if100
001:人造人間
002:家元
003:王
004:ピアニスト
005:探検家
006:死神
007:家庭教師
008:ホスト
009:将校
010:芸大生
011:奴隷
012:ナース
013:闘牛士
014:バーテンダー
015:魔女
016:狩人
017:秋葉系
018:パイロット
019:海賊
020:陰陽師
021:吸血鬼
022:仙人
023:ダンサー
024:使徒
025:伯爵
026:ギャルソン
027:獣
028:堕天使
029:マフィア
030:忍者
031:幼稚園児
032:艦長
033:モデル
034:武士
035:調教師
036:マスター
037:遊牧民
038:妖
039:バイオリニスト
040:奥さん
041:街娼
042:シェフ
043:騎士
044:セレブ
045:旅芸人
046:執事
047:ミュージシャン
048:傭兵
049:メイド
050:羊飼い
051:文豪
052:スポーツ選手
053:原住民
054:スパイ
055:皇帝
056:コンパニオン
057:探偵
058:エルフ
059:公達
060:ストーカー
061:救世主
062:学者
063:カリスマ
064:泥棒
065:魔法使い
066:異星人
067:花魁
068:サラリーマン
069:漫画家
070:小姓
071:漁師
072:超能力者
073:カウボーイ
074:軍師
075:ヤクザ
076:姫
077:武道家
078:先生
079:ランプの精
080:神
081:演歌歌手
082:陶芸家
083:インド人
084:族
085:プロフェッショナル
086:巫女
087:警察官
088:小人
089:医師
090:ヒットマン
091:僧
092:チア・ガール
093:地球防衛軍
094:店員
095:占い師
096:ドライバー
097:王子
098:生徒会長
099:オカマ
100:幽霊
お題配布サイト :  ヒソカ   

031:幼稚園児

「幼稚園って言われても、そういうのに行ったことがないからよくわからんな? それに二十歳の俺たちには、もしも幼稚園児だったらという仮定も受け入れがたい。」
「まったくだ、こういう設定は困る。」
「といって、いきなり拒否も大人げないので一応考えてみることにする。 ええと、俺の知るところでは幼稚園にはお遊戯会というのがあるそうだ。」
「お遊戯会とは?」
「ダンスとか歌とか芝居とか楽器の演奏なんかを練習しておいて、親を呼んで見てもらって写真や動画を撮って盛大に拍手してもらうんだよ。」
「それはますます無理だ、私たちに親はいない。」
「だから、親代わりのサガに来てもらう。」
「サガに?」
「だって、ほかに誰もいないだろ。 アテナでは畏れ多いし、だいいち俺たちより年下だ。 アフロにもずいぶん世話になったが、あまりに年が近すぎて親代わりとはいえん。 それにきれい過ぎてほかの母親の嫉妬を買って人間関係が円滑に進まない恐れがある。」
「サガが親………まあ、私はかまわないが。」
「で、お遊戯会でダンスなんかをやるときは衣装を親が作ったりするそうだ。」
「衣装?」
「例えば、雀の役だったら、黄色いくちばしとか茶色い翼とかを紙や布で作るんだよ。 女の子だったらドレスみたいなのも着るらしいが、俺たちは男だからその心配はない。 でも待てよ? お前くらいに可愛い幼稚園児だったら、そこらの女の子を押しのけて乙姫様の役とかに抜擢されそうな気がするな。」
「断る!」
「まあ、いいけどさ、浦島役でも。 その場合は過去・現在・未来を通じてもっとも美形の浦島だ。 ほんとのところは俺が浦島でお前が乙姫をやって純愛ファンタジーっていうのが理想だが。 ともかくその衣装は親が作るんだよ。 裁縫の苦手な親にはこれが苦の種だと、いつか老師にお聞きしたことがある。」
「老師も世情にお詳しいのだな。」
「老師よりもこの場合の問題はサガだ。 果たして衣装を作れるのか?」
「………さぁ? 」
「苦手だからといってアフロに下請けに出したりしたら、親の名前が泣くぜ! 俺たちが幼稚園児になれるかどうかは、サガが裁縫をできるかどうかにかかってる。」
「ちょっと待て! サガが私たちの親ということは、私とお前は双子なのか?」
「え? ええと………うん、それも悪くないぜ! サガも双子で俺たちも双子って洒落てないか?」
「洒落てるかな?」
「洒落てるよ! で、俺たち二人とも開園以来のとびっきり可愛い双子だっていうんで幼稚園中の人気をさらう! バレンタインには二人でチョコレートの山を築かせてもらうことを今から宣言しておこう。 ついでに言えば、サガには教師と母親達から同じく山のようなチョコが届く。」
「そういうものか?」
「そうに決まってるよ。 でも、お前は俺からの愛のチョコレートしか食べちゃだめだからな、今から約束してもらおうか♪」
「……え? 今から約束? え?」
「いいから、いいから♪」
「??」


