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掃除機

スモール・データ・バンクpart1「掃除機」では、2008年頃までの掃除機の使い方を書いてきました。part2では、その後の変化について書いていきます。


○排気の成分を避ける方法

  スモール・データ・バンクpart1「掃除機」でも書いたとおり、私は掃除機の排気のホコリっぽさに耐えることができません。そのため、排気の影響を受けずに掃除機が使えるように、様々な工夫を行ってきました。

 そんな中、2010年に一軒家からマンションに引っ越しました。前の家では、床材がカーペットだったため、それに合わせた掃除機の改造を行っていました。吸引力が弱いと、カーペットの奥のホコリを吸い込めないので、吸引力を保ちつつ、排気をきれいにする方法を工夫しました。 掃除機の後ろにビニールを長く伸ばして、屋外に排気する方法です。

〈カーペット用〉

 引越後のマンションでは、床がクッションフロアなので、それほどの吸引力は必要ありません。カーペット用の改造を、クッションフロア用に変えました。part1の最初のほうで説明したとおり、延長ホースを使ってホースを長く伸ばし、掃除機本体を室外に出す方法「象の鼻方式」です。延長した分吸引力が落ちますが、クッションフロアなので、床のゴミやホコリはちゃんと 吸えていました。

〈クッションフロア用(「象の鼻」方式)〉


○軽々と掃除機かけ
 以前は重くて吸引力が強い掃除機を使っていたのですが、収納場所からの出し入れや掃除中の引き回しのときに、その重さが負担になってきました。本体だけで7kg、パイプやノズルは合計で2kgくらいあります。持ち運ぶのも、ノズルを動かすのも、とても疲れてしまいます。

 それで、新しく軽いタイプの掃除機を買いました。本体と付属品込みで3kgしかありません。持ち運びも軽々、掃除するのもスイスイです!

 ところがしばらく使っていると、軽い掃除機の欠点が見え始めました。とにかく吸引力が弱いのです。「象の鼻方式」にすると、軽いホコリやチリでも吸い残していることがあり、これでは掃除機の役割を果たしていないと言うほかありません。2〜3年、「吸わないなあ」と思いながら何とか使い続けていましたが、細かいホコリのためアレルギー症状が悪化したように感じました。「第2部 第7章 黄砂と越境大気汚染」で書いたとおり、2010年頃から、黄砂やpm2.5などの越境大気汚染がひどくなってきており、そのためアレルギー症状がどんどん悪化していきました。大気汚染物質の粒子は細かくて小さいものですが、軽いタイプの掃除機では、吸い残しがあるらしく、掃除機をかけた後でも床がザラザラしていました。

 インターネットで対策を調べていくうちに、「吸引力の強い掃除機なら、かけたあと床がザラザラしない!」というのを読んで、「おお、私も吸引力の強い掃除機を買おうかな・・・」と思ったのです。そこでハッと気づいたのですが、すでにうちには強力な掃除機があるではないですか! ネット情報では、吸引力の強い掃除機が重くなってしまうのは、機能上しかたないということでした。

 倉庫にしまってあった重い掃除機を出してきてみました。本体を運ぶだけで、うんざりの重さです。さらにノズルとパイプを出そうと手にかけたけれど、重い!重すぎる!! とてもこれは使えないと思って、 この2つについては諦めました。

○使いやすい工夫
 私は考えてみました。本体については、排気を室外に出す私の掃除スタイルでは、本体を動かす必要はないわけです。本体が重くても、置きっぱなしにしておけばいいのです。先につけるパイプやノズルについては、軽量化を図ってみました。古くて重い本体に、新しくて軽い掃除機のパイプとノズルをつけることにしました。軽い掃除機の方は、軽量化のためにパイプもノズルも軽いものになっていました。アタッチメントなどを使って、何とか古い方につなげました。また、黄砂やpm2.5をしっかり吸えるように、吸引力を落とさない構造にしてみました。こうして完成したのが下記のような掃除機です。



