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 高齢者住宅のルール作り 〜情報開示〜

 

4点目は、情報開示に関する基準の強化です。

行政は『入居者の選択責任』を明確にするために、有料老人ホームには、詳細な『重要事項説明書』を策定させ、情報開示の徹底を図っています。その方向性は正しいと思いますが、現状を見ると、この重要事項説明書を理解することができるのは、有料老人ホームの事業内容に精通した人だけで、特に家族がいない高齢者がこれを活用することは不可能です。私はこの情報開示については、以下の点を加えるべきだと思っています。
 

 情報開示に関する基準検討 

 

  @  重要事項説明書を渡す時期の徹底。重要事項説明書の読み合わせ。

 

  B  月額費用や入居一時金の返還金に関する見積書の策定。

 

  C  途中退居(事業者からの契約解除)に該当するケースの開示、ルール

一つは、重要事項説明書に関するものです。重要事項説明書の内容は、入居判断の材料としてよく考えられたものだと思いますが、国民生活センターの調べ(2006)によると、入居契約時に初めて重要事項説明書を渡すという有料老人ホームが全体の7割を超えており、とてもその役割を果たしているとは思えません。

契約書・重要事項説明書は、基本的にオープンにすべきものですから、基本的にはHPで公開し、入居契約の一定期間前には必ず渡すことを義務づける必要があると考えています。また、渡すだけでなく、一定の役職者がその内容について、入居者・家族の前で読み合わせをし、一つ一つ、その内容について確認してもらうように手続きを徹底すべきです。

二つ目は、月額費用や入居一時金等の費用に関する確認の徹底です。

パンフレットや広告には『月額費用○○円』と表示されていますが、実はこの費用の中にどのようなサービスが含まれているのかはそれぞれに違います。介護付有料老人ホームの中には、介護保険の一割負担も含んで判りやすく明示されているものもありますが、中には食事も別契約となっているものもあり、全体として比較しにくくなっています。その他、紙オムツや日用品等は別途計算されます。

値段が高い安いということは、長期的にはマーケットが決めることですし、入居者も確認しなければならないのですが、『月額費用18万円と聞いていたのに、請求は23万円だった』という金銭に関わるトラブルは、事前の説明で十分に避けられるものです。また、特に高齢者・要介護高齢者を対象としているのですから、この説明義務は、通常よりも事業者が多く負うべきです。

入居者・家族は、1ヶ月にすべての生活費としてどの程度の費用が必要になるのか知りたいわけですから、介護、食事の他、必要となる紙オムツの種類や枚数、日用品がわかれば、それぞれの入居者が1ヶ月に必要な費用の見積りは可能なはずです。レストランで食事は別途契約となっていても、生活上、必要不可欠なものですから、これらは合せて説明されなければなりません。

この『生活費の見積り』は、サービスの一環として行うべきだと経営者対象のセミナーでは述べていますが、費用に関するトラブルが多いことから、義務付けるということも検討すべきだと思います。

これと同様のトラブルに、有料老人ホームの入居一時金の返還金があります。Aでも述べたように、短期間で退居した場合、初期償却や返還金計算方法の違いよって、老人ホームごとにその返還額には大きな差が生じます。これも金額の多寡に関わらず、最初からわかることです。これも、一覧表にして渡し、入居説明時に明確にすべきでしょう。

もう一つ、トラブルが多いのが途中退居に関するものです。

有料老人ホームの利用権は借家権とは違い、契約違反や利用料の滞納だけでなく、認知症の周辺症状(問題行動)や他の入居者とのトラブル等によって、通常のケアでは生活を維持することが難しいと事業者が判断した場合、退居を求めることができる旨の契約となっています。

しかし、事前にどのようなケースが該当するのか、どのような手続きを取るのかといったことが明確に説明されていないため大きなトラブルとなるのです。これは@の居住権の基準にも関連してくることですが、これは介護の手厚さや医療・看護体制にも関係するため、高齢者住宅の事業者ごとに違ってきます。正確に伝わるように、別途資料を作成し、説明することを義務付けるべきです。

 

以上、三点挙げました。

現在、有料老人ホームでトラブルやクレームが増えている最大の原因は、この説明不足にあります。一般の不動産賃貸でも、その仲介・契約にあたっては『宅地建物取引業法』に基づいて、『宅地建物取引主任者』という国家資格を持つ者が、その資格を明示して、説明しなければならないことになっています。それほど、不動産というものは、トラブルが多く、難しいものなのです。

有料老人ホーム・高齢者住宅の場合、単なる建物だけでなく、介護・医療・食事・相談等の様々なサービスが付随し、そのサービス内容は多岐に渡っています。しかし、その『情報提供』の徹底については、これまで十分に議論されておらず、事業者任せになっいたというのが現実です。

業界の健全な発展のためにも、情報提供に関するルール作りは不可欠です。

 


 

 

 


 

 

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