然として、インキ皮膜は可能な限り薄くしてインキ元ローラの送り量(回転)を多くする
■ガスによるグロスゴーストは印刷後2時間くらいたってから風入れをひんぱんに行うといい
ミスチング
(misting,flying)
■印刷機の運転中に、インキがローラの間から霧状になって飛散する ■インキの盛りすぎ、高速回転、高温度(機上)、すなわちインキが軟らかくなりすぎると起きやすい
■工場内の温湿度が低いため静電気の発生
■インキのえい糸性が大きい
■ローラの取り付け不良又は損傷
■高濃度インキで薄盛り印刷
■硬めのインキを使用
■工場内の温湿度を整え静電気を防止する
■ローラ調整を確認しインキの盛りがばらついたり、乳化しすぎないよう気を配る
■機上温度を冷却
ローラはげ
(rollerstripping)
■金属ローラ、ゴムローラ上のインキがすじ状になってはげ、インキの転移性が悪化しインキが降りてこなくなる。印刷物の左右又は片側からベタの着きが悪くなったり、濃度ムラなどが発生してくる ■ローラ表面にインキ皮膜が出来たため逆にインキを受け付けない
■ローラ表面の親水化
■ローラの劣化
■湿し水が多い
■湿し水のPHが低い(5以下)
■湿し水のゴムが多い
■エッチ液やIPAの入れすぎによる過剰乳化
■湿し水の調整、交換
■水をしぼる
■版や水周辺ローラのニップ圧を調整
■ローラの洗浄
■金属ローラをはずして希硝酸で少し腐食し、パミストンパウダ(軽石の粉)をつけてこする
■ローラの交換
トラッピング不良
(poortrapping,lack of trapping)
■多色機ウェットプリントでインキの上に後刷りのインキがうまくのらない ■先刷りインキより後刷りインキのタックが高すぎる
■先刷りインキのセットが遅い
■先刷りインキの盛り過ぎ
■後刷りインキはタックを低く
■先刷りインキは濃度の高い物で薄盛り印刷
■先刷りインキはセットの早い物を選ぶ
■先刷りのベタの盛りを減らせない場合は乾いてから後刷りする
クリスタリゼーション
(crystallization)
■多色印刷で前に印刷して乾いたインキの上に次のインキがはじかれて均一にのらなかったり、こすると簡単にはがれる ■インキの乾燥が速すぎるか、重ね刷りまでの時間が長すぎるため、前のインキが乾きすぎている
■先刷りインキにワックスなどが含まれている
■紙の給油性が低すぎる
■先刷りインキが乾ききらないうちに重ね刷りする
■ワックス系の添加剤を省くか最小限に減らす
■クリスタリゼーションを起こした印刷物を柔かい布でこすってから次のインキを刷り重ねる
紙むけ
(picking,litting,peeling)
■紙がブランケットから離れるときに、紙がむける ■紙の表面強度が弱い(コーティング不良)
■湿度が高い
■インキのタック過大
■インキの乾燥が速すぎる
■印刷圧過大
■用紙の交換
■コンパウンドを添加してタックを下げる
■タックの低いインキに交換
■必要最低限の印刷圧で印刷
チョーキング
(chalking,powdering)
■表面が乾いているのに印刷面を軽くこすると顔料が粉状になって落ちる ■インキ中のビヒクルが紙に吸収されて顔料だけが印刷面に残る
■紙の給油性が強い
■ビヒクルと顔料とのぬれ不足
■インキの乾燥が遅い
■インキの乳化過大
■グロスワニス、ゲルワニスを加えて紙へのビヒクル浸透を抑える
■乾燥不良の項を参照
■乳化の項を参照
■オーバープリントする
■用紙の交換
スラー
(slur,slurring)
■くわえじりの方向に画線がずれて、ハイライト部では、網点に尾を引くような形に、シャドー部では影がつくような形で発生する、とくにアート紙、コート紙等で発生しやすい ■版、ブランケットの胴間の圧が強すぎるとインキ転移時のツブレが大きくなり発生しやすい
■ブランケット、紙間の圧が強すぎると、塗工紙で現れやすいシャドー部のスラーが発生する
■ブランケット上に塗工層がたまった場合に発生
■インキのタックが過大
■インキの盛りが多すぎる
■機械の調整不良
■胴仕立ての点検
■湿し水を適正にした条件にてインキ量を絞
■ブランケットの洗浄
■コンパウンドを添加してタックを下げる
■タックの低いインキに交換



バナースペース

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