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第1章 有害物質を避ける方法<Part 1>

〔1〕 有害物質をかぎわける方法
a.記録する
b.傾向をつかむ
c.有害物質をかぎわける際の注意点

〔2〕 有害物質の影響を避ける方法
a.取り除く
b.近づかない
c.覆って有害物質の揮発をおさえる
d.浄化する
e.分離する

〔3〕 様々な有害物質をうまく管理する方法
a.量・距離・時間の法則
b.すべての物・場所をレベル別に分類する
c.有害物質を避けるための収納の工夫
d.有害物質の影響を減らすための衣服の着まわし
e.洗濯についての注意


第1章 <Part 2> へ

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第1章 有害物質を避ける方法

  化学物質過敏症の症状を抑えるために最も有効なのは、原因となる化学物質を避けることです。しかし、それは容易なことではありません。原因物質は目に見えない気体状のものが大部分です。また、反応する物質の種類が多いと、影響が重なり合ってしまうので、見分けるのが難しいのです。

 ここで1つの例について考えてみます。次のような場面を想像してみてください。

 化学物質過敏症患者のA子さんはある初夏の午後、突然何ともいえない具合の悪さに襲われました。原因は何だろう・・・と部屋を見回すと、古い食器棚が目にとまりました。「この食器棚にはベニヤ板が使われている。気温があがる季節になって、ベニヤに含まれるホルムアルデヒドが揮発し始めたんじゃないだろうか・・・?」

 A子さんは家中の窓を空けて、換気扇を回します。室内のホルムアルデヒドの濃度が下がるようにと。ところが、いくら換気しても、具合の悪さがなおりません。それどころか、ますます 具合悪くなってきてしまいました。・・・なぜだろう?

 本当の原因は食器棚ではなくて、二軒先の家で、庭木に殺虫剤を散布していたことでした。この家の庭は、A子さんの部屋からは死角になっていて、撒布の様子を目で確認することが出来ませんでした。もし、原因がはっきりわかっていたならば、A子さんは換気をするのではなく、窓を閉めて、殺虫剤の濃度が低くなるのを待ったはずです。

 化学物質過敏症患者の日常は、このようなことの連続です。・・・何か原因物質があって、具合悪さに襲われる。けれども、原因は目に見えないものなのでわからない。「これが原因なのではないか」「あれが原因なのではないか」と思い当たるものを取り除いてみるが、それが全くの見当違いだったりする・・・。

 原因物質をうまく見分けることができて、それを取り除くことができれば、苦痛を回避することができます。そのためには、感覚を研ぎ澄ますこと、様々な原因物質をかぎ分けられるようになることが大切です。私は化学物質過敏症だと気づいてから5年たちますが、初めの1年は全くの盲目状態でした。突然襲ってくる 具合悪さに、なすすべもありませんでした。何が原因なのか、さっぱりわかりませんでした。それが、1年を過ぎたあたりから、いろいろなものをかぎ分けたり判断する力がついてきて、少しずつ原因物質を避けられるようになってきました。5年たった今では、はじめの頃とくらべれば、その差は歴然としています。

 化学物質過敏症という病気の難しさに、人によって反応物質や反応のしかたが違うという点があります。ある人には激しい苦痛を起こさせるものが、別のある人にとっては平気だったりします。シックハウスや化学物質過敏症の本に書いてあることは総論なのです。個人差については、それぞれの人が自分だけの対策法を作り上げていかなければなりません。自分にとって危険な物質は何か、原因物質に触れるとどんな症状が起きるのか。それを日々観察し、記録し、データを蓄積していきます。自分だけのデータベースを作るのです。そのデータベースをいかせば、同じ原因物質に再び出会ったときに、あなたは前よりもずっとうまく対処できるようになっています。

化学物質過敏症患者の日常は、サーフィンに似ています。次々と様々な化学物質に遭遇します。その都度、対処していかなければなりません。毎日のように途切れることなく、大きな波、小さな波がやってきます。その波を、ある時は器用に、ある時は転覆しながら乗り越えていきます。波目をうまく読めるようになれば、前より上手に波をこえられるようになります。何事も、毎日の努力が積み重なると、上達していくものです。前向きに取り組むことこそ、回復の鍵だと思います。

 この章では、自分にとって苦手な化学物質の見つけ方、それをうまく避ける方法を具体的に詳しく説明していきます。


〔1〕有害物質をかぎわける方法

a.記録する
○ 症状が出るたびに記録をとる
  発症したばかりの方は、自分がいつ、どのような具合悪さに襲われるか予想できず、不安な日々を送っているのではないでしょうか。原因が目に見えるものであるうちは、まだ予想がつきます。タバコの煙、野焼き、農薬散布(現場)などです。しかし、症状が進んできて、多種類のものに反応するようになり、ごく微量でも症状を起こすようになると、だんだん予想が難しくなってきます。農薬に対する反応を例にとれば、農薬を散布している時だけではなく、散布後に残留しているもの、農薬を散布している場所に行ってきた人の服についている成分、食品に残留している農薬にも反応するようになってきます。こうなると、原因の特定は大変難しくなります。原因物質は一種類だけではなく、何百種類にも及びます。そんな中で自分を守る方法はあるのでしょうか。

 私が行った方法は、具合悪くなった時に、その時のデータを記録することでした。ある有害物質に出会って具合が悪くなった時は、とても、物を書けるような状態ではない時もありますので、いったん症状が収まるのを待ちます。そのあと覚えているうちに記録します。初期の頃使っていた記録用紙が以下のものです。
(表をクリックするとpdfファイルが開きます)

<表の説明>
 体調の欄は、その日の体調によって反応が違ってくると考えられるので、1〜5の5段階で記入します。症状については、当時の私の代表的な症状を列挙しました。人によって違うと思うので、自分に合わせて書き換えてお使い下さい。「速・遅」欄は、 曝露されたあと「急激に強い症状が出るもの」と、「じわじわと浸透していつの間にか具合悪くなっているもの」とがあるので、それを区別するための指標です。

 この表に記入しているうちに、しだいに有害物質がいくつかのグループに分類できるようになってきます。有害物質についてのイメージが出来上がってくるのです。個々の物質に対する感じ方によって、頭の中に分類図が出来上がってきます。すると、再び同じ物質に曝露されたときに、頭の中の分類図のどのへんに位置しているものなのか、わかるようになってきます。また、全く違う状況で同じ反応をする物質に出会ったときに、「ああ、あの時のあれか…」とわかるようになります。それがわかると、自分がどのように 具合悪くなっていくのか予想がつくので、家族や付き添いの人の助けをあおぎやすくなります。私はある物質に出会って具合悪くなり始めたときに、口がきけなくなる前に、夫に、「これは以前あの時に 具合悪くなったあれと同じ感じで、強さはあのときの2倍くらい。あと10分で気が遠くなって動けなくなるので、こうこうしてほしい。」と言えるようになりました。具合悪くなる時は、あっという間に体を動かせない、口がきけない、という状態になってしまうことがありますが、その間、夫はオロオロするばかりで、不安でしかたがなかったそうです。 具合悪くなった時の連絡ができるようになって、夫が適切な方法で助けてくれるようになったので、私は安心できるようになりました。

 この表を記録するようになってから、実際にいろいろな物質をかぎ分けられるようになるまで、1年くらいかかりました。その間に感覚がだんだん研ぎ澄まされていくような感じがありました。嗅覚は訓練すれば発達していくようです。(嗅覚だけではないのですが…。有害物質の中には、無臭のものも数多くあります。) 脳の中の匂いに関する領域が、確実に発達したという感じがしています。そして、自分の身を守る方法も、確実に発達していきました。

 マスクをして暮らしている方への注意ですが、私はマスクをしたことがないので、どんな感じかわかりません。いろいろ試してみたのですが、私が使えるマスクはありませんでした。(活性炭や布のにおいそのものがだめでした。) マスクをしない方がずっと楽でした。だから、どんな物質もじかに鼻でかいでいました。マスクを手放せない方もいらっしゃるでしょうから、その場合は、各自工夫してみていただきたいです。

○ 日記をつける
 私はこの表を現在使っていません。もう必要なくなったからです。脳のデータ処理の要領がよくなって、わざわざ記録しなくても覚えていられるようになりました。だんだん勘も発達していきます。現在も使っているのは、以下の記録用紙で、今年で4年目になります。 構成は、体調の変化を項目ごとに5段階の数値で記入する欄と、その日に起きたことを日記風に記述する欄になっています。
(表をクリックするとpdfファイルが開きます)

<日記記入例>   
症状 5段階表示

レベル5 耐えられない
レベル4 具合悪い
レベル3 調子悪い
レベル2 若干問題あるが、おおむねよし
レベル1 問題なし

2003年

  天気 頭痛 視覚 目の痛み 目の痒み 思考力 呼吸 筋肉痛 眠り・目覚め アレルギー 意欲・楽しさ       日記
4/21 雨/曇り (1)(下記参照)
4/22 晴れ (2)(下記参照)
4/23 曇り (3)(下記参照)
4/24 晴れ (4)(下記参照)

(1) 朝から頭がボーッとしていた。10時頃、ひどい頭痛はじまる。鎮痛剤を飲んだ。頭を下げると痛む。縫い物などはできるが、手紙を書くなどはできない。午後、雨の中出かけたが、思考力鈍く、動作もぎこちない。運転少し危険。お風呂のタイルの割れ目にカビが生えて、どうやっても掃除できない。喘息気味なのでコーキングすることにする。天気予報で、明日から3日くらい天気のよい日が続くようなので、明日行うことにする。ホームセンターでコーキング剤を買ってきた。防カビ剤が配合されていないもので、サンプルを嗅げるものがあったので、それにした。大丈夫かなあ・・・? 明日から、しばらく風呂に入れなさそうなので、今晩、入浴しておいた。

