【フォト・レポ=2】
“東京のセンセイ”フル回転

宇井純というビッグネーム、清野聡子という気鋭の研究者の来島とあって、地元の環境NGOは環境会議以外の時間帯をいかに“有効活用”するか知恵を絞り、手を変え品を変え講演会、研修会、交流会などを企画。その上、お二人とも“現場至上主義”なので、とにかく時間さえ空けば「現場が見たい」(清野さん)とあって、文字通り分刻みの天草滞在となった。最後にアゴを出した宇井純さん、「これで寿命がまた縮んだ」と苦笑い………。でも、それだけ苦労した成果は得られたのでは?



【7月1日】
▼16:00 〈清野さん〉
 御所浦町役場幹部ヒアリング
御所浦には思い入れがある清野さん(左端)の質問には熱がこもった 御所浦は“恐竜の島”として売出している

▼18:00 〈お二人〉 住民有志と交流会
水俣病という共通のキーワードがあるだけに話しは盛り上がった 両講師を囲んで話がはずんだ

【7月2日】
▼10:00 〈お二人〉 セミナー「沿岸漁業の再生にむけて−御所浦の海と暮らしを考える」に講師として揃って出席
町会議員の森さん(右側立つ人)の司会で進められた 講演する宇井さん
講演する清野さん 水俣から市議の藤本寿子さんもかけつけた

▼ 14:00 〈宇井さん〉 東京から来たテレビ局のディレクターとともに地元漁業者とフグ養殖の実情で懇談
ヒアリングでは厳しい現実を認識したという 宮崎から参加したカメラマンの芥川仁さん(右)と一緒に

▼16:00 〈清野さん〉 御所浦から龍ヶ岳町へ移動し、町議(当時)の北垣さんたちからヒアリング
暑い中、北垣さん(右から2人目)宅でヒアリング ヒアリング後、吉崎さん(中)、北垣さん(右)と記念撮影

▼ 19:00 〈宇井さん〉
 河浦町へ移動し、「羊角湾の環境を考える 宇井純先生来島記念講演会〜よみがえれ羊角湾! 日本一の内海に〜」という超長いタイトルの講演会で講演
ハードスケジュールでお疲れだったはずだが宇井さんの話には気迫に溢れていた
=玉木 譲さん撮影・提供

【7月3日】
▼ 10:00 〈清野さん〉 船を出してもらい、羊角湾を視察。途中で真珠工場も見る。
木浦秀豊さん(左から2人目)のガイドに注意深く耳を傾ける清野さん(左)と吉崎さん(右) 清野さんは職業柄、写真も良く撮る
松本さん(右から2人目)の古巣の真珠工場を見学 昔取ったキネズカ?の松本さんと貝の中を見る

▼10:00 〈宇井さん〉 別ルートで羊角湾付近を視察。
合流していまや干拓事業の残骸となった排水樋門(右後方)をバックに記念撮影 いまや天草の環境NGOにとって強力な援軍になったお二人

【7月4日】
▼ 13:30 〈お二人〉 腹ごしらえもそこそこに地元の人たちに促され周辺の“問題地”に案内される。
苓北火力発電所の石炭灰の貯蔵場は早晩満杯になるとか………。 そこで会社は山間に新しい石炭灰貯蔵場の建設を計画(ガードレールの下の谷の部分が予定地)
宇井さん(右)たちに説明する地元町議の塚田 達さん 説明を聞き、清野さん(右から2人目)も「なぜ、こんな所に?」と唖然

▼14:35 〈清野さん〉 所要のため天草航空で帰京。

▼15:00 〈宇井さん〉 本渡市へ移動し、別に企画された「回分式汚泥プラント研修会」に講師として出席。沖縄時代に工夫を重ねた回分式プラントの効用を説いた。
司会の松本基督さん(左)の表情と対照的な表情の宇井講師……… 20人余りの小規模な集まりであったが、中身の濃い研修会だった
熱心な参加者がぜひ自分の試みを見てほしいと自宅へ案内される

【7月5日】
▼10:00 〈宇井さん〉 各環境NGOグループの要望で安田公寛・本渡市長と懇談。
安田市長(中央)は「合併などが重なり複雑な状況にあるが、宇井先生には大所高所からご指導を受けたい」と要請。宇井さんは「出来る事はするが、地元の人たちの動きが一番大事だ」と市長よりNGO代表に示唆 市長から「浄水場を見てアドバイスをしてほしい」と言われ、予定になかった浄水場見学が加わった


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