製作上の注意

@製作環境

 衛生的な環境を整えることが必要なのは他の食品と同様いうまでもありません。

 チーズの原産地域であるヨーロッパと日本では気候の上で大きな違いがあります。日本はヨーロッパ諸国に比べると高温多湿なことになります。空気中の落下細菌はかなり多いため、通風によって細菌は簡単に運ばれてしまいます。 したがって、細菌による汚染は非常に起こりやすいため充分な配慮を必要とします。(密閉できる部屋があれば良いのですが、まず家庭では難しいのではないでしょうか。)

A殺菌

 家庭で製作するにしても、不必要な細菌の汚染を避けるために使用する器具は全て充分に殺菌する必要があります。

 簡単な方法としてお勧めでき、残留の危険が少ないのは次亜塩素酸ナトリウムを利用する方法です。器具を50〜300ppm(参考までに100ppmに調整するには水20リットルに12%溶液を15mlを加える)に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液に5分以上漬け込みます。このとき注意しなければならないのは器具は充分に洗浄しておくことです。器具に洗い残しがあると殺菌効果は期待できません。その後、使用前に60〜80℃のお湯で充分にすすいで使用します。

 熱湯による殺菌も有効です。この場合も器具は充分に洗浄しておかなくてはなりません。アルコールによる殺菌も可能ですが効果は若干下がります。70%に調整して使います。

B器具

 製作に使用する器具は費用の面で負担になっても、できる限り専用のものを用意するのが望ましいのです。更にできれば道具全てを継ぎ目の少ない洗浄しやすい金属製(アルミは腐食されやすいので避ける)かプラスチック製にするのがよいでしょう。

 竹や木で出来た道具は素材そのものが多孔質であるため、細菌に汚染されやすく洗浄も効果的に行なわれにくいので、避けたほうが無難でしょう。

C副材料

 スターター・レンネットは添加量が微量であってもチーズに与える影響は大きいので、保存には注意が必要です。スターターやレンネットの働く温度は他の細菌も増殖しやすい温度なのです。

 液状スターターは冷蔵庫に保存し、出来る限りはやいうちに使い切り、必要以上の震動を与えないようにしましょう。

 外国の本には製氷皿を利用した凍結保存も勧められています。保存が長期にわたる場合や定期的な製作がない場合には有効な手段になるでしょう。冷凍の場合は出来るだけ急速に冷凍して下さい。製氷皿を利用すると後に製造に必要な分だけを取り出しやすくなります。

 レンネットは光や高湿・高温を嫌います。冷蔵庫での保存をお勧めします。

D記録

 工程にしたがって最低限の記録をとることをお勧めします。最低限とは各工程の開始時間と終了時間・各工程の原料乳温度などです。熟成中に変化がある場合も記録しておくと良いでしょう。積み上げられたデータは、今後の製作の参考になることは疑う余地はありません。

 


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