“つなごう世界、救おうアジアの水危機”

=8月1日〜7日、墨田区で雨水東京国際会議=

15カ国・約50人、国内からは2000人の参加予想



いま、世界で11億人もが“安全な飲み水”を確保できないでいる/気候変動などによる都市の渇水と洪水が深刻化している/このままでは近い将来、水戦争が起こる危険性がある………こんな危機感の中で誰もがアクセスできる安全な飲み水の水源として雨水にスポットライトを当てて、地球上の大地と空の間を循環しながら生命と文化を育む雨水を“スカイウォーター”と位置付け、とりわけ直面するアジアの水危機を中心に、国内外の市民・行政・企業・教育者・研究者の英知を集めて実践的課題を取上げ、水危機・水戦争を打開する道を探ろうということを目的に、2005年8月1日〜7日まで、東京・墨田区の3会場で「雨水東京国際会議(Tokyo Asia Pacific Sky Water Forum)が開かれる。
参加料は全日程を通して1000円(高校生以下は無料)。主催者は多くの人たちの参加を呼びかけている。

この会議の日本での開催は1994年以来で、実行委員会の事務局長を務める村瀬誠さん(墨田区地域振興部環境担当 環境保全課環境啓発主査)は「今回の会議をキャッチ的に言いますと“タンク(戦車)よりタンク(雨水タンク)を。雨を活かして世界の水危機打開の道を探りたい“です。いまのところアジアや太平洋地域、アフリカ、ドイツなど15カ国から50人くらいが参加するでしょう。国内からは延べで2000人くらいでしょうか。世界初の雨水ハウス、雨の絵本ひろばも出来ます。共通語は日本語と英語。同時通訳・逐次通訳が付きます。気兼ねなく多くの仲間と誘い合わせて来てください」と呼びかけている。

会場は3つに分れる。
メインの「すみだリバーサイドホール」ではイベントホールで3日〜6日まで自由発表、自治体セッション、基調講演・基調報告、国際雨サミット、特別発表、分科会、全体会が行なわれ、ギャラリーではポスター展示が1日〜6日まで開催される。
「墨田区役所(会議室)」では5日に分科会が、6日に交流会が開かれる。
さらに大幅にリニューアルされる「すみだ環境ふれあい館」では常設展示のほか6日に分科会が開催される。
なお、7日は同館と区内の雨水利用施設で見学会やワークショップも行なわれる。

