商品シミュレーション
有料老人ホームは、特別養護老人ホーム等の行政にサービス内容が規定された福祉施設ではなく、サービスの質やサービス内容が、ホーム独自で設定できる『自由設計商品』です。売れる有料老人ホームを作るためには高齢者のニーズ検討を元に『どのようなサービスを提供するのか』『どの程度のサービスを提供するのか』という商品、サービスの検討が基礎になります。
今後は、多様化する様々なニーズに対応した老人ホームがでてきますから、この商品設計が十分にされていないと、何の特徴もセールスポイントもない老人ホームとなってしまいます。また、この商品シミュレーションを行っていないと『私たちのサービスはどこまでか』ということが詳細に説明できず、入居後トラブルになっている大きな原因ともなっています。
私たちは、計画される方の方向性を軸に、経営環境や将来性、制度変更等の様々な要素を総合的に判断し、商品シミュレーションを行っています。
業務シミュレーション
業務シミュレーションは、商品シミュレーションで行った商品検討をもとに、そのサービスや人、物がどのように流れるか、また、実際に予定しているサービスが提供できるのか等を確認するために行うものです。実際には、ユニット毎のスタッフ配置や業務に合わせてどのように動くのか、食事を厨房から食堂までどのように運ぶのか、スタッフが少なくなる夜間のスタッフの動き等、個々のスタッフやサービスの流れをシミュレーションします。
有料老人ホーム事業は、サービス内容が一定でなく、一日の中で必要サービス量が変化すること、そして入居者の要介護度の変化によって、その必要サービス量が変化します。また、特に要介護高齢者が増加した場合、生活動線や介護動線は、高齢者の生活上も非常に重要ですし、ケアの効率性は介護力に大きく影響します。業務シミュレーションは、建物配置に大きく関係し、途中で変更することは出来ませんから、計画段階で詳細に検討する必要があります。
私たちは、これまでの現場経験から、ユニットケア・プライバシー・介護の効率性等、様々な角度から業務シミュレーションを行っています。
収支シミュレーション
商品シミュレーション・業務シミュレーションを基に、収支検討を行うものが収支シミュレーションです。
『この程度の収益が予想されます』『この収支シミュレーションは合っていますか?』等というご相談が寄せられることがあるのですが、それは、単なる収支予測であって収支シミュレーションではありません。
有料老人ホームの収支は、経常収支とキャッシュフロー収支に分けられますが、入居率・退居率等の変動値が大きく、入居一時金の償却方法によっても大きく変化しますし、また、その形態や計算方法は、サービス内容や事業形態によって大きく違ってきます。
収支シミュレーションにあたっては、収支予測をすることが最大の目的ではなく、様々な想定のもとで、有料老人ホームの収支はどのような動きをするのかを検討・検証することが、本来の目的だと考えています。
ですから、私たちは、プロジェクト毎に計算プログラムを作成し、様々な角度から100パーターン以上の収支シミュレーション検討を行っています。
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