(2)晴れた。涼しい。午前中、お風呂コーキング。ちょっとやったら、すごいニオイで、その場にいられず。夫に任せて、私は浴室を出る。着替えて休んでいた。2時間程て、夫が浴室から出てきた。着替えてもらう。浴室は換気扇まわしっぱなしにする。頭が腫れるような痛み。胸の圧迫感。家の中におうので出かけた。図書館。借りてきた本は香料のニオイがして 具合悪くなる。夜、浴室に通じるドアをマスキングテープで目張りして寝た。

(3)涼しかった。睡眠中、苦しかったみたい。変な夢を見た。呼吸も苦しかった。風呂場のニオイのせいかと思う。午前中はそわそわしていた。午後からスーパーへ買物。大過なし。夕方はボンヤリして物が手につかず。夕食の準備にやたらと時間がかかった。ごはんはおいしい。タコを煮たら、そのニオイで 具合悪くなった。夜、ちょっとだけ浴室の戸を開けてみた。けっこうくさい。マスキングテープして寝た。

(4)ちょうどよい気温。曇り気味の晴れ。日差しが厳しくなくて目が楽である。ここんとこ胃の調子がよくない。夫と隣市の図書館に出かけてみたが、周辺で畑起こしが始まったようで、空気が粉っぽい。目が痛くなる。根雪が消えるとすぐ空気が悪くなる。夜、お風呂におうけど、何とか入れた。コーキングの効果で、かび臭さは消えていた。

 これは、毎日の症状を5段階表示し、その日に出会った化学物質について、日記風に記します。ある化学物質がどのようなもので、どの期間続いたか、どのような対策をして、どんな効果があったのかを記録していきます。

 日記をつけていると、とても便利です。例えば、「明日、区役所に行く用事がある」という場合。前回、区役所に行ったのは3ヶ月前でした。「あの時、何か具合悪くなったんだけど、何だったかなあ?」そう思ったときは、3ヶ月前の日記を見ます。すると、次のように書かれてあったりします。
「区役所の2階のトイレは芳香剤が強く、具合が悪くなった。エレベーター前に喫煙所、煙がひどい。帰りは階段を使った。」
 これをもとに、明日の計画を立てます。
「トイレに行きたくなったら、区役所のではなく、向かいのコンビニのトイレを借りてみよう。」
「行きも帰りもエレベーターは使わず、階段にしよう」  

 翌日、区役所に行ったら、計画通り行動してみます。そしてその結果をまた、日記に記すのです。
「エレベーターを使わないのは正解だった」
「コンビニのトイレは消毒のにおいがすごい。具合悪くなった。次回は地下鉄駅のトイレを使ってみようと思う。」
 こうして記録しておくと、次に同じ場所に行くときにとても役立ちます。こうやって日記をつけ続けると、体験の記録が蓄積して、自分にとって苦手なものがよくわかり、行動の計画を立てるのに役立ちます。

 また、日記をつけていて便利なのは、長期的に症状と原因物質の関係を追えることです。例えば、頭痛がひどくなるのはどんな時なのか、過去何年にもわたって調べることができます。それによって、ストーブをたくと、特に頭痛がひどくなるとか、生理周期と関係がある、などとわかってきます。また、季節性のものを分析するにも役立ちます。私は特に農薬に過敏なので、大気中の農薬量がどのように変化していくのかは、最も重要な関心事です。2年くらい日記をつけていると、近所の人が庭木の消毒をするのはいつなのか、近くの川原で殺虫剤を散布するのはいつなのかわかってくるので、対策を立てやすくなります。特に、行政で公園に薬を散布する時期は、一定の法則性があるように感じています。

 この日記は、2002年頃の約1年間、記録のない時期があります。使える紙がなかったためです。この時期の記録があったらどんなに便利か、と思うことが今でもあります。使える紙が見つかったときの喜びは言い表せません。紙が使える方は、ぜひ記録をとってほしいです。

 また、2000年頃はめまいがひどくて、まっすく字を書くことができなかったので、カセットテープに記録をとっていたのですが、頭出しができないので不便です。紙に書くのが一番です。MDやICレコーダーを使うという手もあります。(私は現在電磁波過敏症もあるので、あまり電気製品は使わないようにしています。)


b.傾向をつかむ

○ ランキング表を作る
 2つの記録用紙を何ヶ月か記入していけば、自分にとって「苦手なもの」「わりと平気なもの」の傾向が見えてくると思います。それをもとに表を作ってみると、自分の状態がよくわかりますし、人にも説明しやすくなります。私は次のような表を作っています。

ランキング表

データは2001年6月時点でのもの

 

 

レベル 程度 場所

耐えられない

物質A(地下鉄/激しい目の痛み・頭痛)
物質B(田畑・高速道路・用水路など/激しい目の痛み・頭痛)
物質C(山林・田畑/頭痛・めまい・だるさ・手足のしびれ・呼吸困難/農薬か?)
殺虫剤?(松林/7月)
ござ・イグサ製品売り場
除草剤散布場所

新品のゴザ・イグサ製品
新しい畳・蚊取線香(燃焼中)
線香・枕木・防腐剤を塗った木材(ウッドデッキなど)

具合悪い

新築建物・クリーニング店・歯科医院・電器店・バスターミナル・芳香剤の強いトイレ・天然木 無垢材を使った健康住宅・ホームセンター・スーパーの肉・魚売場・新幹線車内

香水・防虫剤・石油ストーブ・ドライクリーニング衣類・合成ゴム・灯油・合成皮革・天然革製品 ・新しいカラー印刷物・抗菌グッズの一部・合板・新聞(夏期)・洋服の染料の一部・水道水(夏期)

調子が悪い

ディーゼル車アイドリングしている場所・幹線道路沿い(徒歩)

ガス・マジックインキ・化学繊維(アクリル・ポリエステル)

若干問題あるがおおむねよし

排気ガス(ガソリン車)のある場所

合成洗剤で洗った布製品・木工用ボンド・万年筆のインク・新しい白黒印刷物・古いカラー印刷物 ・新聞(冬期)・水道水(冬期)・プラスチック製品(ポリエチレン・ポリプロピレン・塩化ビニールなど)・綿の布製品(染料のうすいもの)・レーヨン・キュプラ

問題なし    

 原因物質がわかるものについては、その物質名を記入し、わからないものについては、「物質A」などと記入し、曝露状況・症状を書いておきます。私の場合、農薬に極端に過敏で、他より突出しています。公園や農地に近づくことができません。

 この表は、2001年6月時点のものです。その後、私はどんどん重症化し、原因物質も細分化していったの で、現在、同じような表を作ろうとすると、ものすごく煩雑になってしまうので、作っていません。表を作らなくても、頭の中には、だいたいまとまった形で入っています。具体的にいうと、今はもう物質名で区別できなくなっています。同じ物質名であっても、Aメーカーのものは大丈夫だが、Bメーカーのものは激しい症状が出る、といった 具合に。例えば、2001年時点でランク2の「万年筆のインク」については、現在ではメーカーによってランク 2〜5にバラバラに分かれてしまいます。2001年までは、この表は有効でした。現在より症状が軽かったためです。けれども重症度で「生活用品の使用状況」がA〜Cの人には、この表は有効だと思います。


c.有害物質をかぎわける際の注意点

○ 原因物質がわからないときはどうするか
  〔1〕−a で毎日記録をとることをおすすめしましたが、記録をとるにあたっての注意点をあげます。
 記録をとるとき、感覚、症状、状況については細かく記録することはできるのですが、原因物質がなんであるのか(物質名・成分名)わからないことがあります。この時は「?」とか「わからない」とか書いておきます。「状況から見て○○が原因ではないか?」と推測を書きこんでもいいでしょう。このとき「○○が原因に違いない」というように、強引に原因を特定すると、のちのち歪みが生じてきますので注意します。「?」がまじっているデータでも、数が集まってくると原因物質を推測しやすくなります。総合的に判断するのです。

 目の前で殺虫剤を散布しているなど、原因物質がはっきりわかっている時のデータは貴重です。その時どのように感じ、どういう症状が出たのかを記録し、よく覚えておきます。そうすると、その後、同じような症状が出たときに、原因を特定しやすくなります。

 原因物質がわからなくても対応することは可能です。例えば、日常的によく接する物質なのに、成分がよくわからないものに「物質A」などと名付けておきます。何度も接し、記録をとっているうちに、「物質A」に出会ったときにどのような症状が出るのかわかるようになってきます。家族にも「物質Aとは、こういうときによく遭遇する物質で、こういう症状が出るもの」と説明できます。また「物質A」に曝露されて 具合が悪くなったときに、家族に「物質Aだ」と言えば、わかってくれるようになります。

 具合悪くなった時、複数の原因が考えられる場合があります。例えば、宅配便が来て具合悪くなった場合。、原因物質はダンボール箱なのか、中に入っているものなのか。この場合は、二者をそれぞれかいでみて、かぎ分けることが可能です。反応が激しいときは、かいでいる場合ではないので、即隔離ですが…。(そのときの具体的方法は〔4〕−a〔4〕−dに書きます。)  具合悪くなってきて、原因が複数考えられる場合は、それぞれの物をかいでいきます。そして、そのときの具合悪さと同じ症状を起こさせるものがあれば、それが原因だと推定できます。

