洗剤
化学物質過敏症のため、せっけんを使っています。ミヨシ「無添加 お肌のための洗濯用液体せっけん」です。これ1本で洗濯から洗髪、体洗い、掃除、食器洗いまで全部まかなっています。純せっけん分100%で、体に優しい感じです。長年せっけんを使ってきて、CS反応を起こさないのには満足していましたが、せっけんの使いにくさや欠点なども気になるようになりました。
洗濯に関しては、洗ったものが油くさくなる、汚れ落ちが悪くなることがある、などの不満がありました。特に洗ったものをしばらくしまっておくと、油が酸化したような匂いが出ます。また水道水の硬度と関係しているのでしょうか
、季節によって、せっけんの泡立ちが悪く、汚れが落ちにくいと感じることもありました。
体や髪を洗うときにも、油っぽくなったりゴワゴワになったり、髪が絡まったりする点が不満でした。なぜこのようなことが起きるのでしょうか? 調べてみました。
○せっけんの性質
・弱アルカリ性。
洗濯液が酸性になると分解して脂肪酸(油)になる。洗浄力がなくなる。
・水道水中のカルシウム・マグネシウムイオンと結びついて、金属せっけんになる。白い微粉末。洗浄力がなくなる。
・さらに、金属せっけんが酸性になると、分解されて脂肪酸(油)になる。
まとめると、
・分解して脂肪酸になる→洗浄力が働かない原因。脂っこくなる。
・カルシウム・マグネシウムと結びついて金属せっけんになる→洗浄力が働かない原因。ゴワゴワ・ギシギシになる。
○洗濯の場合
どのように進行していくのか、書いていってみます。
(1)お湯を汲む。水道水中には、カルシウム・マグネシウムイオンがある。
(2)お湯にせっけんを入れる。せっけんの一部がカルシウム・マグネシウムイオンと結びついて金属せっけんになる。せっけんと金属せっけんが混在した状態。金属せっけんに変化した分、洗浄力は落ちる。
(3)洗濯物を入れる。衣類に付いた汗・皮脂などの酸性物質で、お湯が酸性になる。せっけんの一部が分解して脂肪酸になる。金属せっけんの一部も分解して脂肪酸になる。さらに洗浄力が落ち、脂っこいお湯になる。
(4)撹拌。せっけん+金属せっけん+油+衣類がぐるぐる回される。
(5)すすぎ。衣類に残ったせっけん分と水道水中のカルシウム・マグネシウムイオンが結びついて、金属せっけんがどんどんできる。
(6)脱水。衣類に金属せっけんと油が付着。(せっけんはすすぎ水と共に排水される。)
(7)干す。油くさい仕上がり。金属せっけんの白い粉が付着している。大気汚染物質などの酸性物質と結びついて金属せっけんが脂肪酸に分解。油くさくなる。
(8)着る。衣類に付着している金属せっけんが、汗などの酸性物質で分解されて、脂肪酸になる。さらに油くさくなる。
洗濯を繰り返すたびに衣類に油が蓄積されていく。しまっておくと、衣類に残った油が酸化して、独特の匂いを発散する。
○洗髪の場合
(1)髪を濡らす。水道水中のカルシウム・マグネシウムイオンが髪に付着。
(2)せっけんをつけて洗う。せっけんとカルシウム・マグネシウムイオンが結びついてせっけんの一部が金属せっけんになる。頭皮の酸性物質と結びついてせっけんと金属せっけんが脂肪酸に分解される。
(3)すすぐ。せっけんの一部が水道水中のカルシウム・マグネシウムイオンと結びついて、金属せっけんになる。それ以外のせっけん分はすすぎ水と一緒に排水される。金属せっけんはキューティクルにからみつく。脂肪酸も髪に残る。
(4)クエン酸リンス。髪に残った金属せっけんが脂肪酸に分解される。脂っこくなる。
