ホットで,プラクティカルなテーマを厳選して,看護の臨床および研究の第一線で活躍する執筆陣がわかりやすく解説していきます
診断や治療を,長年の経験則に頼らず,科学的根拠に裏付けされた事実に基づいて判断するという「EBM(Evidence-Based Medicine,根拠に基づく医療)」の考え方が医療の各分野で広まりつつあります。看護も例外ではなく「EBN(Evidence-Based
Nursing,根拠に基づく看護」という考え方が注目されるようになりました。科学的根拠(エビデンス)に基づいたケアを目指す,という新しい動きは,これまでの患者中心の看護の裏付けをするものとして,また看護技術の標準化・適正化や,時代要請として医療経済を考える上での指針となるものとして,
ナースの関心を集めています。その反面, 「EBNとは何か」「看護におけるエビデンスとは何を指すのか」が明確にされていないこともありその受けとめ方にばらつきがあるのが現状です。今後,看護の質の向上をはじめ,看護のあり方を議論していくにあたってEBNを組み入れていくならば,まずはEBNそのものについての理解が重要と言えます。本誌は,臨床現場で活躍するすべてのナースを対象に「EBNとは何か」「なぜEBNが必要なのか」「EBNによって看護がどう変わるか」など,EBNの理解と実践に役立つ様々な情報や意見をとり上げていきます。
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