○ 原因によって症状が違ってくる
 序文のエピソードについて言えば、具合悪さの原因が合板を使った家具であるのか、外での殺虫剤であるのかは、家具と外気をかいでみることで判断できるようになります。合板のにおいは特徴があるので、覚えやすいです。その際、身体にどのような症状があらわれるのかを関連付けて覚えておきます。私の場合、合板をかぐと、皮膚や目にピリピリとした刺激を感じ(刺激物質の粒子は粗い感じ)、喉や気管がヒリヒリして(乾いた感じ)息苦しくなります。頭痛は軽め。局所的ではなく頭全体。頭の中に水がたまっていくような頭痛。思考力は少し落ちてボーッとしてくる。(呼吸器がやられて酸欠になるせいでしょうか。) そんな感じの症状です。曝露状況、量にもよりますが、症状の強さはレベル3(調子が悪い)です。私の場合は、特に農薬に過敏性が強いので、合板に対する反応を1とすると、農薬に対する反応はその100〜1000倍という感じです。そのくらい農薬に過敏です。日々の記録からそういったこともわかってきます。

 私の場合、農薬に対する反応は何種類かあって、農薬の種類によるのでしょうが、大別して2種類の反応にわかれます。1つ目は、目に激しい痛みを感じ、続いて強い頭痛が起こるというもの(ショック症状に近い:レベル5 耐えられない)。もう1つは、手足がしびれてだるくなり、船に乗っているような揺れるめまいが起き、頭に何か詰まっているような頭痛(それほど強くない)、鼻や喉の粘膜がドロドロしてきて(湿った感じ)呼吸困難になる、というものです(レベル4〜5  具合悪い〜耐えられない)。前者のほうが私にとって強い脅威となっています。症状・感じ方は人によって違うと思うので、各自自分の感覚を確認していってみてください。

○ 周辺環境に注意する
 もう1つ、かぎわける際の注意です。ある物質をかぐときには、できるだけ清浄な空間でかぐのが理想です。クリーンルームの中でかぐのが一番いいのでしょうが、そんな環境は生活空間の中には実現しにくいでしょう。それでも、できるだけクリーンな場所でかぐことが大切です。例えば、レベル4( 具合悪い)の空間でレベル3(調子が悪い)のものをかいだらどうなるでしょうか。レベル3のものは、ほとんどかぎわけられないのではないでしょうか。だからなるべく周辺環境の”雑音”を消すことが重要になってきます。(”雑音”は正確に表現するなら”雑臭”とでも書くべきでしょうが、ここではわかりやすいように”雑音”と表現しておきます。)

 1999年にCSだと気づいてから最初の1年は、何が何だかよくわからないうちにすぎていきましたが、その中でも少しずつ有害なものを身の回りから排除していった結果、”雑音”だらけだった空間から”雑音”が減っていき、有害物質の存在が以前より明確に浮かび上がってきました。自分の身の回りだけでも、そこそこ安全な空間を作ることが大切です。寝室だけは最優先にして、環境整備に努めてください。具体的な方法は後述します( 〔3〕−a,b,c 「様々な有害物質をうまく管理する方法」

 だんだん感覚が発達していくと、レベル3(調子が悪い)の空間でレベル4(具合悪い)のものをかぎわける、というようなこともできるようになってきます。例えば、スーパーやデパートで商品を選ぶ場合 。商品から発散される化学物質と、店内の空気とをかぎわけられるようになります。自分の体に安全な商品を選ぶことは重要なことですから、この能力が身につくととても便利です。

 最後に、シックハウスに住む方について考えてみます。シックハウスに住んでいる方は上記の方法(いろいろな物質をかぎわける、身の回りの空間を清浄にする)のいずれも難しいことになります。長時間いる場所がレベル4〜5になるわけですから… 。そのため、シックハウスに住んでいる方が対策するのは、難しいです。一番の方法は引っ越すことですが、新しい物件を探す難しさや、感情的な面、金銭的な面で困難かもしれません 。後程、私が引越した際の体験を書いていく予定ですので、それを参考にしていただければと思います。(→第5章〔3〕「資料活用の実践例(引越の経緯)」参照)  


〔2〕有害物質の影響を避ける方法

a.取り除く
○ 苦手なものは人によって違う
 身の回りにある有害物質を取り除くのが、CS対策の基本です。最初の頃は、恐れと不安が強くて、あれもこれも排除したくなってしまいますが、やりすぎると生活が成り立たなくなってしまうので注意が必要です。また、徹底的な排除は、家族との間に軋轢を生み出します。 〔1〕で紹介した方法を行えば、自分にとって危険なもの、安全なものの傾向がつかめるはずなので、それによって一つ一つ細かく検討していくことができるはずです。有害なものを排除するにあたっての心の持ちようで大切なのは、「なるべく使えるものを見つけるようにすること」です。本に書いてあることは総論なので、CS患者に一般に悪いとされているものが書かれています。けれども、CS患者には個人差があるので、本のとおりに排除すると、本当は排除する必要のないものまで取り除いてしまったりします。だから原則「悪い」とされているものの中でも、使えるかもしれないものを探していくのがコツです。

 私は合板の家具が苦手なので、部屋に一切置いてありませんが、プラスチック製品についてはかなり耐性があるので使っています。2001年に電磁波過敏症(ES)を発症してから、金属製品で使えないものが多くなってしまったので、プラスチック製品がなかったら、生活が成り立たなくなっていたと思います。プラスチックには感謝しています。プラスチックに含まれている可塑剤が問題視されているし、環境にもよくない、ということになっていますが…。使えるものがどんどん減っていってギリギリのところまでくると,使えるものは何でも使っていかないと,どうにもならなくなります。そのギリギリの状態を体験したことのない人には,なかなかわかってもらえないことかもしれませんが…。

○ 「取り除く」方法
 排除するにあたっては,よく検討します。取り除いたことで、本当に体が楽になるのか。いったん取り除いたものを元に戻したら症状は再発するのか。この作業には、根気と冷静な判断力が必要です。取り除いたり、戻したりを最低でも3回は繰り返したいものです。体調や室内空気・外気の状態によって、感じ方が違ってくることがあるからです。

 また、自分の感覚を信じてやると、一般にはあまり知られていない有害物質に気づくことがあります。私の場合、洋服の染料が特に苦手で、色の濃い衣類は処分しました。生成りに近いものが一番楽ですが、うすい色でも、黒・青系は苦手で、オレンジ・黄色系はけっこう楽です。このように自分なりの傾向がつかめてきます。
 
 有害なものをうまく取り除くことができて、症状が改善したときの喜びは格別です。

○ 私の体験から
 1999年に化学物質過敏症だと気づいてから、まず、身の回りのものを1つ1つ検討していきました。一番初めに処分したのは、ホットカーペットです。その1年前、アレルギー対策のために、毛の生えていないホットカーペットを購入していました。表面が塩化ビニール製で、暖めると強烈なにおいがします。買ってからずっと体調を崩していたので、即刻処分しました。その後、合板の家具をほとんど全部、寝室から隣室へ移しました。そして、化繊のカーテンを外し、代わりに綿の布をクリップで窓にとめました。作りつけの収納棚からは、強烈な接着剤臭がしていたので、扉を閉めて、マスキングテープで目張りして、空気を遮断しました。(マスキングテープは独特のにおいがありますが、私は使っても大丈夫です。苦手な人もいると思うので、使用の際は、慎重ににおいを嗅いで確かめることが必要です。)  

 次に、衣類の総点検を行いました。手持ちの衣類を1つ1つすべて嗅いでいって、有害なものと安全なものにより分けていきました。防虫剤のにおいが染みついたもの、クリーニングのにおいがするもの、化繊(特にポリエステルのベロア、フリース)、色の濃い衣類を処分しました。

 これらの対策は、目に見えて効果がありました。取り除くたびに、体が楽になっていくのが実感できました。その後も、こまめに身の回り品の分類を行っていったので、体調がよくなっていきました。


b.近づかない
○ 危険な場所を避ける
 〔1〕−aで記録をとる方法を紹介しましたが、記録をとり続けていると、自分の身の回りやよく行く場所の「空気の地図」が頭の中に出来上がってきます。あの場所は有害物質の濃度が高いとか、あの場所は比較的安全で大丈夫とか、わかってきます。日によって、季節によって違いはあるのですが、その違いも含めて、自分のテリトリーの状態を把握できるようになります。

 「有害な所に近づかない。」これが原則です。私は発症してから自分がCSだと気づくまでに14年かかっています。この間「化学物質が体に悪い」などという認識はなく、有害なものを無防備に浴びっぱなしでした。四六時中 具合悪かったし、時々寝込んだりもしていたのですが、その原因が何であるかわかりませんでした。CSだと気づいて、有害なもの、危険な場所を避けられるようになって、みるみる体が楽になっていきました。

 「化学物質過敏症」という病気が世に知られるようになってから発症された方は、発症当時の私とは違い、病気についての知識があるので、その知識を生かして有害物質を避けることができます。発症当時の私とはスタート地点が違います。私の場合は14年間、ありとあらゆる有害物質を吸い続けていました。しかし、それが逆に、私の強みにもなっています。CSだと気づいてから、私は有害だと思われる物質でも、積極的に嗅いで自分の反応を調べていきました。自分がどのようなものでどの程度の反応を起こすか、大体予想がついていたからです。最悪の場合、どの程度 具合悪くなるのかもだいたいわかっていました。「あらゆることが経験済み」だったのです。最近発症された方は、まだご自分の反応について予想できない部分も多いと思いますので、有害物質を嗅ぐときは慎重に行ってください。