032:艦長
                 ※ 漫画 「JANE」 と、「スタートレック」 のキャラの話が出てきます。
                    わからない方には申し訳ありません。
                    「JANE」 作品紹介は ⇒ こちら
                    「スタートレック」 作品紹介は ⇒ こちら

「どっちにする?」
「え? なにが?」
「配役だよ、二人ともが航宙艦JANEの艦長じゃまずいから、どちらかがキャプテン・ランになるしかあるまい?」
「性格的に言って私が副長のラシードだろう。 ランは時々はふざけたり冗談を言ったりすることもあるが、ラシードは常に謹厳実直な態度を崩さず、私に極めて近いと思われる。」
「どっちも美形だからその点は問題ないな。じゃ、俺が艦長で、お前が副長ね♪」
「うむ、それでよい。」

「俺の解するところでは艦長とは全乗組員の生命に責任を持たねばならぬ極めて重い立場だ。」
「その通りだ。」
「ゆえにしばしば副長と意見を交換し、あるときには互いの相違点について議論を戦わし、車の両輪となって常に最善最良の方針を定めねばならない。」
「うむ。」
「しかし、どんな場合にも最終決定権は艦長にあることを忘れてはならない。 作戦会議では艦長の考えが全てに優先する。」
「お前ならやれるに違いない。」
「艦長が主、副長が従。 艦長が表、副長が裏。 航宙艦は軍に所属し、厳しい軍律のもとにある。 艦長命令には副長以下全ての乗員が従わねば艦内の規律は保てない。」
「うむ。」
「ゆえに、」
「え?」
「俺が攻めで、お前が受けね♪」
「えっっ?! ミロ、なにを……!」
「あれっ? 逆がいいの? お前が艦長になりたかった? お前が攻めでもたまにはいいけど♪」
「そうではなくて! ええい、よせというのに!ええと………あの、ほかの話の艦長はいないのか?」
「ほかの?………それなら、スタートレックはどうだろう? アメリカの有名な航宙艦だ、放映から40年たってもその人気は不動だぜ。 キャプテン・カーク、彼は非常に有名だ!」
「カーク? ああ、なるほど、たしかに有名だし有能だ。では、ミロ、お前がカークになるとよい。」
「ふふふ………カークでもいいけどさ………やっぱり俺が艦長だから役割は変わらないんだぜ それでもいいんだな?」
「かまわぬ。 ではお前がキャプテン・カーク、私が副長のスポックということで。」
「……え?」
「スタートレックの副長はバルカン人のスポックだ。 なにか異存でも?」
「ええと、あの………スポックってあの耳の尖った論理だけを優先するあの…?………ランとラシードじゃだめ?」
「だめだ。」
「あああああ〜〜〜っ!!」




033:モデル

「モデルというと?」
「ええと、 ヌード やっぱりファッションモデルだろう。」
「今、なにか言い直さなかったか?」
「いや、気のせいじゃないのか。 俺たちほど身長があればさぞかし舞台映えするに違いない。」
「そういうものか?」
「ああ、確実だ! でも、お前の場合は舞台はまずいな、最前列に私設親衛隊とかが詰め掛けて熱い視線を注ぐのが目に見えてる。 そういうのはいやだね。」
「親衛隊?」
「親しく護衛するって意味だ。 お前の護衛は俺が一手に引き受けてるから他には必要ないんだよ。」
「護衛って、なにから私を守るのだ?」
「ええと、ストーカーとかマスコミとかパパラッチとか…」
「パパラッチ?」
「有名人のスクープ写真を撮るためにどこへでもつきまとってきてプライベートな写真を撮ろうとするんだよ。 極めて迷惑だ。」
「プライベートって………?」
「ごく普通には、買い物してることとか、公園を散歩してるとことか。 でも、そんなのは誰にだって撮れるから、パパラッチはもっと私的なセンセーショナルな瞬間を狙う。」
「たとえば?」
「う〜ん、例えば酔っ払ってるとことか、キスシーンとか…」
「えっ!」
「例えばだよ、例えば! 俺たちは他人の目があるところでキスなんかしないから問題ないだろうが。」
「あ、当たり前だっ! 誰がそんなことをっ!」
「しないから安心しろよ。 そもそも屋外でキスしたことが何回あると思う? ええと、俺の覚えている限りでは、1、2、3………ふうん、10回以上はありそうだな、けっこうあるんだな。」
「そ、そんなことを数えなくても………」
「いちばん思い出深いのってどれかな? やっぱりはじめてのキスか? 思いが通じたときのあの夜のキスも捨てがたいな。 いや、シベリアのも心が震えたね、『 金糸雀 』 のやつだ! 感動と寒さで打ち震えたよ。 インドのも濃厚でよかったし、登別の雪の林の中でお前からもらったやつとか。 ああ、そうだ、地獄草子のも野外といえるだろう。 シャカに見られたのがちょっとあれだが、効果は抜群だった! トラキアでのキスも忘れられん。 お前はどれがいいと思う? あれっ? カミュっ、カミュ〜〜〜〜っっ!!」




