ここではスモールマウスバスに関する作者独自のデータ・体験談を紹介しています。釣果アップを目指す方には残念ながら参考にはならないでしょうが、裏磐梯での釣りをオモシロクしたい方には少し参考になるでしょう。「ふ〜ん。」程度の内容です。 |
- 裏磐梯での「釣り時」 - | |||
魚がたくさん釣れる時期(時間)も「釣り時」ですが、魚のコンディションが良く、その魚本来のファイトを堪能できる時期もまた「釣り時」です。 図1はスモールの肥満度を月別に表したものです(産卵に関与しない24cm以下の魚のデータは除外してあります)。5月は発達した卵巣を抱えるメスが釣れるため肥満度は平均以上ですが、6月に産卵することにより7月に最も痩せた状態になります(ただし産卵に関与しない小型魚はこの限りではありません)。7月に釣れる産卵後のスモールのファイトは当然ながらイマイチで、スタミナもありません。しかし、8月になるとコンディションを回復させて、秋には丸々と太った状態になります。秋のスモールは、その横幅と体高もさることながら内臓脂肪を蓄えていますから、7月に釣れる魚とは比べ物にならないパワーとスタミナを見せてくれます。数字だけを見れば5月の肥満度とほぼ同じですが、秋の肥満度の上昇は生殖巣の発達ではなく筋肉の発達によるものであることに加え、水温がスモールの適水温となるため平均サイズの魚でも引き味は十分です。 |
- 水温とスモールマウスバスの行動 - | |||
スモールマウスバス(以下「スモール」)が棲む裏磐梯の湖沼の表面水温は、0〜26℃の範囲内で変化します(湖沼の季節変化参照)。このうちスモールの活性が高い水温(トップウォーターで良く釣れる水温)は16〜23℃で、ベストは20℃前後です。例年5月下旬〜7月下旬と9月上旬〜10月上旬が16〜23℃になります。この水温の範囲内ではスモールの行動も比較的安定していますから、初めて裏磐梯を訪れる方でも大ハズレということはないでしょう。6月、7月、9月が狙い目となるのも納得できます。では、それ以外の水温ではどうでしょうか? |
- スモールマウスバスの捕食圏 - | |||
これには生息する水域の透明度が大きく関係しますが、ステインウォーターの場合でも水面に浮く(水面を移動する)ルアーからの距離が水平方向で3m以内ならスモールマウスバス(以下「スモール」)は確実にルアーを認知し、活性が高ければアタックしてきます。つまり直径6mの円内は捕食圏となるわけです。バズベイトやトップウォータープラグにアタックしてくる様子から、これは間違いありません。ならば垂直方向の場合はどうでしょうか? 以上のことを釣りに応用すると、スモールの活性が高く水面にも関心が向いている場合は、5〜6m間隔でキャスティングを繰り返せば効率良くポイントを探れることになります。湖にボートを出したものの広すぎてポイントを絞りきれない場合や、スクールが点在していると考えられる場合は、このようにラフに探ってみるのも有効な手段です。この間隔で引かれるルアーにスモールが気づかないということはまず考えられませんから、反応がなければルアーや釣り方を換えて同じ場所をじっくり攻め直すか、そのまま探り続けるかを選べば良いでしょう。 |
- スモールマウスバスの体色と生息環境 - | |||
裏磐梯で釣れるスモールマウスバス(以下「スモール」)を体色で大別すると、褐色の個体、オリーブグリーンに近い個体、そして黒っぽい個体の3つに分けることができます。
釣れる割合もこの順で、黒っぽい個体は非常に少なく、めったに釣れません。体色が黒っぽい個体は「居着き型」であり、その体色は保護色とも考えられていますが、私は単なる個体差だと考えています。なぜなら15cmほどの黒っぽいスモールが1〜2匹、同サイズの群れに混ざって泳いでいるのを何度も見ているからです。通常は群れで行動するこの大きさでありながら、ある時群れを離れて居着き型として一定期間を過ごして成長し、体色が変化してから再び群れに戻ったと考えるには無理があります。黒っぽい個体だけで構成される「居着き型」の群れがいてもよさそうですが、見るのは決まって通常の体色の群れ+黒っぽい個体1〜2匹というパターンです。その場所の底質は砂礫が主体なので、黒っぽいスモールは他の個体と比べて非常に目立ちます。若令のスモールにとって、目立つというのはどのようなメリットがあるのでしょうか? なぜ体色を変化させたなら「居着き型」としてずっと過ごさないのでしょうか? 成長するに従い行動が多様化して「居着き型」の個体が増え、その結果大型魚ほど黒化した個体の割合が増えるというなら、まだ理解できるのですが・・・ |
- スモールマウスバスがハイになる時 - | |||
ある日の早朝。私は桧原湖にボートを出して、いつも通りトップウォーターゲームを楽しんでいました。釣り始めて間もなく、30cm弱のスモールの一団がこちらへ回遊して来るのが見えました。その群れは5匹で構成されていましたが餌を探しているらしく、人が歩くくらいのスピードで水面直下を泳いで来ました。私がじっと動かずにいると、その群れは私とボートの存在を無視するかのようにボートの近くを横切って行きました。そこで、群れの進行方向にすかさずペンシルベイトをキャストし、ポーズをほとんど入れないドッグウォークアクションを加えると、ボートから5mほどのところで群れの中の1匹がヒット! 私は他の4匹は仲間の異変に驚いてすぐに逃げると思ったのですが、逃げるどころか何と4匹全てが周りで一斉にボイルを始めたではありませんか! まるで養鱒場のニジマスのように・・・。ルアーの近くに本物の小魚がいたわけではないので、これは明らかにルアーを食った1匹に刺激され、連鎖反応を起こしたのだと思います。餌もないのに一斉にボイルする。これはスモールがハイになったとしか考えられません。ヒットした1匹を釣り上げると残りの4匹は私に気づいてあっという間に姿を消し、その後、ルアーにアタックしてくることはありませんでした。 |
- 追跡する魚-スモールマウスバス - | |||
その日の桧原湖は珍しく風もなく、鏡のような湖面に静かに雨が降っていました。もちろんトップへの反応は良く、私は次のターゲットを見付けるために、ボイルが起こらないか湖面を見回していました。すると、30mほど先でさざ波がランダムに動き回っていることに気づきました。さざ波の正体はワカサギの群れだと直感したので急いでエレキを動かし、驚かさないようにある程度の距離を保ってそのさざ波を追跡すると、案の定それは40〜50匹のワカサギの群れであることが分かりました。岸から50mほど沖でのことです。さらに水中を良く見ると、群れの後方1mほどの所に30cm弱のスモールが1匹。そのスモールはワカサギの群れにピッタリとついて、同じ速度で行動を共にしていました。 |
福島県では2001年6月1日よりブラックバスとブルーギルの移植が 禁止になりました。違反すると懲役2ヶ月以内または罰金10万円 |
裏磐梯バスフィッシング情報 〜桧原湖とスモールマウスバス〜