目の症状
[目の検査]
2001年11月に北里研究所病院で目の検査を受けました。検査は3種類でした。
@眼球運動の様子をみるもの
Aコントラストを把握する能力をみるもの
B瞳孔の反射をみるもの
検査の結果、この3種類の検査とも、異常が出ていることがわかりました。
検査の際にパソコンの画面を見つめなければならないのですが、私は当時電磁波過敏症(ES)の症状が出ていて、パソコンの画面を見ると目が焼けるような痛みを感じていたので、検査自体がつらかったです。
1984年に発症したときから、視覚の異常が起きていることに気づいていましたが、それがどのようなメカニズムによって起きているのか考えたことはありませんでした。北里研究所病院の検査で、これまでの視覚の異常の仕組みがわかって「なるほど。そういうことだったのか…。」と納得しました。瞳孔の反射をみる検査では、「明るい所でも暗い所でも、瞳孔の大きさがほとんど変わらない。これは自律神経の異常から来ている。」というお話でした。医師がペンライトで私の瞳を照らしたのですが、瞳孔の大きさは照らしていないときと全く変わりませんでした。家に帰ってから夫の目でも同じことを試して見ましたが、明るい所では瞳は縮み、暗い所では瞳は開きます。それはとても早い動きで、人間の目は、このように瞬時に外界の光量に適応しているんだということがわかりました。それまでずっと、風景がやたらと暗く見えたり、光がとてもまぶしく見えたのは、瞳孔反射が起きていないせいだということがわかりました。
[瞳の大きさ]
瞳孔の機能は、現在(2004年)でも回復していません。いつ見ても同じ大きさです。2004年6〜7月に、毎日デジタルカメラで瞳を撮影してみました。昼と夜の2回撮るのですが、そのどちらも瞳の大きさは変わりません。暗い部屋でも明るい部屋でも、同じ大きさです。角膜(黒目):瞳孔の直径の比率が4:1くらいです。1ヶ月ほど撮影していましたが、何の変化もないので、飽きてきてやめにしました。ときどき化学物質に曝されて、すごく部屋が暗く感じることがありましたが、そのときは普段より少しだけ瞳が縮んでいることがありました。
[発症のときから起きていた目の症状]
目の異常は発症(1984年)のときから始まり、よくなったり悪くなったりの波はありましたが、現在まで続いています。発症後すぐに「世の中が暗い」「物に色がついていない感じがする(モノトーンに見える)」「風景が平板で影絵のように見える」という症状が現れてきました。水の中から世界を覗いているような隔絶感、現実感のなさも起きてきました。また、まばたきする度にキラキラした残像が残り、それがなかなか消えないので、はっきりと物を見ることができなくなりました。(健康な方でも、太陽を見つめたときに同じような経験をしたことがあるでしょう。) 物をじっと見つめていると、だんだん視界が暗くなってきます。そして、物の輪郭がチラチラときらめいて、浮かび上がってくるように見えました。このような視覚の異常が、目の機能障害から起きているということは、発症当時中学生だった私には思い及ばないことで、何か脳に異常が現れる精神病にかかったのかもしれないと思いました。
当時は、毎年花見に行っても、桜の色が黒かったという記憶があります。影絵のようでした。それが1984〜1993年頃まで続き、1994年頃からようやく色が感じられるようになったと思います。その頃ようやく、紅葉にも色がついていると思った覚えがあります。1999年に自分がCSだと気づいて対策していった結果、少しずつ目の機能が回復してきました。本当に花の美しさを感じられるようになったのは2004年10月くらいからです。自然の風景の美しさ・実体感を感じられるようになりました。美しい花や風景には本当に慰められます。それまでは散歩の楽しみというのが全然わかりませんでしたが、今は、長い時間歩いていても飽きることがありません。
[読書]
目の機能が悪かったとき(1984〜2003年)には、本を読むとき特に異常を感じました。2000年頃はめまいがひどかったので、視線が常にゆれていて、行を目で追おうとしても左右にぶれてしまい、まっすぐ追えませんでした。無理して読んでいるうちに、だんだん酔ってきてぐあい悪くなってきます。この症状は、特に夏に悪くなりました。たぶん、農薬の影響を受けていたのではないかと思います。何とか行を追えるときでも、文字が虹色にきらめき、文字の輪郭がキラキラ光って浮き上がる、といった症状が起きていて、とても読みにくかったです。また、視線が滑らかに移動せず、コマ送りのようにガタガタ動いていました。本をビニール袋に入れて読むと、このような視覚の異常が明らかに軽くなりました。本から発散している化学物質が、この異常の原因だったのだと思います。現在は、眼球運動の異常・チラチラしたりきらめいたりする症状・めまいの症状が改善したので、格段に本を読みやすくなりました。それでも、有害度の高い本は、今でもビニールに入れて読んでいます。
(2005.1.15)