 「象の鼻方式」と「ビニール排気方式」の長所をコラボで! ハイブリッドタイプの掃除機システムです。床の掃除など、最高の吸引力を得たいときは、掃除機のホースを延長せずに、後ろのビニールを長く伸ばします。それほど吸引力が必要ないときには、「象の鼻方式」も採用します。ビニールの長さもホースの長さも、必要に応じてこまめに調整できるシステムです。



○排気用のビニール
 part1では、養生用ビニールを使って作る方法を紹介しましたが、現在では、ゴミ袋を使って作っています。この方が材料の調達が手軽です。20リットル透明ゴミ袋(50×60cm)を 5枚つなげています。ビニールの底を切って筒型にしたものを粘着テープでつなげていきます。 先頭の1枚だけは、厚手(0.05mm厚)のものを使って、破れにくいようにしています。後ろの4枚は、薄手のゴミ袋(0.02mm厚)です。薄いので、引き回したり、収納するのに便利です。こ のビニールの筒を掃除機本体にかぶせ、吸い込み口のところでヒモで縛っています。電気コードは縛り口のところから出します。ゴミパックを替えるときは、ヒモをほどいて、ビニールをはずして替えます。

 ビニールは、使っているうちに汚れてくるし、ところどころ傷がついて空気が漏れやすくなるので、定期的につけ替えています。半年に1回くらい、作り直して、つけ替えます。

 掃除機は1991年に買ったもので、すでに25年以上経っています。最近の家電よりしっかりした作りで、壊れにくいように感じています。吸引力が強くて、床を吸っていると、クッションフロアの床材がまくれ上がるのではないかと思うほどです。掃除したあと床がザラザラせず、つるつるの感触になります。

○延長ホース
 以前は掃除機専用のものを買っていましたが、10年くらい使っていたら破けてしまいました。粘着テープで補修して使っていましたが、陰圧がかかるのですぐに壊れてしまいます。

 面白い裏技を見つけて試してみたこともあります。ペットボトル飲料についているラベルを筒状のままはがして、ホースの破れ目にかぶせます。ドライヤーで温めてラベルを縮めます。そうすると、ホースにピッタリと密着するので、破れ目がふさがれるという裏技です。しばらくは、調子よく使っていましたが、やはり吸引力が強く陰圧がかかるので、だんだんラベルが破けてきて使えなくなってしまいました。新しいホースを買うまでのつなぎ程度にはいい裏技かもしれません。

 延長ホースを買い換えるときに、掃除機専用のものは高価なので、代わりに洗濯機の排水ホースを買うことにしました。 だんぜん低価格です。ホース両側に掃除機用のアタッチメントをつけています。ホームセンターで100円くらいで売っている「継ぎ手パイプ」という商品です。排水ホースは、専用の延長ホースに比べて強度が心配でしたが、実際に使ってみると遜色なく使えています。棚の上やカーテンレール、電気の傘を掃除するとき、延長ホースを使うと便利です。長いので、高いところでも楽々掃除できます。

○体調が悪いとき
 掃除機をかけたいけど、怠くてしかたがないときは、困りますよね。体調が悪いときや、疲れているときの掃除機かけの工夫を書きます。掃除機をかける前に、部屋をある程度片付けて、床の面積が広くなるようにするのが定石ですが、疲れていると、この作業すら億劫に感じることがあります。そうしている間にも、黄砂やpm2.5は部屋に降り続いています。手っ取り早く粒子状の汚染物質を吸ってしまいたい。そういうときは、掃除機に延長ホースをつなげ、その先に直接ノズルをつけます。パイプは接続しません。この状態で、床に座りながら掃除機をかけます。手の届く範囲を吸ったら、少し移動して、座りながらかけます。床に物がゴチャゴチャ出しっぱなしになっていても、よけながら順次掃除機をかけていきます。延長ホースをつなげば、本体を移動しなくてもいいので、軽い力で掃除機がけができます。座るのすら怠いときは、寝ながらでもかけられますよ。

