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暖房
 

[北海道でストーブを購入]
 2002年5月に札幌に引っ越しました。それから4ヶ月たって秋口になると、本格的に冬の準備を始めなければなりませんでした。

 近所の人の話からすると、北海道の冬はとても寒いので、仙台から持ってきた小型のファンヒーターでは、とても対応できないということです。北海道の寒さにも対応できるパワーのあるストーブを買うことにしました。あまり知識がないので、隣の家の人が使っているのと同じものを買うことにしました。

 そのストーブが配達されてきた日に、試しに焚いてみることにしました。事前にいろいろな人に聞いたところによると、ストーブの炊き始めは耐熱塗料のにおいがきついので、何時間か空焚きする必要がある、ということでした。窓を開け、換気扇を回してストーブを空だきしました。

 初めはストーブからみるみる煙が上がって強烈なにおいになりました。私は家にいられないので、外をウロウロしていました。4時間くらい焚いてみましたが、まだ強烈なにおいです。それから10日間、毎日、外出しては8時間ずつ空焚きを行いました。しかし、10日たってもとても耐えられるレベルにはなりませんでした。さらに1週間…さらに10日…と空焚きしましたが、全然ダメです。

[ストーブを交換]
 困ってしまい…ちょっと変わった方法を試してみることにしました。隣家に住んでいる人は、全く同じ型のストーブを使っています。そして、そのストーブは、すでにワンシーズン焚いて、2年目に入ろうとしています。そのストーブなら塗料のにおいが抜けているはずです。隣の人にお願いしてストーブを交換してもらいました。隣の人はこの奇妙な提案に一瞬戸惑ったようですが、ストーブが新品になったので喜んでいました。しかし、私は1年経過したそのストーブの耐熱塗料のにおいにも耐えられなかったのです。

 これはとても深刻な事態になったと思いました。1年焚き続けてもにおいが消えないとなると、どう対策していいのかわかりません。私が使えるストーブはどこにもないのでしょうか。

[様々なストーブを試す]
 とりあえず、どんなストーブがあるのか、どれだけ臭うのかということをリサーチするために、知り合いの家を訪ねてストーブを見せてもらいました。いくつかみせてもらったのですが、どれも、あの耐熱塗料の嫌なにおいがしていました。ひょっとして2年以上たったものでも私は耐えられないかもしれない…と思いはじめました。



 私が苦手な塗料は、表面がマット調(艶消し)のもので、色は黒かレンガ色。北海道で売っているストーブはどれも燃焼部分にこの塗料を塗っていました。仙台で買ったポータブルのファンヒーターは透明でツヤのある塗料が塗ってあります。この塗料には耐えることができました。

 リサイクルショップに古いストーブがあるかもしれない・・・と思い、見に行ってみました。かなり古いストーブがあったので、買ってみました。家に帰って、車からストーブを降ろしていると、隣の家の人が声をかけてきました。
「そのストーブ、塗料を塗ったばかりじゃないかい」
そうです。リサイクルショップでは古いストーブでも清掃点検し、塗料を塗り直して店頭に並べて売っているのです。確かに本体は古いのですが、塗料だけは塗り直してありました。すぐさまそのストーブを返品しに行きました。

 そういう私の窮状を見かねて、ストーブを貸してくれるという人が現れました。とても古いストーブでした。借りて試してみてダメだったら返してもかまわないと言うことです。とてもありがたい申し出でした。ただで試せるので大助かりです。このストーブはとても古くて、塗料が完全に焼き切れているようでした。しかし、私はこのストーブにも耐えられなかったのです。古いストーブなので内部や煙突に煤が付着しており、そのにおいに耐えられませんでした。

[FF式ストーブ]
 それまで試したストーブは煙突で室外に排気するタイプのものでしたが、このタイプだと室内煙突の継ぎ目から排気が漏れます。それを避けるためにFF式のストーブ*1も試してみることにしました。我が家は壁にFF用の穴があいていなかったので、大家さんに頼み込んで、穴を開けさせてもらいました。そしてネットオークションでFF式のストーブを買いました。そのストーブは古いもので、塗料の部分もかなり古くなっていました。

 しかし、そのストーブにも私は耐えることができませんでした。はじめに10日くらい外出して空焚きしたのですが、嫌なにおいは取れませんでした。とにかく塗料の鼻につくにおいが部屋中に充満して、居ても立ってもいられなくなります。それを嗅ぐとのどが痛くなり、息苦しさと皮膚のかゆみが出ました。

[寒い冬]
 これだけ次々試してもダメなので、結局諦めて、仙台から持ってきた小さなファンヒーターで冬を越すことになりました。寒かったです! ファンヒーターは開放型のもので、排気が室内に出ます。そのにおいは私にとってつらいものでしたが、他に方法がありませんでした。2002年から2003年にかけての冬は寒い冬で、室温は一冬ずっと12℃くらいしかありませんでした。何とか冬を越したという感じです。春の訪れをあれほど喜んだことはありませんでした。

 私が使っているファンヒーターは日立製のものです。仙台にいたときに、家中で石油ファンヒーターを何台か使っていましたが、メーカーによって排気のにおいが違います。日立製のものがいちばんにおいが少ないと感じました。



 翌年、2003年の冬は、日立のもっと大型のファンヒーターを使ったので、部屋(LDK)の中はずいぶん暖かくなりました。これは新品だと臭うので、2002年の初冬に購入して一冬、夫の部屋で焚いていてもらったものです。開放型のファンヒーターは部屋の空気がすぐに悪くなるので、こまめに換気するように気をつけています。

*1 室外から吸気し、室外に排気するタイプのストーブ。部屋の空気が汚れないといわれている。

(2005.10.26)

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