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食品

 

 CSの人は体に合わない食品があるので、それを避けなければなりません。食品選びには工夫が必要です。私の食品の選び方を以下に紹介します。

[野菜]
 野菜は、基本的には無農薬有機野菜のものを買っています。無農薬有機栽培の野菜でも、刺激が強くて食べられないものがあります。これは、次のような理由が考えられます。

●有機栽培の畑の近くに普通の農地があって、そこで使用された農薬が飛散している。
●輸送中に有害物質が付着した。
●農薬以外のものに反応している(有機栽培に使用する肥料など)


実際にどの理由によることなのかは、よくわからないです。そのつど鼻で確かめて刺激がないか確認しています。外食のときに野菜を食べても大丈夫なことがあるので、スーパーで売っている野菜でも食べられるものがあるのではないか、と思うこともあります。しかし、有機野菜はスーパーの野菜よりずっとおいしいので、もっぱら有機野菜を食べています。「グルメだなー」と思います。にんにく・しょうが・もやしは普通のスーパーのものを買って食べています。(国産のものを選んでいます。)

[卵]
 「正直村」の卵を食べています。今のところ問題なしです。私は卵アレルギーがあるので、他メーカーのものを試すのは勇気がいります。加熱した卵であれば、食べられます。生卵を食べるとアレルギー症状(皮膚に湿疹・呼吸困難)が出るので注意しています。卵はよく加熱するように、調理中よくよく気をつけています。

[肉]
 羊肉がおいしい! 北海道では、羊肉が安く手に入ります。たいていニュージーランド産のものです。羊肉は他の動物の肉に比べて薬品臭さが全然ないので、重宝しています。育てられ方が、とても自然な状態に近いようです。ラムしゃぶしゃぶ用の肉を豚バラ肉の感覚で使い回しています。麻婆豆腐を作るときなどもラム肉を使います。

 豚肉はSPFのものを時々食べています。SPFとは、豚が生まれたときから細菌感染しないよう注意して育てたもので、抗生物質を使わずに育てられた肉です。他の豚肉よりはよいようですが、それでも脂身が薬くさいので、いちいち取り除いて使っています。

 牛肉はオーストラリア産のものを時々食べます。国産のものもたまに食べます。選ぶ基準は、店頭でにおいを嗅いでみて刺激の少ないということです。牛肉はその時々で当たりはずれがあり、よくないものに当たると、調理中に有害成分が揮発して、台所中が刺激臭に包まれます。

 鶏肉は体に合うものが見つからないので、うちでは食べていません。外食でたまに口にするくらいです。外食でも体に合うものと合わないものがあります。

 自然食品で売っている肉は、安全性に配慮した方法で育てられているようですが、私は利用していません。2度ほど買ってみたことがあるのですが、食べられませんでした。冷凍した肉を売っていたのですが、商品の回転が悪いらしく、油がすっかり酸化していました。加熱すると強烈なにおいがしました。高い肉なので無理して食べようとしてみましたが、少し食べただけでぐあいが悪くなってしまいダメでした。その肉は賞味期限内のものでしたが、品質は劣化していました。どのような基準で賞味期限を決めているのか、店頭での品質管理は十分だったのか、よくわからないのですが、とても食べられたものではありませんでした。

[魚介類]
 魚介類を買うときは、店頭で鼻先に近づけてよくにおいを嗅ぐようにしてします。魚介類は肉に比べて有害なものが多いです。最近はスーパーでの表示が徹底されてきて、産地や天然・養殖の区別、冷凍・生の区別がわかるようになりました。できるだけ天然の生のものを買うようにしています。現在の冷凍技術は発達しているので、冷凍物を解凍して売っているものでも鮮度がいいようですが、私はなぜか冷凍物でダメなものがとても多いので、結果として生ものを買うことになっています。CS患者の中には、生はダメで冷凍物なら大丈夫という人もいるようなので、「人によって過敏性が違うんだなぁ」と驚きます。*1 魚介類は、肉よりも刺激の強い物が多く、売り場にあるものの半分は刺激があって買えない、という感じです。