○ 行動半径を広げる
 自分のテリトリーの「有害物質地図」が頭の中にできあがってくると、うまく危険物をかわすことで行動範囲を広げていくことが可能です。例えば、具合悪くて外出できないような方でも、よく知っているルートでよく知っている場所に行くのならば、日用品の買い物くらいはできるようになります。はじめのうちは、あらかじめ行動をシミュレーションして、どこに危険なものがありそうで、どのように避ければよいか、よく考えておきます。例えば、私は近所のスーパーの肉・魚売場の消毒の匂いですごく 具合悪くなっていたので、その売場にいるのは2分以内にし、何を買うかは家にいるときにあらかじめ決めてからいくようにしていました。私は2000年頃は有害物質に出会うと、あっという間に思考力が落ちて、自分がどう行動したらよいのかわからなくなってしまっていたので、あらかじめどういうルートで店内をまわるのか、どこで何を買うのかということを、こと細かにメモして出かけていました。

 毎日必ず同じルートで同じ場所に行くのであれば、1人で外出もできるようになります。初めて行く場所は危険なので、家族と一緒に行きます。私は結構回復した今でも、そのようにしています。一度行ったことのある場所なら、少し遠くても車で1人で行けるようになっています。

○ 空気が読めるようになる
 いろいろな場所に行って、その場所の空気を嗅いで特徴を記憶しているうちに、場所の空気の個性というものが見えてきます。チェーン店は別の場所にある店でも共通の匂いがすることが多いです。コンビニも、各コンビニに独特の匂いがあります。いろんな場所の特徴がわかってきます。

  ある場所に行って急に具合悪くなったしまった時の対処法は〔4〕−b〔4〕−dで書きます。


c.覆って有害物質の揮発を抑える
○ 本のにおいを閉じこめる
 もしビニールやアルミ箔が使えるのなら、有害物質をすっぽり覆ってしまって、成分の揮発を抑えることができます。

 私は本を読むのが好きなのですが、新品の本にはインク・紙のにおい、綴じてある糊のにおいがあります。図書館の本には、それまで読んだ人の体のにおい、部屋のにおいがついてしまっています。1999年頃は、図書館に行くと、読みたい本を探し、そのあとにおいを嗅いで「読める本」かどうか確認していました。読める本は、全体の2割くらいしかありませんでした。ここ3年くらいは特に「アロマ」な部屋で読んだらしい本が多くなってきて、香料のにおいがついた本が増えました。あとは、バルサンを焚いた部屋で読んだらしい本、タバコを吸いながら読んだ本など、これまでの経歴がにおいでわかります。

 1999年頃は、ダンボールにプラスチック板を貼った、本を読むための箱を作って読んでいました。(ダンボールに開けた穴から手をつっこんでページをめくります。) しかし、これだと密閉性が悪いので、有害物が外にもれ出てしまうし、何度も使ううちに、箱の中の空気がものすごく悪くなってしまいます。読み終わった本を箱から出すときが恐怖です。現在は、ビニール袋を1日干して、ビニール自体の匂いをとばし、その中に本を入れて輪ゴムで口を縛り、その縛り口から右手を突っ込んでページをめくって読んでいます。読み終わったあと、手をよく洗います。ビニール袋は、何冊か読んだら、とりかえます。これで、本を読めるようになって幸せです。

○ ビニールで覆う
 重症だった時期(2001年〜2002年)はビニール袋にも反応を起こしていました。今は大丈夫になったので活用しています(ビニール袋はメーカーによって使えるものと使えないものがあります)。物の機能を損なわない程度に覆えば、いろいろな場面で活用できます。

 電卓やリモコンは、ビニールですっぽり覆ってしまっても、キーを押せる(信号も発信できる)ので、問題なく使えます。以前、コードレス電話の子機をビニールで覆ったときには、熱がこもって壊れました。(コードレス電話から出る電波に反応するようになったので現在はコードレスは使っていません。) 夫はパソコンをアルミ箔で覆いました(電磁波過敏症対策のため)。半年後に煙が出て壊れました。この辺のところに、気をつけて下さい。

 アルミ箔も同じように利用できるのですが、破れやすくて操作性が悪いことと、ぴったり覆うのが難しいので、私はあまり使っていません。また、2001年に電磁波過敏症を発症してから、アルミ箔を使えなくなりました。

○ 高分子ペイン
 CS本に、「高分子ペイントで家具を塗装して、有害成分の揮発を押さえる」という方法が書いてあったのを読んだことがあります。はじめに疑問に思ったのは、「高分子ペイントとは何だろう?」ということです。 字づらから読み取ると、多分高分子ポリマー、合成樹脂系のペイントのことでしょうか? 2000年にベッドが壊れてしまったので、もともとうちにあったベットを使うことにしました。これは、天然木のものなのですが、木のにおいがして 具合が悪くなってしまいます。木のにおいの他に、木材の防虫・防腐処理剤のようなものも使われていたのかもしれません。これにアクリル系の塗料を塗ってみましたが、塗料自体のにおいが強かったのと、それほど木のにおいが覆えなかったので、ベッドを使うことはできませんでした。(その後、ベッドなしの期間が2年ほど続きます。)

○ ニス
  また、CS本に、天然塗料として載っている「シェラックニス」は、どうなのでしょうか? 私は使ったことはありませんが、使って効果があった方もいらっしゃったようです。天然材料なので、大丈夫なCS患者もいるようです。これで、木材の表面を塗装すると、中の木材の揮発物を押さえられるということです。

 「シェッラクニス」ではありませんが、私は、天然系のニスを買って使ってみたことがあります。これは、思いの他においがきつくて、私はだめでした。成分をみると、「ダンマル樹脂」「テレピン」などと書いてあって、このへんがいけなかったのかと思いました。これらのものは天然ですが、数世紀前から画材などに使われており、その毒性が言われてきた物質です。私の場合「天然」だから安全、「人工物」は危険と、きれいにわけられるものではないです。

○ シックハウス対策
  ビニールは小物を覆うのには使えるのですが、部屋全体を覆って、建材から揮発する化学物質をおさえるとなると、難しいです。私は実際に試してみたのですが、ビニールは少量ではそこそこ耐えられても、面積が大きくなるとかなりにおいます。暖房をたくと、さらにひどくなります。もともとの建材がものすごく有害な場合にはしないよりましかもしれません 。2000年に賃貸マンションを借りたときに、塩ビの壁紙をビニールで覆ってみましたが、ビニールのにおい自体に反応してしまい、結局そこには住めませんでした。

 現在住んでいる家でも、畳をビニールで覆っています。畳は20年くらい経過したものらしいなのですが、畳の裏に防虫シートが貼ってあり、全く耐えることができません。1枚1枚外に出して日に干して湿気を飛ばし(カビを防ぐため)、ビニールで完全に覆って敷き直しました 。(この作業中、私は畳のにおいでフラフラになりました。)畳自体のにおいは遮断できたのですが、和室の天井や壁に防虫シートのにおいがついてしまっているので、その部屋は居住空間としては使えず、物置として使っています。ふすまから隣の部屋ににおいがもれるので、ふすまをマスキングテープで目張りして空気を遮断しています。和室に入るときは、いったん庭に出て、窓から出入りしています 。


d.浄化する
○ 浄化する方法は大きく分けて2つ
 浄化する方法は何種類かありますが、大別して「希釈する方法」と「吸着する方法」の2種類になります。

1)希釈する方法 [1]水で洗う [2]干す・外気にさらす、など
2)吸着する方法 [3]浄水器 [4]炭 [5]空気清浄機、など

 浄化するための原則は、

A:浄化したいもの
B:浄化するための媒体

 としたとき、A>Bである必要があります。A<Bである場合、浄化の効果が現れないばかりか、余計に汚染度が上がってしまう危険性があります。ある浄化方法を試すときは、本当に効果が現れているのかを確認することが重要です。いつも同じ方法が通用するとは限りません。「外気にさらす」方法を例にとってみると、外気が清浄な時は効果があるのですが、外気が汚染されている時(交通量が多い、農薬を散布したなど)は、逆効果になります。外気の状態を常に確認することが大切です。吸着するタイプについては、吸着剤が飽和していないか注意することが必要です。飽和してくるとA<Bになります。そうすると、吸着した汚染物が溶け出てきて浄化したい物質を汚染することになります。

 皆さんの参考になるように私の個人的な体験を書きます。

○ 希釈する方法
[1],[2]について
 水で洗ったり、外気にさらして浄化するためには、前提として、外気・水がそれなりに清浄である必要があります。2001年に重症になってからは、外気の農薬に反応して、冬以外は窓を開けられなくなってしまい「干す・外気にさらす」という方法が、ほとんど機能しなくなってしまいました。また、水道水にも反応して、水が少量しか使えなくなってしまい、「水で洗う」という方法も機能しなくなりました。このときは、本当に困りましたが、他の地方への引越すことで、この窮地を脱することが出来ました。

 外気や水道水にそれほど強い反応をしないようになってからは、「日に干す方法」や「水で洗う方法」を利用しています。水道水は、ときどき変なものが混じって駄目になるので、よく気をつけています。

○ 外気にさらす
 私は合成皮革・天然皮革の製品のにおいがとても苦手なので、そういったものは使わない・近づかないようにしていますが、唯一困るのが靴です。合成皮革より天然皮革の方がまだましなので、天然皮革のもので比較的においの少ないものを買ってきて、ベランダか外に置いておきます。この靴は、1年後に履くことになります。現在履いている靴は、すでに1年間干したものです。先を見越して1年先の物を購入しておくと、時間が味方してくれます。ゴム長靴(すごい 匂い!)も、この方法だと、何とか使えるようになります。(雪かきに必要。)

○ 水で洗う
 衣類の場合、水で洗う方法が有効なのですが、私は一般のCSの方より洗濯回数は少ないのではないかと思います。洗濯機が使えないために、すべて手洗いにしているので、新品を5回洗濯してから着る、などという方法はしていません。なるべく安全なものを買ってきて1回か2回洗って着ています。(衣類は現在でも不足気味です。)