スカイウォーターをイメージした会議ポスター【雨水東京国際会議ホームページから】
会場になるリバーサイドホ-ル
         【墨田区役所ホームページから】

メインフォーラムのプログラムや開催要領、参加申込み先などは以下の通り。

8月5日(金)
10:30〜11:30  
イベントホール 
〈基調講演〉  「救おうアジアの水危機 〜切り札は雨水〜」
      アシット・K・ビスワス(メキシコ 第三世界水管理センター所長、元国際水
      資学会会長)
11:40〜12:10
イベントホール
〈基調報告〉  「日本における雨水利用の10年の展開、および今後の方向性」
      辰濃和男(雨水東京国際会議実行委員会会長)
13:30〜16:30
イベントホール
〈国際雨水サミット〉 「つなごう世界、広げよう雨水のネットワーク〜産学官民の立場から〜」
 司 会:高橋裕(東京大学名誉教授)
 発表者:スヴァイン・ツバイダル(ケニア:国連環境計画・環境政策部長)
      ジェシカ・サラス(フィリピン:国際雨水資源化学会(IRCSA)会長)
      クラウス・ケーニッヒ(ドイツ:雨水と排水の有効利用技術者集団(fbr)副会長)
      辰濃和男(雨水市民の会会長)
      酒井彰(日本下水文化研究会代表、流通科学大学教授)
      仁井正夫(国土交通省水資源部長)
      山ア昇(墨田区長)
16:45〜18:40
イベントホール 
〈海外特別発表〉  「世界の先進事例に学ぶ」
      クラウス・ケーニッヒ(ドイツ:雨水と排水の有効利用技術者集団(fbr)副会長)
      シャカール・ラガヴァン(インド・レインセンター所長)
      ムーヨング・ハン(韓国雨水資源化学会(KRCSA)会長、ソウル大学教授)
16:45〜18:40
区役所会議室 
〈分科会〉  「これからのアジアの雨〜その量と質はどうなるか〜(パート1)」
〜大切な雨の今を知り、これからを考えます〜
 司 会:風間ふたば(山梨大学助教授)
 発表者:村山貢司(気象キャスターネットワーク)
      竹内邦良(山梨大学教授)
      土器屋由紀子(江戸川大学教授)
19:00〜21:00
区役所会議室 
〈交流会〉  どなたでも参加できます。※参加費:3000円
8月6日(土)
午前の部
9:30〜11:30 
午後の部
13:00〜16:00
イベントホール 
〈分科会〉  「安全な飲み水としての雨水」 
〜空には、無数の安全な飲み水の蛇口がある!
     アジア太平洋スカイウォータープロジェクト報告〜
 司 会:ジェシカ・サラス(フィリピン:国際雨水資源化学会(IRCSA)会長)
 発表者:今関久和(雨水市民の会理事)
      タニュジャ・アリャナンダ(スリランカ:ランカ雨水利用フォーラムコーディネーター)
      徳永暢男(雨水市民の会副会長)
      アジャール・アリ・プラマニク(バングラデシュ:SPACE)
      モスタファ・ヌルツァマン(バングラデシュ:ボランティア団体「シュシラン」理事長)
      ジェナ・キャロル(オーストラリア)
午前のみ
ホール会議室 
〈分科会〉  「雨水の貯留・浸透と活用技術」
〜先駆者が語る雨水活用技術の極意〜貯めて・生かして・地下水涵養まで〜
 発表者:山内勇(熊本市環境保全局環境保全部水保全課技術主幹)
      安藤勝治(雨水市民の会理事)
      中谷耕太郎(NPO雨水流出抑制技術協会)
区役所会議室  〈分科会〉  「雨を捨てない保水型都市へ」 
〜雨と生きる都市の水循環のしくみをつくろう〜
 司 会:酒井彰(日本下水文化研究会代表)
 発表者:高田齋(気象キャスターネットワーク)
      倉宗司(みずとみどり研究会)
      宮澤博(NPO法人雨水流出抑制技術協会副理事)
      ムーヨング・ハン(韓国雨水資源化学会(KRCSA)会長、ソウル大学教授)
      ブリジット・ライヒマン(ドイツ:ベルリン市都市開発局)
      藤木 修(国土交通省都市・地域整備局下水道流域管理官)
ふれあい館  〈分科会〉  「雨の環境学習〜雨水に学ぼう!」
〜教師、市民による雨の環境学習の実践〜
 司 会:原田龍彦(気象キャスターネットワーク)
 発表者:笠井守(千葉大学教育学部講師)
      権上かおる(酸性雨調査研究会)
      岐美宗(広島商船高等専門学校助教授)
      溝口喜久(岐阜サイエンスワールド)
      人見達雄(雨水市民の会理事、環境衛生監視員)
      シャカール・ラガヴァン(インド・レインセンター所長)
      佐原滋元(防災まちづくり「一言会」)