私はクエン酸リンスをしていないので、それほど脂っこくはならないのですが、ギシギシ感があります。金属せっけんの作用です。リンスすればギシギシはなくなりますが、金属せっけんが脂肪酸に変わるので、油でベトベトになります。「クエン酸リンスでサラサラに〜」とは言いますが、実際には、くしにベトベトのものが付くし、油の匂いがします。合成シャンプーで洗ったあとのサラサラ感とは違うものです。せっけんで洗っているうちに、髪の毛がだんだん太くなります。表面に脂肪の層ができるためです。
洗髪に関して特に問題だったのは、2014年から浄水シャワーを新しいものに替えたことでした。亜硫酸カルシウムのカートリッジで塩素を除去する仕組みでしたが、カルシウムイオンが溶け出てせっけんと結合し、金属せっけんになっていたようです。水道水に含まれるのより遥かに高濃度のカルシウムイオンがせっけんと反応することになり、大量の金属せっけんを生み出しました。洗髪後のギシギシ感がひどく、鳥の巣のようでした。くしには大量の白い粉と、ベトベトした灰色の物質が付着していました。シャワーカートリッジが原因だとわかるまでにずいぶん時間がかかってしまいました。このシャワーヘッドを使うのをやめたら、髪のギシギシ感は少なくなりました。それでも水道水に含まれている分のカルシウムイオンとは反応してしまうのですが、シャワーヘッドの時のギシギシ感と比べたら、ずっとマシです。亜硫酸カルシウムの浄水シャワーを使ったことは、水道水の硬度成分(カルシウム・マグネシウムイオン)によって、せっけんがどれだけ影響を受けるのかということをまざまざと見せつけられた出来事となりました。
日本の水道水は、あまり硬度が高くありませんが、海外などで硬度が高い地方であれば、この浄水シャワーヘッドを使ったときのような作用が、水道水だけで起きるはずです。
全国の浄水場別水道水の硬度はこちらのサイトで見られます。水道水質データベース 浄水場によってかなり硬度が違います。
浄水シャワーについて詳しくは、「スモール・データ・バンク2 浄水シャワー」で詳しく書きました。
○体を洗う場合
(1)体にお湯をかける。ある程度汗などの汚れが落ちる。水道水中のカルシウム・マグネシウムイオンが体に付着。
(2)せっけんをつけて泡立てる。せっけんとカルシウム・マグネシウムイオンが結びついてせっけんの一部が金属せっけんになる。洗浄力が落ちる。
(3)すすぐ。金属せっけんが肌に残る。ゴワゴワする。
(4)生活していて汗などをかくと皮膚表面が酸性になり、金属せっけんが分解されて脂肪酸になって、脂っこくなる。大気汚染の成分(酸性)が付着しても、同じ反応が起きる。
問題の反応をまとめてみると、次のようになります。
組み合わせ | 生成されるもの | 質感など |
せっけん+水道水の硬度成分(カルシウム・マグネシウムイオン) | 金属せっけん(白い微粉末) | ゴワゴワ・ギシギシする |
せっけん+酸性の成分(汗・皮脂などの汚れ、クエン酸・アスコルビン酸など) | 脂肪酸(油) | ベトベトになる |
金属せっけん+酸性の成分(汗・皮脂などの汚れ、クエン酸・アスコルビン酸など) | 脂肪酸(油) | ベトベトになる |
以上のせっけんの性質について、わかりやすく説明している参考サイトを紹介します。
・図を使ってわかりやすく説明しています。
石けんカス発生のメカニズム
石けんシャンプーの化学
・せっけんが金属せっけんになり、脂肪酸に変わるまでを実験によって明らかにしています。
金属セッケンと酸性セッケン [石けんまわりの化学(14)]
○情報を見極める
インターネットでは、せっけんに関する正しい情報を得るのが難しく感じました。せっけんを普及させようという情熱のためか、せっけん製品を売る商魂のためか、せっけん擁護のために事実とは違う説明をしているサイトが数多く見られます。科学的な現象を扱っているので理解するのが難しいかもしれませんが、間違った情報に惑わされないようにしたいものです。