 私は洗濯機が苦手です。それ自体が変な匂いなのに、洗濯したものの有害物質がどんどん吸着されていき、汚染が汚染を呼ぶ機械。おまけにカビが生えたりします。二層式はそれ程ひどくないのかもしれません。全自動はとにかく変な匂いになります。私は、洗濯機を使うことができません。洗濯機で洗うと、衣類が余計に汚染される感じがします。

 手洗いをすると、洗濯中に、洗濯物についている有害物質や水道水の塩素などを、直接吸ってしまう危険があります。場合によっては、洗濯機で洗った方が、有害物質に触れる機会が少なくてすむのかもしれません。しかし、私の場合、洗濯機で洗ったものはとても着られないので、手洗いにしています。洗ったりすすいだりしながら、有害物質がどれだけ減ったのか確認できるところが気に入っています。その日の水道水の水質がいいか悪いか、塩素の濃度はどうかなども確認できます。新品の衣類は、水に浸けてみると、石けんとはちがう形状の泡が出たり、水が白く濁ったりするので、それが消えるまで洗います。手洗い(+足踏み洗い)は、よい運動になります。私にとっては、日課の運動になっています。

○ 洗濯の効果
  新品衣類の防虫処理のようなにおいは、3回以上洗わないとなかなか消えてくれません。リサイクル・ショップで買った衣類で、以前ドライ・クリーニングしたらしいものは、3回洗って半年くらい干すと、着られるものもたまにあります 。リサイクル・ショップで買った衣類で、香水やコロンのにおいがついている場合は、何回洗っても決して濃度が下がりません。何度も実験してみて、それがわかりきっているので、そういうものは買わないようにしています。新品の衣類で染料のにおいが強い物も、経験からすると、何度洗ってもとれません。農薬濃度が高い場所に行った時に着ていた服、外出した際トイレの芳香剤のにおいにさらされてしまった服は、1回石鹸で洗うだけでかなりよくとれます。このように手洗いしながら匂いをかいでいると、「有害物質のにおいの特徴」「洗濯の効果の法則性」が見えてきます。有害物質に対する感じ方、症状の出方は個人差があると思うので、各自、自分の法則性を発見していってください。

 洗濯については〔3〕−eにも情報を載せています。

○ 吸着する方法
[3],[4],[5]について
 炭はそれ自体が刺激を持っているので、私は使えません。他のCS患者の方でも同じようにことを本*1に書いてらっしゃる方がいました。この患者の記述によると、「炭自体に含まれている木酢液によって刺激を感じるのではないか」とのことです。私も木酢液に反応しているのかも知れません。ツーンとした刺激があり、目が痛くなります。

○ 浄水器
 浄水器も現在は使っていません。ペットボトルのミネラルウォーターを飲料用と料理用に使っています。(体に合うものを見つけるのが大変です。) 浄水器はいくつか試してみましたが、

(1)フィルターのメーカー保証の有効期限は10年なのに、20日くらいで汚染が飽和してしまう。(私の過敏性が高すぎたのだと思います。)
(2)浄水器に通した水のほうがもとの水より有害になってしまう。


などの理由でいずれも使えませんでした。活性炭を使ったものはたいてい銀系の抗菌剤が入っているそうです。(抗菌と表示していないものでも)*2。 これが私には合わないのかもしれません。また、中空糸膜を使ったものは親水剤を塗ってあり、これが溶け出るようです。 これも私には合わないのかもしれないと思いました。活性炭を使った浄水シャワーで使えるものが1種類だけあります。浴用なので抗菌にしていないのかも知れません。これも水道水の水質が悪いときはすぐに汚染が飽和してしまいます。よく確かめながら使っています。

 私の場合は、このように合うものがみつからないのですが、CS患者の中には、浄水器を愛用している方もたくさんいます。自分に合う物を見つけることが重要です。

○ 空気清浄機
 私は空気清浄機を1999年くらいまで使っていましたが(アレルギー対策のため)、その後使用をやめました。1999年にCSだと気づいてから、前述のように、空気をよくかぎわける訓練をしていきました。ある程度かぎわけられるようになった頃、ある日 具合が悪くなったので、清浄な空気を求めて空気清浄機の吹出し口に顔を近づけました。驚いたことに、そこから出てくる空気は、部屋の空気よりもはるかに汚れていたのです。

 これは私の過敏性の高さによるものだと思います。一般の人の場合は、フィルターの有効期限が過ぎたあたりでようやくフィルターが汚れたなと感じるのでしょうが、私の場合それよりはるかに早い時間で汚れを感じるようになってしまうのです。フィルターに吸着した有害物質は常に少しずつ発散していきますが、一般の人が反応しないような低いレベルでも、私は反応してしまうようなのです。1年間有効のフィルターでも、1ヶ月もたないことがあります。最近の空気清浄機は「風邪のウィルスをやっつける」などといって抗菌加工しているものが増えています。(天然の抗菌成分でも私はだめなものがほとんどです。)

 「エアイーサー」「ダストフリー」は高価過ぎて手が出ませんでした。「ダストフリー」を使っている人にどんな感じか聞いてみましたが返事は「効果あり」と「効果なし」の半々くらいでした。「エアイーサー」を使っている場所に行ったことがありますが、私にはその効果がいまいちよくわかりませんでした。

 私の場合は、いい空気清浄機が見つけられませんでしたが、CS患者の場合、効果のある空気清浄機を見つけられれば、とても重宝します。実際に、空気清浄機を有効活用しているCS患者の人がたくさんいます。根気よく探していけば、よいものが見つかるのではないかと思います。

*1 「ある日、化学物質過敏症」山内雅恵 著 三省堂
*2 「水道水にまつわる怪しい人々」 湯坐博子 著 三五館   (この本で紹介されている浄水器も私は使えませんでした。本文(2)の理由で)


e.分離する
  生活上必要なものでも、使えるものが見つからず困ることは多いです。何とか工夫して使えないものだろうか…? と考えたときに「分離する」という方法があります。

○ 便箋の対策
私は2002年〜2003年にかけて、使える紙がなくて本当に困っていました。いくら試してみても、どの紙にも刺激があって、具合悪くなってしまいます。なんとか一つだけでも使える紙がないかと、いろいろと試してみました。

 夫が何年か前に買った便箋で、比較的よさそうなものがあったのですが、これは、目にピリピリとした刺激がありました。便箋の各部分をかぎわけてみると、綴じてある糊の部分が刺激の原因のようでした。そこで、糊の部分をカッターで切り離してみました。すると、ピリピリとした刺激はなくなって、便箋を使えるようになりました。刺激があったのは、糊の部分だけで、紙の部分は大丈夫でした。このように、有害な部分を「分離する」ことによって、使えなかったものが使えるようになることがあります。

 各部分をかぎわける、というのは、慣れてくると、相当細かくできるようになります。より正確に知りたいときは、かぎわけようとしているものの各部分をビニールで覆って、露出している部分だけをかぐと違いがよくわかります。前述の便箋の例でいうと、便箋の糊の部分をビニールで覆って紙の部分だけをかいでみます。それで大丈夫だったら、有害なのは糊の部分だということがわかります。ビニールをはずして糊の部分を露出させてみると、その有害性がわかります。

○ 電話の対策
 2003年に、それまで使っていた電話機が壊れてしまったので、新しい電話機を探しました。リサイクルショップで買ってみましたが、前の持ち主が使っていたときのにおいが残っていました。この時は、受話器に香水のようなにおいがついていました。何を買うにしても、新品は新しい材料のにおいが強いので問題がありますが、中古品は中古品でこのように別の問題があります。どちらを選ぶかはケースバイケースです。

 受話器についた香料を落とすために、布でふいたり日に干したり、いろいろ対策してみましたが、濃度は下がったものの、使えるレベルにはならず困りました。新しく買った電話機で問題となっているのは、受話器の部分だけなのです。それなら、受話器だけを無害なものに替えられれば、問題は解決します。そこで、壊れた方の電話機の受話器をはずして、新しく買った電話機の本体につけてみました。受話器に耳を当ててみると、通じるではありませんか! 古い方の電話機で壊れていたのは、本体だけで、受話器の部分はまだ機能していたわけです。我が家の電話機は、それからしばらく、本体は新しく買ったもの、受話器は古いものという組み合わせで使っていました。(本体と受話器の形状が合わなかったので、そこは細工しました。)香料がついていた受話器は3ヶ月ほど日に干していたら、においがずいぶん薄くなりました。そのあとは、本体も受話器も、新しく買ったものが使えるようになりました。

 このように工夫すると、それまで使えなかったものが使えるようになることがあります。使えないものでも、全体の中の一部分だけが有害な場合は、その部分を分離すると使えるようになったりします。どう分離するか、分離した 後どうやって使えるように機能を回復するかは、その都度工夫していくことになります。


〔3〕様々な有害物質をうまく管理する方法

a.量・距離・時間の法則
  化学物質によって曝露されるときには、次のような法則が成り立ちます。

☆ 原因物質の量が多ければ多いほど反応は強くなる。
☆ 原因物質との距離が近ければ近いほど反応は強くなる。
☆ 原因物質にさらされる時間が長ければ長いほど反応は強くなる。


 私はこれを「量・距離・時間の法則」と呼んでいます。一口に有害物質といっても、さらされ方によって反応が違ってきます。〔1〕の方法で様々な有害物質をかぎわけられるようになってきたら、今度は第2の尺度として、「量・距離・時間」の感覚を身につけていくと、より細やかな対応ができるようになります。この法則を逆手にとると、どんなに毒性の強いものでも、ほとんど毒性を感じずに すませられます。つまり、有害物質の量が少なく、距離が大きく離れていて、曝露時間が少なければ、ほとんど影響を受けずにすむということです。特に距離を離すことは重要で、自分の身の回りに有害な物をおかない、身につけないようにします。もし近づけるとしても、ごく短時間にします。