034:武士

「武士に関しては諺が多いな。 花は桜木 人は武士ってのは? 」
「桜の花が咲いてから数日で潔く散るように、四民の手本たるべき武士も死に際に望んではおのれの生に固執することなく潔く死すものだ、ということだ。」
「うんうん、聖闘士の生き様に通じるものがあるな。 なんとなく嘆きの壁を思わせるぜ。」
「嘆きというよりは、ある意味 希望の壁といえたかも知れぬ。」
「それじゃぁ、武士の情けは?」
「敗者を慈しみ、けっしていたぶるようなことはせぬ。 取らなくてもよい命なら目をつぶって逃れさせることもあったろう。 立場の弱いものに対する高潔・寛大な扱いのことだ。」
「すると、ラダの野郎は………っ!!」  ← 一気に臨界点に達する小宇宙
「え?」
「あ………いや、なんでもない。 ええと………武士は食わねど高楊枝は?」
「人の手本たる武士は、たとえ食に事欠くほど困窮していてもいかにも食事を済ませたかのように楊枝を使って見せて体面を保つものだということだ。 人におのれの恥をみせぬことに繋がる。」
「ああ、わかるな! 俺だってお前を抱けない日が続いて欲求不満、イライラが最高点に達しても、人には余裕綽々、いかにも満ち足りた生活を送っているように振る舞っているからな。」
「な、なぜ、そんなすごい例えをっ!」
「なぜって………最初に連想したのがそうだったんだからしかたないだろう。 で、武士に二言はない、は?」
「ええと……武士たる者は自分の言葉に責任を持たねばならぬ。 一度口にしたことをすぐにひるがえすようであってはならぬということだ。 この志は聖闘士にも通用するだろう。」
「たしかに俺たち聖闘士が一度言ったことをすぐに取り消しては、さまにならないからな。」
「うむ、言葉の持つ重みをつねに考えて発言することが肝要だ。」
「よしっ、俺は今からお前を抱く!」
「い、いきなりなにをっっ?!」
「なにって、さっきからそうしたいと思ってたし、一度口にした言葉は千金の重みを持つんだろ♪ 俺を立派な武士にしたかったら、ほら、素直になって♪」
「そんな勝手な!」
「据え膳喰わぬは武士の恥って言うし♪」
「それは武士の恥ではなくて男の恥で…」
「細かいことは気にするな。 武士の情けだ、お前の体面を考えてここから先は描写を控えさせてもらう。」
「ミ……ロ…」
「いいから、いいから♪」


035:調教師

「調教師………っ!」
「馬 ・ 犬 ・ 猛獣などを訓練し、人間の指示に従うようにする職業だ。 」
「指示に従う…♪」
「馬であれば人を乗せても驚かぬようにするのが基本だろう。」
「人を乗せるっっ!!」
「犬は飼い主の指示に絶対服従し、歩くときは常に飼い主の横を歩く。」
「飼い主っ!!」
「散歩のときは首輪をはめ、鎖で行動を抑制できるようにしなければならない。」
「首輪に鎖!!」
「猛獣、例えばサーカスのライオンなどは調教を誤ると噛み殺されかねないので、鞭を効果的に使って恐れさせ、人間の威厳を思い知らせねばならない。 やさしいだけではだめだ。」
「………鞭を効果的にっ! う、う〜〜ん………」
「あっ、ミロ! 大丈夫か?!」
「カミュ………俺、調教師になるのが夢だったけど、お前になら調教されるのもいいような気がしてきた………」
「は?」




i f    〜 もし○○だったら 〜  その4   

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