有終の美? 御所浦で10回目の水俣病事件研究会

出水の状況、認定問題、溝口裁判などビビッドな発表目立つ

原田代表、「この形は今回で区切り」と解散提案


水俣病とは縁の深い御所浦での開催と、若手の発表もあり、活気ある研究会となった
総括で「この形式での開催は今回限りにしたい」と提案した原田代表(右)
第10回水俣病事件研究会が2005年1月8、9の両日、熊本県・天草の御所浦(地域開発研究センター)で開かれた。
第1日の8日は午後1時半から5時過ぎまで、第一セッション「現地調査報告」と第二セッション「認定問題及び裁判の現況」が、第2日の9日は午前9時半から午後5時半まで第三セッション「社会科学編」、第四セッション「カナダ報告」、第五セッション「水俣病事件研究会フォーラム/自由討論」がそれぞれ行われた。

第一セッションでは、2人の大学院生による「胎児性水俣病と障害者の権利」や新たな認定申請の動きが注目されている「出水の調査報告」などビビッドな発表が、第二セッションでは「認定問題」や進行中の「溝口裁判の現況」などが取上げられた。
2日目の第三セッションでは社会科学的な面からの切り口の発表が続き、第四セッションでは昨年夏に行われたカナダ先住民居留地の現地報告が医療の立場と研究者の立場から行われた。
最後の第五セッションでは熊本学園大学が今年4月以降計画している「水俣学プロジェクトの説明」や「公式確認50周年フプロジェクト構想」などについての説明、提案が行われた。

そして、今回の総括として原田正純代表から「事務局体制もない中で10年間よくやれてきたと思う。水俣病事件は終ったわけではないが、この形態での開催はこれを最後にしたい。今後は若い人たちがいくつかの拠点で開くなど別のスタイルで開いた方がよい。それには協力を惜しまない」と、この形式での開催は今回をもって幕を下ろしたいとの提案が行われ、事実上、“最後の水俣病事件研究会”となった。



《予告》 第10回水俣病事件研究会の詳報は後日掲載予定。

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