 自分の身の回りは特にクリーンに保つようにします。そのためには手間をかけます。反面、自分から距離があるものはそれほど神経質にならなくてもよく、そこそこ安全であればよいのです。その区別をせずに、毒性の高いものも低いものも同じ距離に共存させると、四六時中有害物質にさらされることになってしまいます。

 すべての物と場所に優先順位をつけ、安全なものは身近に、危険なものは遠くに離しておく。このように物品を管理すると、有害物質にさらされる時間が格段にすくなくなります。


b.すべての物・場所をレベル別に分類する
 身の回りのものを配置するための具体的な方法を説明します。

 〔1〕-bで紹介したランキング表の用紙を2枚用意します。1枚目に身の回りにあるものをレベル別に分類して記入します。2枚目に、自宅の各部屋をレベル別に分類して記入します。私の場合は次のようになりました。家中の物を一度に書き込むと量が多くて書ききれなくなるので、ジャンル別に書くと良いです。私の「衣類」の場合を書いてみました。

物の分類

レベル5(耐えられない) 実家から持ってきた衣類(一部)
レベル4(具合悪い) 外出用の衣類(空気の悪い場所に行って有害物質に汚染された物)
レベル3(調子が悪い) 外出用の衣類
レベル2(若干問題あるが概ね良し) 家の中で着る衣類
レベル1(問題なし) ---


場所の分類 (木造2階一戸建・築25年)

レベル5(耐えられない) ---
レベル4(具合悪い) 和室・2階北東の部屋
レベル3(調子が悪い) 玄関・廊下・トイレ・風呂・洗面所・2階南西の部屋
レベル2(若干問題あるが概ね良し) LDK・寝室
レベル1(問題なし) ---

 和室は、2002年5月に引越してきた時にはレベル5の部屋でしたが、〔2〕-cで書いたように、畳をビニールで覆ったりして対策し、レベル4の状態に有害度を下げました。同じ屋根の下にレベル5の部屋があると体がきついので、何とか工夫してレベル4まで下げたいものです。私の場合レベル1という部屋はありません。手を尽くして安全に保とうとしている部屋でも、何かしら問題があります。季節によって環境が変わることもあります。


c.有害物質を避けるための収納の工夫
○ レベル別に収納する
 2つの表を参考にして、物の収納場所を決めていきます。「物」と「場所」のレベルを合わせます。レベル2の「物」はレベル2の「場所」に、レベル3の「物」はレベル3の「場所」に、レベル4の「物」はレベル4の「場所」に収納します。そして、レベル3やレベル4の部屋に行く回数や時間を、なるべく減らすようにします。ふだんは、レベル2の部屋で暮らしているので、有害度の高いものにおいを嗅がずにすみます。一般の人なら一ヶ所に収納できる物を分散させるので、一見煩雑なようですが、無防備に毒性の強い物を浴びずにすむので、結局はこの方が便利な方法だと思えるようになります。

 レベル5の「物」はどうするかというと、ビニール袋につめて密閉する、ダンボール詰にする、などの方法で毒性を下げ、レベル4まで有害性を落としておきます。そしてレベル4の「場所」に収納します。レベル5の「物」は密閉してしまっても不便はないはずです。どうせ使うことはないからです。だったら捨ててしまえばいいのでは? と思われるかもしれません。実際、重症だった時には、私もかなりの物を捨てました。けれども、回復してきたら、レベル5だったものの中で平気になったものがあり驚いています。「ああ、あの時捨てなければ良かった」と後悔しました。回復すれば使えるようになります。

○ 洋服の収納方法
 洋服の収納について、私の具体的方法を説明します。まず、家の中で着るものと外出用の衣類をきっちりとわけます。外出して帰ってきた後にそのまま着替えずにいると、外で洋服についた様々な有害物質をそのまま身につけていることになり、いたずらに曝露時間を長引かせてしまいます。家で着ている服はレベル2の空間(寝室、LDK)に置いています。外出用の衣類は、洗いたてのものはレベル2の部屋に置いている事もありますが、一回でも着たものはレベル3の部屋に置きます。私の場合は玄関にたたんでおくか、2階南西の部屋に吊っておきます。外出した時に、特に有害な物質を浴びてしまった時には、毒性が強くてレベル3の部屋には置いておけないので、レベル4の部屋に置きます。2階北東の部屋です。洗濯して毒性を落とすまでは、そこに置いておきます。洗濯したらレベル2か3の部屋に置くことが出来ます。レベル5の服はビニール袋に詰めて密閉し、ダンボールに詰めて和室(レベル4)に収納しています。自分の近くに安全な物を、有害な物はなるべく遠くに離して置くようにすることが原則となります。

○ 台所用品
 衣類以外のものについても、同じような方法で管理できます。例えば台所用品ですが、我が家の場合、これもレベル別にわけて収納しています。我家はLDKなので、台所にいろいろな有害性のものを収納すると、リビングでくつろいでいる時にすべて吸い込むことになってしまいます。それで、台所にはレベル2のものしか置かないようにし、レベル3以上のものは玄関の棚か、納戸に収納するようにしています。使うたびにいちいち取りに行き、使い終わったらその都度戻すようにしています。レベル3〜4の物は、身のまわりにずっとおいておくことは出来ないのですが、短時間であれば使えることがあります(「量・距離・時間の法則」)。サッと取ってきて、短時間だけ使い、すぐに元の場所に戻します。いちいち取りに行くのは手間ですが、よい運動になると思ってやっています。

○ 冷蔵庫
 冷蔵庫は私にとってはレベル4のもので、近くには置きたくないものです。我家では納戸に置いています。台所から納戸まで、玄関・廊下を介して戸が2つあるのですが、調理の度にいちいち食品を納戸まで取りに行っています。思いつく度に納戸に行っていると調理がはかどらないので、調理に取り掛かる前によく手順を考えて必要な物を一度に取って来るようにしています。計画的に考える訓練になっていいです。洗濯物を入れるプラスチックの籠を使うと、一度にたくさんの物を運べて便利です。食品もレベル2のものはLDK、レベル3以上の物は納戸、とわけて収納しています。

○ ゴミ
 ゴミを捨てるときも注意が必要です。ゴミ箱に捨てたものの有害成分が部屋中に発散するので、ゴミについても管理します。私の場合、まず、ゴミ箱はLDKには置かず、隣の部屋(レベル3:洗面所)に置いています。ゴミ箱は蓋つきのものを使うとよいです。我家では、ステンレス製の足踏みペダル式の物を使っています。これは中のゴミのにおい(有害成分)が外に漏れにくいので、とても便利です。蓋はルーズな物だと中のにおいが漏れ出てしまいます。ゴミは隣の部屋までいちいち捨てに行っています。LDKには置かないようにしています。普段のゴミはそのようにしていますが、時々ものすごく毒性の強いものを捨てなければいけなくなることがあり、その時は隣室のゴミ箱には入れて置けないので、ビニール袋で完全に密閉し(毒性が強い時はビニール袋を2重にする時もある)、外かレベル4の部屋に置いておきます。このように書いてみると、とても手間のかかる面倒なことのように思えるかもしれませんが、その必要性を理解して毎日繰り返しているとそれが当たり前になってきます。夫も「慣れればこれが常識だ」と言っています。

○ 収納家具
 収納家具についての注意点を述べます。新品のものは、家具であれ何であれ、化学物質の濃度が高く、年月を経るにつれ少しずつ濃度が下がってきます。その際、外気にさらされる部分については、有害物質が発散し濃度が下がりますが、外気から遮断されている部分は、濃度が下がらず有害度が高いままです。例えば合板の家具についてですが、10年くらいたつと家具の裏板に使われているベニヤのにおいはずいぶん薄くなります。しかし、ひき出しの中のベニヤのにおいは、10年経ってもかなりにおいます。ひき出しの中は外気から遮断されているので、においが内にこもって外に発散することがないので、いつまでも有害度が高いままです。

 ひき出しや箱など、外気から遮断された形態の収納家具の中に物を収納しておくと、家具から揮発する有害成分がその収納した物に移ってしまいます。また、閉鎖した空間の中に有害度の高い物を収納すると、その空間中に有害物質が広がり、すべの物が汚染されることになってしまいます。

 上記のような有害物質の性質を考慮して、私は次のような収納家具を選んでいます。まず、レベル2の物については、スチール製かプラスチック製のひき出しに収納しています。これらは閉鎖系の収納家具ですが、中に入れる物の有害度が高くないので、それほど問題は起きません。しかし、レベル3以上の物については問題が起きてくるので、開放系の収納家具を使っています。例えば玄関(レベル3)に小物を収納するのには、プラスチック製の籠状のレターケース(トレー)を使っています。何段にも重ねられる物です。また、スチールラック(支柱と棚板だけのもの、表面は粉体塗装)を使っています。レベル3以上の部屋では、扉のある家具やひき出しを使わないので、どうしても家の中がゴチャゴチャしてきます。なるべく物を置かないようにして暮らしています。

 洋服の収納については〔3〕-d に書きます。


d.有害物質の影響を減らすための洋服の着まわし 
○ 洋服をレベル別に管理する
 衣類は四六時中身につけているもので、どこに行くにも一緒に移動します。「量・距離・時間の法則」で言うと、距離が近く、接触時間がとても長いものです。有害な服を着ていると一日中 具合悪いまま過ごすことになります。洋服の安全性を保つことはとても重要です。