[米]
 米はいくら探しても体に合うものを見つけられませんでした。有機栽培のものでも(理由はわかりませんが)、ダメなものが多かったです。いろいろ試した結果、生協の減農薬米に落ち着きました。それを3年ほど食べていましたが、2003年の夏に天候不順となり、その商品はなくなってしまいました。とても困りました。何種類も試してみたのですが、私が食べられる米はなかなか見つかりません。一時は、明日の米にも困る状態になりました。いつも有機野菜を買っているお米屋さんで、無農薬の米を何種類か試してみました。1種類よいものが見つかったので、それを食べていくことにしました。しかし、その米は買うときによって、有害度が全然違うのです。よいときもあれば悪いときもあります。一度、とても食べられないような有害度の高い米にあたったときがあったので、そのときを境に、そのお米を買うのはやめました。どうやら精米機が原因のようでした。その米屋では、1台の精米機で様々なお米を精米するので、精米器にその削りカスがついてしまっています。無農薬米の他にも、農薬を使った米も販売しており、どの米も一台の精米器で精米されています。私が買う直前に精米した米が有害だと、その成分が精米器に残っていて、私のお米についてしまうようなのです。精米する前は大丈夫でも精米機に通すとダメになってしまうのです。家庭用の精米機を買ってみることも検討しましたが、結局やめました。その精米機で1回でも有害なお米を精米してしまうと、その後、機械が使えなくなってしまう恐れがあるからです。

 困っていたら夫の実家から、お米を送ってくれました。近所の農家で自家用に栽培されたお米です。これは無農薬というわけではないのですが、なぜか刺激がなかったので、私は食べることができました。自家用なので、あまり農薬を使っていないそうです。市販品でいえば、減農薬に当たるものだと思います。そのお米をしばらく食べていました。その後、無農薬米で食べられるものが見つかったので、現在までそれを食べ続けています。

[その他の食品]
 基本的には、体感で大丈夫なものは何でも食べるようにしています。有害なものを食べると、次のような反応が起きます。
●鼻や目に刺激を感じる
●食べた後、胃が痛くなる
●食べた後、発疹が出たり息苦しくなる

このような反応が起きたら、その食品をよく覚えておいて、次回からは食べないように気をつけています。

[食品の購入方法]
 有機野菜や自然食品は、宅配サービスが発達していますが、私はこれを利用していません。宅配サービスを利用しようとして、何社かサンプルをとったのですが、送られてきた野菜の半分は刺激があって、食べられませんでした。宅配は、「実物をあらかじめ鼻で確かめてから買う」ということができないので、このようなことになってしまいます。それで、宅配は諦めて、店頭売りの有機野菜を買うようにしています。自然食品店でもスーパーでも、とにかく自分の鼻でよく嗅いで、確かめて購入します。たいていの食品はビニールの包装に入っているので、中身のにおいはよくわからないのですが、袋の上からでも刺激の強いものはわかることがあります。多分、工場で袋詰めするときに、内容物から発散する有害成分がビニール包装の外側にも付着するからだと思います。

[外食]
 私はときどき外食します。外食はとても楽しいです。でも、新しい食材に反応するリスクがあるので、慎重にしています。一度食べてみて大丈夫だったもの、ダメだったものをよく覚えていて、次回の参考にするようにしています。だからいつも、同じ店で同じメニューを頼むことが多いです。

 私は「自分で調理するとぐあいが悪くなるが、調理されたものなら食べられる」という食品があります。ちょっとわかりにくい現象でしょうか。調理中は、熱と共に食品の有害成分が立ち上り、揮発しています。そのとき、自分で調理していると、そのガスをもろに吸ってしまいます。台所中が刺激でいっぱいになります。しかし、調理された料理は有害物が揮発して抜けていて、案外刺激が少ないことがあるのです。下ゆでした食物は、かなり刺激が少なくなると感じています。外食の場合は、食卓から離れたところに厨房があって、強力な換気扇が設置されています。食卓に座っていて、調理中の煙を嗅ぐことはありません。少しだけにおいが漏れ出てくるだけです。調理された料理が出てくると、それは案外刺激が少ないものが多いです。そのため、外食は、ふだん自分では調理できない食材を食べるためのよい機会になっています。例えば、キノコ類です。生のキノコは胞子のためか薬品のためか、私は触ることも持ち歩くこともできません。我が家では何年もキノコを買っていません。しかし缶詰の水煮のキノコであれば大丈夫です。外食で調理されたキノコも大丈夫です。キノコはとてもおいしいです。外食のときに積極的に食べるようにしています。このように外食でしか食べられない食品があるので、栄養の偏りを防ぐために、ときどき外で食べるようにしています。

(食品の調理については、スモール・データ・バンク「調理」に書きます。)

*1 「ある日、化学物質過敏症」山内雅恵/著 三省堂/刊

(2005.9.1)

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「シロアリ駆除」へ続く
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