 従来のように、パイプを接続して立った姿勢で掃除機をかけると、床に落ちているものをよけるのに、いちいちかがまなければなりません。ずっと立って掃除機しているのも、姿勢がつらかったりします。そういうときに、座りながらの掃除機かけは楽で、私はときどきこの方法で掃除しています。気力がないときも、掃除機かけの敷居が低く感じられる方法です。

○様々な用途に!
 今では掃除機を様々な用途に使うようになり、使い方の幅が広がりました。

・棚やテーブルの上の小物などあらゆる部分の掃除
 掃除機に延長ホースを接続し、先にプラスチックのアミをかぶせます。(100円ショップなどで浴室の「排水口ネット」として売られているものです。) これで床以外の部屋中の掃除をします。引き出しの中にホコリがたまっているときでも、これで掃除できます。小物があってもアミの部分で止まって、吸い込まれていかないので、安心して掃除できます。

・機械の内部にたまったホコリ
 空気清浄機のフィルターや回転部分の掃除、暖房器具、冷房の分解掃除など、上記のアミをかぶせた方法で、ホコリや大気汚染物質を掃除できます。

・布団に掃除機かけ
 布団についたホコリ・カビ・大気汚染物質を掃除機で吸います。専用の吸込口を買いました。ローラータイプになっていて、布団の上を転がします。これは便利で、よい買い物をしたと思います。1990年代に似たようなノズルを買いましたが、それは全然吸わなくてガッカリした覚えがあります。似たようなタイプなので、おそるおそる買いましたが、今度のは実によくできていました。今では布団専用掃除機も売っていますが、ふだんの掃除機にこれをつければ充分です。

コーワ ふとん用ローラー 30322


服に掃除機かけ
 外出から帰ったら服についた黄砂、pm2.5などを掃除機で吸います。上記のローラータイプのノズルを使います。洗濯した衣類にも掃除機をかけます。せっけんと水道水が反応してできた金属せっけんを吸い取るためです。詳しくは、「スモール・データ・バンク 2 洗剤」をご覧ください。

・髪に掃除機かけ
 洗髪のあと、髪に残った金属せっけんを吸います。白い微粉末です。これも詳しくは「スモール・データ・バンク 2 洗剤」に書きました。

 外出から帰ったあと、髪についた大気汚染物質を吸うこともありますが、掃除機ではあまり取れない感じがするので、洗髪した方が手っ取り早いです。

・塗装ブースのような使い方
 プラモデル工作などでシンナーなどが入っている塗料を塗るときに、使う専用のブースがあります。

手前で塗装を行うと、揮発性の気体がホースを通って屋外に排出されます。中にファンが仕込んであって、手前から奥へ空気の流れができます。ホースの先を窓の外に出します。

 CS患者が匂いの強い塗料を使うことはないと思いますが、CSの原因物質でも同じ考え方で室外に排気できます。そのときに掃除機を使います。有害な揮発物を扱わなければならないときに、掃除機の吸込口の近くで行って、排気を室外に出します。

例:以前は大丈夫だった木工用ボンドで頭痛が起きるようになり、使用できなくなってしまいました。やむを得ず使わなければならないときは、掃除機で揮発成分を吸いながら行います。 排気用ビニールの先を屋外に出せば、木工用ボンドの揮発物を外に排出できます。手早く作業をして、乾くまで別室に置いておけば、ほとんどボンドの成分を吸わなくて済みます。完全に乾いてしまえば、反応しなくなります。

*木工用ボンドは大丈夫だと思って、使いすぎました。それで反応するようになってしまいました。調子に乗りすぎました。よろしければ、私の趣味のサイトを見てやってください。Papermodel Gallery (ペーパーモデル・ギャラリー)



 以上のような方法で、様々な用途に掃除機をフル活用しています。

(2017年11月)

「暖房」へ続く
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