 〔3〕−cでも書きましたが、衣類は家用と外出用に分けます。外出時は様々な有害物質に触れる機会が多く、その都度服にその有害物質が付着します。家に帰ってきて着替えずにいると、そのあともずっと服についた有害成分の影響を受け続けます。一日中、 具合悪いまま過ごすことになります。有害物質が付着した服をずっと着ていると、刺激に感覚が慣れてしまい、具合悪いのに刺激を感じなくなってしまっていることがあります。試しに室内着に着替えてみると、体がすごく楽になることに気づきます。時間がたって体調が回復してから、外出時の服を嗅いでみると、その刺激に驚きます。

 状況に合わせてきめ細やかに服装を変えていくと、有害物質の影響をできるだけ短時間ですませられるようになります。家の中にいる時でも、レベル4の部屋に行かなければならない時や、有害なものを扱わなければならない時は、レベル3〜4の服装に着替えます。作業が終わったら速やかにレベル1〜2の服に着替えれば、有害物質の影響を最小限に抑えることができます。何かを始める時には、状況を予想して服装を決めます。その作業の有害度はどのくらいなのかをあらかじめ考えて、それに適した服装を選びます。外出する時も、外出先によってレベル2〜4の服装の中から合うものを着るようにします。

○ 着回しのサイクル
 洗濯したての外出着は、初めは比較的安全な場所で着るようにします。家の庭や、頻繁に通っているスーパー(危険が予測できる場所)などがこれに当たります。衣類は、着ているうちに少しずつ有害物質が付着していきます。着ているうちに衣類の汚染度が、レベル1→レベル2→レベル3→レベル4と進んでいきます。レベル3〜4になったら、さらに有害度の高い場所用に切り替えます。例えば、ホームセンターや歯科医院に行く時に着るようにします。レベル3〜4の場所で着ていると、さらに汚染が進んでいきます。そしてそのうち汚染度が高すぎて着られない状態になったら、洗濯します。洗濯したら、またレベル2の場所から始めます。(繰り返し)

 自分では予測できない有害物質に突然出会うことがあります。思いがけず工事現場のそばを歩かなければならなかったり…。そういう時は一気に汚染が進むので、すぐ洗濯することになります。有害物質は布の表面に付着するので、シャツやスカートに有害物質が付いても、下着は大丈夫なことがあります。これは有害度にもよります。有害物質の濃度が高い所にいくと、襟元から有害物質が入り込み、下着も汚染される事があります。家に帰ってから、シャツと下着の両方をよく嗅いでみるとわかります。下着の襟口に有害物質が染み込んでいることがあります。襟口と袖口が一番濃くて、その他は薄いことが多いです。外気に曝されている部分ほど、有害物質のにおいが強くつきます。外出時、芳香剤の匂いの強いトイレに行くと、パンツ(下着)にもばっちり匂いがつきます。

○ 帽子の利用
 髪の毛も有害物質の匂いがつきやすい所です。外出後、家に帰ってから髪を洗えばよいのでしょうが、よりきめ細やかに対応するためには帽子を被るのがよいです。帽子で髪をすっぽり覆ってしまいます。外出した後、家に帰ってから帽子を脱げば、クリーンな状態に戻ります。帰宅したとき、 具合悪かったり疲れたりしていて、髪を洗う気力がないことがあります。そのようなとき、帽子はとても便利です。また、家にいる時も有害物質に接触する機会はあるし、一日に何度も汚染される可能性があります。その度に髪を洗うのは手間なので、その点でも帽子は便利です。帽子は何個か用意していて、レベル別にかぶりわけると、きめ細やかな対応ができるようになります。

○ 衣替え
 衣類はシーズン毎に、少数の服を繰り返し着まわしています。長時間しまっておいたものを出してきて着るということはしないようにしています。しまっておいた服は、収納場所の匂いが染み付いていたり、以前着用した場所の匂いが残留していたりするからです。シーズンの初めに、収納してある場所から出してきて、いったん洗ってから着るようにしています(収納場所の匂いを落とすため)。シーズン中はプラスチック製の洗濯籠に畳んで入れるか、ハンガーに掛けておき、密閉した空間(引出しなど)にしまわないようにします。一着一着がそれぞれどのレベルにあって、どんな種類の汚染状態なのか、すべて把握するようにしています。それぞれの服の状態によって、どのような状況で着るのかを選択しています。シーズンが終わったら、シーズン中についた汚染をよく落とすように、丁寧に洗濯してしまうようにしています。

○ 記録をとる
 衣類の汚染状況をよく把握して、きめ細やかに服装を洗濯するために、記録を取る方法が有効です。

 例えば、洗濯したての衣類は、本来ならば、最もクリーンなはずですが、実際はそうとも限らないのです。洗濯中のいろいろな条件によって、仕上がりが違います。例えば、水道水の水質が悪かったり、石けんの量が足りなくて汚染が十分に取り切れなかったりした場合は、仕上がりが悪くなります。また、すすぎが十分でなかったり、干した場所が汚染されていたりした場合も、仕上がりが悪くなってしまいます。洗濯したての段階で、衣類ごとに有害度が違います。

 その後、その衣類を着ているうちに、服にいろいろな化学物質が付着していき、汚染が進んでいきます。有害度の高い場所に行く機会が多い服は、汚染の進み方も早いです。何着かの服を着回していると、そのときどきで、それぞれの服が、違う汚染度になっています。

 その違いを一着ごとによく覚えておいて、服装選択の基準とします。記録用紙を作って記録しておくとよいです。この服は洗濯の仕上がりはこんな感じで、その後どこに着て行き、どのような匂いが付いて、現在のレベルはこのくらい、というようなことを一着毎に記録しておくのです。私は頭で覚えるようにしているので、時々覚えきれなくて忘れてしまいます。記録をつけようと思いながら、やらないまま現在に至っています。記録をとらなくても服の匂いを嗅いでみれば程度経歴がわかります。しかしこれができるのはせいぜい3日以内に着たもので、1週間以上たつと思い出しにくくなってしまいます。私は現在でも着られるものが極端に少なくて、ギリギリの枚数を着回しているので、何とか頭でも覚えていられるのですが、枚数が多い人は記録をとった方が間違いはないと思います。

○ シーズンオフの収納
 シーズンオフの衣類の収納法を紹介します。私は合板の家具は使えません。天然木のものも匂いが強くて苦手です。ポリプロピレン製の衣装ケース・引出しも、独特の匂いがあって苦手です。私が今までいろいろ試してみて、一番よかったと思う収納法は次のような物です。

(1) まず、比較的安全だと思われる布を用意して、90×90pくらいの大きさの風呂敷を何枚か作ります。
(2) 衣類をレベル別・種類別に分類してきちんと畳み、重ねて風呂敷で包みます。(風呂敷の外側に、内容を書いた札を安全ピンでつけておくと 一目でわかってよいです。)
(3) スチールラックなど通気性のよい棚に積み上げます。


 この方法だと、レベル別に分類できて、他のものに汚染が移りにくいです。また、収納場所からの有害成分が衣類に付着しにくいです。

 有害物質は空気を介して移動します。その場合、物の表面に付着して、内部にはあまり入り込みません。例えば、合板を使ったタンスに衣類を畳んで収納していると、服の表面には合板の匂いがつきますが、畳んである中のほうにはそれほど濃い匂いはつきません。(濃度にもよります。)私が行っている風呂敷を使った収納方法では、収納場所の有害物質は風呂敷の表面にはつきますが、中の衣類には付かないですみます。衣替えの時に風呂敷を洗濯すると風呂敷の匂いも取れます。

 風呂敷の代わりにビニール袋を使う手もありますが、長時間ビニールに入れておくと、衣類にビニールの匂いがつきます。けっこう強い匂いです。また、ビニールは通気性がないので、匂いがこもりやすいような感じがします。

○ 新品の購入
 CSが重症化してから、着るものが足りなくて困っています。新しいものを買うと、かなり有害度が高いです。長年着ているものを着つづけていますが、衣類には寿命があります。その都度工夫して「何とか」しています。新しいものでも何回か洗濯すると、たまに何とか着られるものがあったりします。また、比較的安全と思われる布を買ってきて、自分で作ることもあります。手洗いすると、衣類の寿命が長くなってよいです。洗濯機は衣類が痛んだり擦り切れたりしやすいです。
 衣類の購入方法は、〔4〕−a〔4〕−cを参考にして下さい。


e.洗濯についての注意 
○ 洗濯の効果
 〔3〕−d で衣類を管理することの重要性を書きましたが、その中で衣類の洗濯方法も重要な鍵となってきます。
 前述したように、洗濯によってすべての衣類の汚染を完全に取り去れればよいのですが、現実にはなかなかうまくいかないことが多いのです。2001年に水道水に反応していた時は、洗濯をする前より洗濯した後の方が衣類の汚染度が高いという状況になっていました。汚れを落とすために洗濯したのに、洗った後のほうが汚れている、というパラドックスに陥っていました。この時は本当に困りました。この頃から洗濯したからといって、必ずしもきれいになるとは限らないと思うようになりました。

 それまでも漠然とながら、似たような疑問を持っていたように思います。例えば、粉石鹸を使っていると、洗濯機にカビが生えてきます。このカビの対策はいろいろやってみましたが、完全には取り切れず、繰り返し生えてきました。私はカビ・アレルギーがあるのですが、「カビの生えた洗濯機で洗って本当にきれいになったと言えるのだろうか? 」と疑問に思いました。私はごく少量のカビに対してもアレルギー反応を起こします。また、実家に住んでいた時は(1999年〜2002年)、私以外の家族は合成洗剤を使っていました。私は合成洗剤に対してはそれほど強い反応はないのですが、それでも家族と洗濯機を共用しているのはどうだろうか? と疑問に思いました。そのような疑問から自然と洗濯機を使わなくなり、手洗いするようになりました。