区役所会議室  〈分科会〉  「雨水を活かした緑豊かなまちづくり」 
〜足元の緑と親しみ、雨を尊ぶまちづくりが今、熱帯化する都市を救い、うるおいを創る〜
 司 会:松本正毅(雨水市民の会)
 発表者:佐原滋元(向島百花園・茶亭「さはら」亭主)
      矢壁律子(緑化コンサルタント)
      石田幸彦(雨の学校・校長)
      堀井広子(エコロジカル野川の会)
      西河哲也(NPOひとまちCDC理事長)
      島村雅英(よこはまかわを考える会)
      小川 潔(東京学芸大学助教授)
区役所会議室  〈分科会〉  「緑のダム〜雨水利用から考える水源の自立〜」 
〜複合的・流域的な発想で脱ダムをめざそう!〜
 司 会:藤原信(宇都宮大学名誉教授)
 発表者:アシット・K・ビスワス(メキシコ 第三世界水管理センター長、元国際水資
      源学会会長)
      片倉正行(長野県林業総合センター)
      姫野雅義(吉野川の流域プロジェクト)
      キョンロク・イェ(東京大学大学院新領域創成科学研究科客員共同研究員)
区役所会議室  〈分科会〉  「水循環を活かす農業〜棚田やため池に学ぶ〜」 
〜農に生きる〜現場からの発想と実践〜
 司 会:大ア正治(國學院大學教授)
 発表者:ジェフリー・ポーセン(フィリピン:棚田耕作者)
      長町博(香川用水土地改良区相談役)
      舘野廣幸(有機稲作農民)
      中越地震被災地の棚田復興者(人選中)
午後のみ 
ホール会議室 
〈分科会〉  「これからのアジアの雨〜その量と質はどうなるか(パート2)〜」 
〜大学で学ぶ若者に課せられたものは何か? 
    学生を中心とした参加者とのフリートーキング〜
 司 会:風間ふたば(山梨大学助教授)
16:30〜18:00 
イベントホール 
〈全体会〉   各分科会からの発表、宣言文の発表を行います
◆会場案内◆
すみだリバーサイドホール すみだ環境ふれあい館
◆開催要領◆
主催 雨水東京国際会議実行委員会
共催 墨田区
後援 国連環境計画(UNEP)、国際雨水資源化学会(IRCSA)、韓国雨水利用協会(KRCSA)、雨水と排水の有効利用技術者集団(fbr)、国際水協会(IWA)、国際環境自治体協議会(ICLEI)、国土交通省、環境省、外務省、農林水産省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、東京都(申請中)、日本雨水資源化システム学会、(社)雨水貯留浸透技術協会、NPO法人日本水フォーラム、(株)環境新聞社、墨田区教育委員会、墨田区本所地区小学校PTA連合会、墨田区向島地区小学校連合PTA、墨田区立中学校PTA連合会、NPO法人すみだ学習ガーデン、すみだリサイクルの会、すみだ生活学校、すみだ国際交流ネットワーク、すみだ産学官連携クラブ、墨田区銘品名店会、一言会、21世紀COEプログラムアジアモンスーン域流域総合水管理研究教育(山梨大学)、アジア太平洋都市間協力ネットワーク(CITYNET)
協賛 トヨタ自動車(株)、玉の肌石鹸(株)、東京向島ロータリークラブ、質屋21協同組合、日本ロレックス(株)、アジア生産性機 構(APO)、花王(株)、ライオン(株)、大林道路(株)、東京都管工事工業協同組合墨田支部組合、YKKグループ、墨田建設業協会、(株)共立理化学研究所、アサヒビール(株)、(株)山梨県環境科学検査センター、(社)長野県薬剤師会、墨田区薬剤師会、NPO法人屋上開発研究会、大東印刷工業(株)、東武鉄道(株)、京成電鉄(株)、(株)稲垣、(株)教育新聞社、ソーラーシステム研究グループ、(社)東京都建築士事務所協会墨田支部、東陶機器株式会社、毛管浄化システム(株)、(株)タニタハウジングウェア、東西商事(株)、雨水利用事業者の会、東京商工会議所墨田支部、つちやゴム(株)、村岡ゴム工業(株)
◆参加申込み/問合せ先◆
    実行委員会運営事務局
    〒105−0003 東京都港区西新橋2−11−5 TKK西新橋ビル3F
    TEL 03−3580−8284  FAX 03−3580−8265
    e-mail : office@tap-skywater.jp
    URL : 
http://www.tap-skywater.jp

    本部事務局
    〒130−8640 東京都墨田区吾妻橋1−23−20 (墨田区地域振興部環境担当環境保全課内)
    TEL 03−5608−6209  FAX 03−5608−6934
    e-mail : kankyou@city.sumida.lg.jp


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