間違っている例
・洗髪時にせっけんをたくさん使えば使うほど、髪の毛がサラサラになる。(正:せっけんをたくさん使えば、その分水道水の硬度成分と結合して、金属せっけんがたくさんでき、ギシギシになります。)
この情報を真に受けて、洗髪時に大量のせっけんを使用したら、それまでにないくらいギシギシのゴワゴワになったという苦い経験があります・・・。
せっけんによる問題点を解消するためには、次のように対策すればよいことになります。
・せっけんの洗浄力を十分発揮させる。
・金属せっけんをなるべく発生させないようにする。
・脂肪酸(油)をなるべく発生させないようにする。
これらを実現するために、様々な方法を考えてみました。それをもとに、約半年にわたって、たくさんの方法を試してみました。多岐にわたるため、ごちゃごちゃしてわかりにくいので、チャートっぽく整理してまとめてみます。
私が検討してみた方法と、その結果を書いていきます。
○洗浄力の高いせっけんを使う
せっけんの性質を調べていると、原料の油の種類によって、洗浄力が違うことがわかりました。中でも洗浄力が高いのは、ステアリン酸を含むせっけんだということです。原料で言うと、牛脂を使ったせっけんがよいようです。この情報をもとに、3種類のせっけんを買って試してみました。いきなり体につけるのは勇気が要るので、まずは布を洗ってみました。ミヨシ「白いせっけん」で洗ってみたら、洗濯中(手洗い)も乾燥後も、原料の油の匂いが強くして、具合悪くなってしまいました。牛脂の匂いはけっこう強烈です。牛脂のせっけんは人気がないためか、油脂原料の種類が明記されていない製品が多いです。ネットでじっくり調べると、牛脂を使用しているかどうかがわかります。他の2種類も、それぞれ牛脂の匂いが強くて使えませんでした。
○高温のお湯で洗う
せっけんの洗浄力を十分発揮させるためには、45度以上のお湯を使うといいそうです。手洗いの時には、45度だと熱くて洗えませんでしたが、その後、簡易タイプの洗濯機(電気バケツ)を導入したので、熱めのお湯でもOKです。確かに洗浄力が上がった感じがします。(洗濯機について詳しくは「スモール・データ・バンク2 洗濯」で書いています。)
体や髪も高温のお湯で洗うと洗浄力が出るのでしょうが、限度というものがありますね。やけどしてしまいます。髪はなるべく熱い温度で洗っていますが、体はいくら熱くしても43度くらいが限度です。
〔高温つけ置き洗い〕
せっけんの洗浄力を発揮させるために、究極的には煮洗いをするといいようですが、煮ると繊維が傷むので、そう頻繁にはできません。また、大型の鍋を使わなければならない、熱湯を扱うので危険、CS的には有害成分が揮発するリスク、などの理由で、なかなか踏み切れないものです。煮洗いに準ずるものとして、私は高温つけ置き洗いをしています。方法は次の通り。
洗濯する衣類は、お湯に10分ほどつけた後、さっと洗ってしぼる(予洗)。20〜45リットルのビニール袋に高温(60〜75度くらい)のお湯を入れ、せっけんを溶かす。洗濯物を入れて、ビニールの口をしばる。これをトロ箱に入れて、フタをして一時間放置。その後は普通に洗濯してすすいで干します。
高温でつけ込むので、煮洗いしたときのように、ふだんの洗濯では落ちない汚れもすっきりします。また、通常の洗濯で染みついてしまったせっけん臭、油臭さもけっこう取れます。ときどき高温つけ置き洗いを行っています。
○軟水器
水道水の硬度成分(カルシウム・マグネシウムイオン)を除去して、金属せっけんの発生を防ぐために、軟水器を使うという方法も考えられます。これはイオン交換樹脂に通して、水道水中のカルシウム・マグネシウムイオンをナトリウムイオンに置換する装置です。硬度成分がなくなるので、せっけんが金属せっけんに変化することがなくなり、ギシギシ・ゴワゴワが出ません。少量のせっけんでも泡立ちよく、洗浄力が出ます。