 手洗いは、時間も手間もかかりますが、洗濯機で洗ったものに比べて、格段ににおいが少ないです。今の私にとっては、手洗い以外の洗濯方法は、考えられません。しかし、生活条件によっては、洗濯機を使わざるを得ないこともあるかと思います。(例えば、子育てや介護中の方など。)それぞれの人で、生活条件や重症度が違うので、最良の洗濯方法も違ってくるのではないかと思います。

 水道水の水質については、重症化する前(2001年以前)も夏になると水道水で息苦しくなっていました。塩素を除去しても同じ反応を起こしていたので、塩素以外の何かが原因だったのだろうと思います。田植えの時期(5月)〜稲刈りの時期(9月)にかけてそのような反応が出ていたので、多分農薬が水道水に混入しているのではないか、と推測していました。

○ 洗濯中の汚染に注意する
 洗濯には様々な要素がかかわってきます。 〔3〕−dでも書きましたが、次のような要素です。

○洗濯前の衣類の汚染状況 ○水道水の水質 ○石鹸の使用量 ○すすぎの程度 ○たらいの清浄度(洗濯機使用の場合は洗濯機の清浄度) ○干す場所の空気の汚染度

 これらの要素によく気を配り、洗濯時に衣類を汚染しないように気をつけます。また、洗濯して乾燥させた衣類の匂いをよく嗅いでみて、仕上がりがよくないようであれば(変な匂いが付いているようであれば)、何に問題があったのかをよく考え、次回にいかすようにします。原因を推定するときに便利なのが、仕上がった洗濯物の裏表を別々に嗅いでみることです。有害物質は空気や水を介して移動します。空気を介して移動するときは、布の表面にのみ付着します。水を介して移動するときは、衣類の繊維の内部まで汚染がしみ込む感じです。

 洗濯物の裏表を嗅いで見て、表(空気に触れる部分)だけが匂う時は次のような原因が考えられます。

★洗濯前の汚染が取り切れずに残留している。
★洗濯後、干している時に有害物質が付着した。


洗濯後、表も裏も匂う時は、

★水道水の水質がよくない。
★たらい(もしくは洗濯機)に有害物質が付着していた(前の洗濯時の残留物)


などの原因が考えられます。鼻を使ってよく嗅ぎわけてみると原因が推測できます。裏表を嗅ぎ分けるときは、袖口、ズボンの裾を裏返してみると一番わかりやすいです。

○ 洗濯の目標
 洗濯の際には、用途に合わせて、どの程度クリーンに仕上げるのか目標を決めるとよいです。外出用の衣類は、着るとすぐに汚染が始まってしまうし、収納場所がレベル3なので、それほど厳密にクリーンに仕上げる必要はありません。しかし、家で着る衣類は諸条件によく注意して、外出着よりクリーンに仕上げる必要があります。仕上がり目標は、家用はレベル1〜2、外出用はレベル2〜3にしています。

 私の場合、呼吸によって取り込まれたもので反応を起こすことが多いです。CS者の体験談を読むと、時々「手で触れた瞬間ショック症状を起こす」という記述に出会うことがありますが、私は接触性の反応はほとんどありません。有害物質を鼻から吸って症状を起こすことが多いので、身につけるものに優先順位をつけています。鼻の近くで身につけるものは、念入りに管理し、汚染度を下げます。しかし、鼻から遠い物についてはそれほど厳密に管理する必要はありません。具体的には、帽子、上半身に着るものは、よく管理して有害度を低く保つようにします。それに比べて、下半身に身につけるもの、靴下などは、上記のものほど厳密に注意しなくてもよいのです。これは「量・距離・時間の法則」の中の「距離の法則」に当たります。

○ 分類して洗う
 洗濯するときは、洗濯するものの汚染度、汚染の種類によって細かく分類して別々に洗います。いろいろな状態のものを一緒に洗ってしまうと、汚れが混じってしまいます。洗濯によってすべての汚染物が完全に取り切れるのならよいのですが、中には取れずに残ってしまう物もあります。いろいろな状態のものを一緒に洗うと、取り切れなかった汚染物が全体にまんべんなく広がって仕上がります。(すごく嫌な状態です。) それを防ぐために、汚染のレベル別・種類別に分けて洗うことが必要です。例えば、芳香剤の匂いがついてしまった服と、灯油の匂いがしみ込んでしまった服は、別に洗います。汚染状況が違う3種類の洗濯物のグループがある時は、3回にわけて洗い、その都度たらいなど洗濯道具に付着した汚れをよく落とすようにします。洗濯が終わって干す時に、どの程度汚染が取り除けたか、よく確認して干し場を決めます。いろいろな汚染度のものを一緒に干すと、まんべんなく汚染が広がります。いちいち鼻で確認して、その時の状況に合わせて細かく方針を決めます。

○ 干す際の注意
 干す時は、干す場所の空気の状態をよく確認します。私は洗濯物を外には干しません。外に干すのは私にとっては、リスクが高すぎると感じるからです。室内に干して窓を開け空気を取り込みます。干しながら外気が悪くなってきたら、こまめに窓を閉めるようにしています。夏は窓を開けっぱなしで洗濯物を放って置くと、いつ近所の家で農薬散布をするかわからないので、注意しています。(近所に家庭菜園が多いのです。) 2001年〜2002年に過敏性が極端に高かった時には、洗濯した日は乾くまでつきっきりで洗濯物を見ていました。干している間に汚染されると、また洗い直さなければならなくなるので…。現在は、当時より過敏性が下がったので、つきっきりという必要はなく、少し注意しているだけで着られるレベルに仕上がるようになっています。

 私は乾燥機は使っていません。理由は洗濯機を使わない理由と同じで、様々な汚染が混じってしまうためです。しかし、干す場所ののリスクを考えると、乾燥機を使った方が安全性を確保できると考えられる場合もあります。乾燥機を使えそうな方はうまく使いこなすと便利かもしれません。

○ 石鹸は使える?
 洗濯の際、石鹸は使ったほうがよいです。衣類に付着した有害物質の中には、脂溶性のものとか、水だけでは落ちないものが多いように感じています。これは、水だけで洗った場合と石鹸を使って洗った場合とを対照実験してみるとわかります。私の家の水道水は、石鹸があまり泡立たない水質なので、石鹸の消費量が多いです。節約心が働いて石鹸の使用量を渋ると、有害物質を落としきれずに仕上がることがあります。石鹸は十分な量を使うようにしています。

 CS患者の中には、石鹸に反応してしまい、全く使えない方もいるようです。私も使える石鹸はごくごく一部に限られています。現在は、液体石鹸自然丸((有)自然丸)を使っています。これまでに使用した石鹸の変遷は、

シャボン玉スノール(粉) → 液体マルセル → 自然丸

となっています。石鹸に限らず、日用品は、ある時期から急に使えなくなることがあります。(原料・製法が変わるせいか、私の体質が変わるせいかと思います。)パッケージなど目でわかる範囲では、何も変わっていないのですが、中身が違ったものになってしまったと感じます。そうなった場合、その都度新しく使えるものを探していかなければなりません。「自然丸」もいつまで使えるのか心もとないです。物の購入方法については 〔4〕−c で詳しく書きます。

○ ひどい汚染には「煮洗い」
 衣類の汚染がひどい場合は、石鹸+水で洗っても落ちない場合があります。その場合に私が行った方法は「煮洗い」です。以下がその手順です。

<1> ポータブルコンロを使い庭で行います。私はハロゲンコンロ(電気)を使っています。
<2> 大鍋にお湯を大量に沸かします。私が使った鍋はリサイクルショップで買った業務用ステンレス鍋(耐酸鋼)15リットルです。
<3> お湯が沸いたら、酸素系漂白剤を入れます。(量は漂白剤の袋の説明書きを読んで決めます)
<4> 洗濯物は、あらかじめ洗濯してある程度汚れを落としておきます。それをなべの中に入れて、沸騰したら10分間煮ます。
<5> 洗濯物を取り出してすすぎます。(私の場合、熱いうちは漂白剤の匂いが強くて息苦しくなるので、冷めてからすすいでいます。)
<6> 干します。


注意点:
●鍋の種類によっては漂白剤で腐食されるので注意が必要です。アルミ鍋は腐食します。
●漂白剤の袋に「沸騰させないで下さい。」という注意書きがあります。私はまだ問題を起こしたことがありませんが、注意した方がいいです。
●庭で行うのは、漂白剤の匂いや洗濯物に付いている有害物質が揮発して室内に充満するのを防ぐためです。
 私の場合、漂白剤を沸かすとすごく息苦しくなります。煮てる間は離れて見ています。洗濯物についた漂白剤の成分は、よくすすぎ、干すと取り除けます。


煮洗いすると、ひどい汚染でもよく取れます。長年の汚れも落ちて新品のようにきれいになります。2002年の引越し後、前住所で着ていた服がひどい汚染状態だったので、この方法で有害物質を落として、また着られるようになりました。この方法は効果が大きい反面、危険がいっぱいですので、本当に着るものに困った時にやるのがいいかもしれません。また、私には効果があっても、他の方はどうかというと、確定的な事は言えません。ご自身の判断で行うようにして下さい。漂白剤を使用せずお湯だけで煮てもけっこう有害物質が落ちるのではないかと思うのですが、試したことがないので、はっきりしたことはわかりません。煮洗いを試す時は、まずハンカチ1枚程度でやってみるのがいいのではないかと思います。それでよさそうなら本格的に行うようにします。そうすれば、あらかじめ煮洗いの効果を確かめることができるし、もしダメだった場合、損害が少なくてすみます。

(2004年12月)

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