一度は軟水器を検討してみましたが、購入には至っていません。価格が高いのと、軟水器の素材にCS反応を起こすことを考えたためです。どのように水が変化するかを見るために、イオン交換樹脂のみを1kgほど買ってみたことがあります。このときは、2010年の水事情が最悪なときだったので(詳しくは「第2部 第6章 引越〔2〕」をご覧ください)、冷静に効果を判定することができませんでした。あのときは、CS事情で生活がめちゃくちゃになっていました。また改めて試してみれば新たにわかることがあるかもしれませんが、そのとき軟水器購入の機運は立ち消えになってしまい、現在に至っています。軟水器を検討している方は、イオン交換樹脂を買って試してみるといいと思います。軟水器本体を買うより、ずっと低価格で試せます。
○アルカリ助剤が入ったせっけんを使用
これは洗濯のみのお話です。体や髪を洗うと肌が荒れると思います。洗濯石鹸の成分表示を見ると、「炭酸塩」「ケイ酸塩」などと書いてあるものです。私の場合は、アルカリ助剤が入った洗剤を試してみましたが、容器の蓋を開けて嗅いでみただけで、目の痛みが出てダメでした。粉せっけんは飛散して目にしみるので、液体の洗剤で試してみましたが、目の痛みのため使えそうにありませんでした。
アルカリ助剤が入っていると、石けん液をアルカリ性に保って、せっけんが脂肪酸に分解されるのを防ぎます。洗浄力も落ちないし、油臭くならないはずです。私は使えませんでしたが、大丈夫な方は、アルカリ助剤が添加されたせっけんを使うのは、理にかなっていると思います。欠点は、アルカリ助剤の配合率が高いと、繊維がゴワゴワになることです。
○予洗する
洗濯の時に、いきなりせっけんと洗濯物をお湯に入れると、衣類に付いている汚れ(汗や皮脂など)が酸性なため、せっけん液が酸性になって、せっけんが脂肪酸に分解されます。反応した一部のせっけんが脂肪酸になり、残ったせっけんで洗うことになるので、洗浄力が落ちます。これを防ぐために、せっけんを入れる前に、一度お湯だけでさっと洗って、汗などの汚れを落とします。私の場合は、せっけんを使う前に、衣類をお湯に10分ほどつけておいて、手でモミモミして絞ります。その後、せっけんでの洗濯に入ります。
髪や体を洗うときもあらかじめお湯で洗ってから、せっけんを使った方が洗浄力が出るし、油っぽくならない感じです。
ビタミンC(アスコルビン酸)など酸性のものを使わない
「スモール・データ・バンク2 浄水シャワー」でも書きましたが、私は水道水の塩素を除去するために、少量のビタミンCを使っています。洗濯ではなく、シャワーの時です。ごくわずかな量ですが、使用すると、やはりせっけんの泡立ちが悪くなる感じがします。洗い上がりも油っぽいです。それを解消するために、「せっけんを使わない方法」を模索してみました。
○お湯のみで洗う
体も髪も洗剤を使わずに、お湯だけで洗う方法があります。ネットで「タモリ式入浴法」や「湯シャン(お湯シャンプー)」などの検索語で調べると、情報が得られます。それを見て、少し試してみました。体はお湯のみである程度はいけますが、長期間となると、脂ぎってくるので、ときどきは洗剤が必要だとわかりました。
髪の毛は、湯シャンを試してみましたが、不快感が強すぎて無理でした。たいていのサイトには、「気持ちが悪いのは最初だけ。髪が慣れてくれば不快感は取れてくる」と書いてあるのですが、その期間には幅があって、短いもので2週間、長いものではなんと5年以上かかるというのです! 5年もあのベトベトギトギトに耐えるのは無理です。
約1ヶ月にわたり、湯シャン、塩シャンプー、小麦粉シャンプーとひととおりやってみましたが、ギトギト感に耐えられず、断念しました。小麦粉シャンプーは、髪に残った小麦粉を吸入することで、小麦アレルギーになるのではないかと怖かったです。小麦粉が食べられないと、かなり食生活が不自由になるからです。
○合成洗剤を使う
「CS患者は合成洗剤を使えない! せっけんを使おう」というのが常識ですが、使い勝手が難しいせっけんを使い続けるのも大変だというのが実感です。ネットを見ても、せっけんを使いこなせないという声が多く聞かれます。せっけんはそんなにいいものなのでしょうか。合成洗剤は絶対に悪いものでしょうか。
合成洗剤が化学薬品であるように、せっけんも化学薬品です。合成洗剤で問題になるのは、香料や各種添加剤で、それらのない純粋な合成洗剤の成分であれば、CS患者でも案外使えるのではないか?と思っていました。実際にそのような合成洗剤が売られていて、無香料無添加の洗浄成分のみとなっています。「エコ洗剤」という名前で売られているものです。ビタミンCで塩素除去をしつつせっけんを使うのが難しいと感じてから、エコ洗剤を試してみては?と思うようになりました。
洗濯用のエコ洗剤は添加剤が入っているものが多いし、浴用のものは香料や保湿剤が入っているものが多いです。純粋に洗剤成分のものをといえば、狙い目は食器用洗剤です。
はじめに試したのは、サラヤ「ヤシノミ洗剤」です。原料がヤシ油でつくった合成洗剤です。食器用は、無香料・無添加。成分は「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アルカノールアミド」です。いきなり肌につけるのは勇気が要ったので、布を洗ってみました。
まず気づいたのは、汚れ落ちの悪さです。洗濯用の洗剤ではないせいもあるのですが、汚れ・匂いもかなり残ったままです。これに対して、せっけんは純せっけん分だけでかなりキレイに汚れが落ちるのが、すごいと思いました。
洗浄力の他にも気になる点がありました。洗った布が青臭いような、何とも言えない植物臭を放っています。原料に使われたヤシの匂いなのでしょうか。
勇気を出して髪を洗ってみました。せっけんと違って、ギシギシ・ゴワゴワしません。サラサラです!! 感動しました。しかし、洗った翌日から頭皮がかぶれて、赤むけのような状態になってしまいました。やはり、合成洗剤はかぶれやすいものなのでしょうか。原料の青臭い匂いが追い打ちをかけます。
頭皮のかぶれに耐えきれずに、せっけんで洗い直したら、ひりひりした感じはなくなり、かぶれも収まりました。やはりせっけんはすごい!安心感が違うと思いました。でも、例のギシギシ感が戻ってきてしまいました。
他に「ココナツ洗剤」というエコ洗剤も試してみました(成分:脂肪酸アルカノールアミド、アルキル硫酸エステルナトリウム)。これも、「ヤシノミ洗剤」とほぼ同じ結果になりました。せっけんより汚れ落ちが悪く、頭皮がかぶれ、原料臭がします。しかし、この洗剤のよいところは、購入前に無料サンプルを試せたことです。サンプルで無理だとわかったので、購入に至らず、出費を抑えることができました。良心的な会社だと思いました。
合成洗剤はやはり無理だろうと思い、問題が解決しないまま月日が経ちました。ひょんなことから、私の体にも合う洗剤を見つけることができました。
エアコンの分解洗浄の時、せっけんはカビの原因になるので、エコ洗剤(合成洗剤)をもう1種類試してみることになったのです。(エアコン洗浄については「スモール・データ・バンク2 エアコン(クーラー)」参照。)
「フロッシュ パフュームフリー」(成分:アルキルエーテル硫酸 エステルナトリウム、アルキルアミドプロピルベタイン、粘度調整剤、安定剤.)
当初この洗剤を体に使ってみるつもりは全くありませんでした。しかし、エアコン洗浄中に、匂いを嗅いでみてもCS反応を起こさないし(匂いはします)、誤って素手につけてしまっても、かぶれないようなのです。勇気を出して肌を洗ってみることにしました。最初は左腕の一部だけです。これでかぶれないようだったので、顔や体を洗ってみました。大丈夫でした。せっけんとは違い、ゴワゴワした感じや油っぽい感じもなく、すっきりと洗い上がりました。液性が弱
酸性なので、お肌に優しい感じもします。その後、現在に至るまで、顔と体はこの洗剤で洗っています。問題なく使えています。
フロッシュで髪も洗ってみました。せっけんと違って、サラサラとした洗い上がりになりました。かぶれも起きませんでした。しかしなぜか、顔や体を洗ったときと違い、髪から目の痛みを感じるようになってしまいました。髪は肌と違い表面積が大きいので、フロッシュの残留した成分が多く揮発してきているためと思われます。
それで、髪については諦めて、せっけんを使い続けています。ビタミンCで塩素を除去したお湯だと、やはり脂っこくなるので、仕方なく塩素を除去しないお湯でそのまま洗ってみました。脂っこさは解消されましたが、頭皮が塩素で荒れるのではないかと心配になりました。しかし、頭皮はその他の皮膚と性質が違うのか、なぜかかぶれることがなかったので、そのまま水道水で洗っています。私は塩素の匂いにあまり過敏ではないので、洗髪中の匂いもそれほど気になりません。暫定的にやむを得ぬ処置として、水道水+せっけんで洗髪し始めましたが、一年半経った今でも続けていられるので、様々な条件を考えると、一応安全な方法ではあるようです。CS的にはあまり勧められる方法ではありませんが・・・。
○アルカリ洗剤を使う
洗濯の話です。せっけんの代わりにアルカリ洗剤で洗う方法があります。「アルカリウォッシュ」などの名前で販売されています。成分はセスキ酸ソーダ。せっけんと違って、洗い上がりが油臭くならないというので好まれているようです。私はアルカリ性のものに目の痛みを起こすので、アルカリ洗剤は使えないものだと最初から諦めていました。だから試していません。成分を考えると、皮脂などの汚れはあまり落ちないという気もしますが、選択肢の一つだと思います。
○酸素系漂白剤を使う
せっけんの代わりに酸素系漂白剤を使う手もあります。しかし、これも皮脂などの油性の汚れを落とすのは難しいのではないかと思います。また、私は以前使えていた酸素系漂白剤に、目の痛みを感じるようになり、2011年から使えなくなってしまいました。
○乾燥後に付着した金属せっけんを除去する
洗髪と洗濯にせっけんを使っています。洗髪後、くしでとくと、金属せっけんの白い粉がつきます。私はこの金属せっけんの成分を嗅ぐと、ピリピリとした不快な粉っぽさを感じます。くしゃみが出ることもあります。これを掃除機で吸ってやると、ピリピリがかなり楽になります。掃除機のパイプとノズルをはずして、ホースだけにして髪を吸います。ふだん使っている掃除機のホースだと汚れているので、洗濯機排水用の延長ホース2mをつけて吸います。この延長ホースを髪の毛専用にして、掃除に使うものとはわけています。吸うとピリピリも減りますし、髪がギシギシして絡まる感じも若干緩和されるような感じがします。
洗濯物も乾燥したあとに、金属せっけんのピリピリを感じるので、掃除機で吸ってやります。布団に掃除機をかけるためのローラータイプのノズルを使います。(詳しくは「スモール・データ・バンク2 掃除機」に書きました。)アイロンをかけるときのように、服を平たく伸ばして、その上にローラーを転がしていきます。服の裏表をかけます。けっこう手間ですが、CSのためにアイロンかけができなくなってしまったので(→「スモール・データ・バンク アイロン」参照)、その代わりだと思えば、それほど手間だとも思わなくなりました。服に掃除機をかけると、体感で明らかにピリピリ物質が減るので、欠かさずやっています。
今のところ、以上のような方法で洗剤を使っています。状況に合わせて今後さらに改良を加えていく予定です。
〔まとめ〕
現在、私が行っている方法をまとめてみます。
・洗体・洗顔
ビタミンCを微量入れて、水道水の塩素除去。
自作のシャワーシステムもしくは、ためたお湯で洗う。
洗剤は、食器洗い用合成洗剤「フロッシュ パフュームフリー」(無香料・無添加)
・洗髪
水道水(塩素除去せず)
洗剤はミヨシ「無添加 お肌のための洗濯用液体せっけん」
クエン酸リンスはなし
乾燥後、掃除機で金属せっけんを吸う
・洗濯
水道水(塩素除去せず)、湯温高め
洗剤はミヨシ「無添加 お肌のための洗濯用液体せっけん」
乾燥後、掃除機で金属せっけんを吸う
ときどき、高温つけ置き洗い
CSの皆様へのメッセージ
私の方法は、反応するものを避けて便宜上、暫定的に取り入れたものです。皆さんは、それぞれご自分の条件に合わせて、よい方法をアレンジしていってください。
(2017年11月)