いま、そしてこれからの松本もとすけ
ここでは、松本もとすけ が「いま」していること、そして「これから」したいことを紹介したい。
新しい看板が下げられ、市庁舎の目立つ場所に横断幕が張
られた

●その1● 「合併後の姿」分析、そして「辻立ち」
2006年3月27日、本渡・牛深の2市、有明・御所浦・倉岳・栖本・新和・五和・天草・河浦の8町は正式に合併、新「天草市」としてスタートした。市庁舎入り口には新しい看板が下げられ、正面外壁には横断幕が掲げられた。

「合併」には様々な思惑があり、必ずしも“前向き”な要素ばかりではない。松本もとすけも合併後について厳しい見方をしている一人である。いくつかのデータを基に<合併して「天草市」となる2市8町のすがた>を分かりやすくグラフ化している。

合併して天草市となる2市8町のすがた
高い高齢化率 少ない雇用の場(データは天草郡市)
農林水産業の衰退(20年で1/3に減少!) 増えない観光客数(データは天草郡市)
一目瞭然だが、ご他聞にもれず「老年人口」は増える反面、「生産年齢人口」も「年少人口」も減少、「就業人口」は第3次産業人口が辛うじて横ばいなものの、第2次産業も第1次産業も減少の一途というパターンだ。

そして、天草にとってノドから手が出るほど欲しい「観光客」は、阿蘇地域の観光客数は1980(昭和51)年から2001(平成13)年の20年間に600万人から1850万人と確実に増加しているのに対し、天草郡市のデータを集約すると、天草は同じ期間500万人台にとどまっている。
寒風の中、ハンドマイクを握り、
揺れるノボリを支えつつ辻立ちを続ける
=2006年3月31日、本渡市内で
こういう現象を分析して、松本もとすけ は―

◇福祉・医療サービスの充実(高齢者対策・子育て支援)
◇高齢者など生活弱者にやさしい社会づくり
◇雇用の場の拡充(持続的地場産業の創設) 
◇農林水産業の早急な復興
◇豊かな海・自然環境の保全と復元


―を訴えている。
別のキャッチで言えば―

“若者の天草へのUターン促進”
“癒しの観光産業の振興”


―である。
そんなことを訴えながら、毎朝8時、車の列に向かって一人で辻立ちを行い、寒風吹く中、マイクを握り、最低30分、懸命に訴えている。
そんな松本もとすけのアクションに対して、最近、天草在住のT.Oさんからメールが入った。配布したリーフを見て、より具体論を聞きたいというものであった。そのやりとりをT.Oさんのご了解を得てここに再現させていただく。お断りしておくが、断じて“偽メール”ではない!

●その2●  T.Oさんとのメールのやりとり

▼2006年3月19日20:41▼ T.Oさんから松本もとすけへ

天草在住のT.Oです。リーフ拝見しました。ここで主張されている「働く場の拡大・創出」の具体策を教えてください。



▼2006年3月20日13:23 松本もとすけからT.Oさんへ

リーフをお持ちした松本です。メールありがとうございます。
「働く場の拡大・創出」について、私の考えをお答えします。

統計を見るとこの20年間で第3次産業就業者はほぼ横ばいであるのに対し、2次産業は22%の減、1次産業は何と3分の1(65%の減)となっています。
また、昨年末発表された国勢調査の速報では県内人口減少が激しかった10の自治体のうち7つまでを天草の自治体が占め、その中でも特に漁業依存度が高い自治体が上位を占めました。

全国的に漁業者、農業者の減少傾向は歯止めがかからないのが現状ですが、大工場の誘致などが困難な天草ではやはり第1次産業をもう少し元気にしないとだめだと思います。
それと天草では農産物・水産物の加工品は他地域のものが多く、とても残念です。「天草ブランド」をアピールできるような付加価値をつけた農産物・水産物加工品拡大のために地域ぐるみでてこ入れすべきではないでしょうか?

浜の漁師さんの声を聞くと魚価は20年前の半値という安値で年金もらいながらでないととてもやっていけないそうです。(漁業補償などで漁場を売り渡してきた責任もありますが)
しかし、店頭販売価格はそれほど下落したわけではありません。

そこで、1次産品の流通状況を調べ、農業、漁業でも食っていけるように行政が下支えすることをもっと進めるべきだと思います。
補助金で言いなりにするということではなく、直接支払い制度などを活用できないか、もっと検討すべきだと考えます。

また、天草の素晴らしい自然や海をつぶしてきた、いらん公共事業はもう止めて、自然再生推進法などを使って干潟や砂浜の再生などの公共事業を進めるような努力をすべきでしょう。

新人なので具体的な予算配分など詳細にお答えするのは難しいのですが、以上が私の考えです。

国としてもWTO交渉などで海外産1次産品の輸入増大を食い止めるのが出来ない状況下で厳しい取り組みですが、天草の今後を考えると何とか進めなくてはならないことだと思います。

「福祉」もただの儲けの対象ではなく、また善意のボランティアでもなく、思いやり・優しさを内包した産業へと進化しなくてはならないと思います。政治や行政が現場と真の議論を深めていけば、いい方向へもっていけると思います。
それが結果的には雇用の拡大・創出になっていくのではないでしょうか?

いろいろ書きましたが、よろしくご検討下さい。



▼2006年3月20日17:15▼ T.Oさんから松本もとすけへ

私も、それを最重要課題と思っていますが、さらに、その具体策はおもちでしょうか? 予算配分とかではなく、どういう組織で、天草の特産品をどこにどういうふうに売って・・・、それには行政にはどこまで関わらせていこうとするのかといったような・・・。


▼2006年3月22日00:17▼ 松本もとすけからT.Oさんへ

再度メールありがとうございます。
できれば、現在の流通状況調査や売り先や売る商品開発、マーケットリサーチなどを行なうNPOを立ち上げて天草ブランド作りを進める。(ブランド信奉は好きではありませんが、自分で何でも確かめると言う風潮が日本ではなくなってしまった現在、天草の窮状を改善するにはある程度アピールも必要でしょう)
また、1次産品の産直、加工所などを行政の資金的協力で造り、あるいは空き工場などを活用し(口を出さずに金を出させる)、やる気のある若者たちや元気なじいちゃん・ばあちゃんたちに生産、運営を任せる。
販売先は天草の地域内外とし、ルート開拓は上記NPO、生産者が協働して行なう。

三重県では松阪牛や的矢カキなどを県がブランド認定して、それなりに成果を挙げているそうです。

具体的方策はともかく、関わる人々がいかに口と手と頭を使って取り組むかお上任せ、貴方任せのこれまでの天草流から脱することが出来るか、が「鍵」だと思いますが・・・
それには力の強いもの、声の大きな人たちがすべてを牛耳って、言論封鎖状態を解いてちゃんと議論が出来ることが必要です。

以上が私の描いているプランですが、いかがでしょうか?


▼2006年3月22日12:54▼ T.Oさんから松本もとすけへ

リーフレットからは、海を守る、現状への憂いといったようなものしか伝わってきません。メールでお聞きしたようなことに力を注がれるのであれば、天草は元気になると思います。また、そうであるなら、市長になってやって頂きたいと思います。メールの松本さんのような思いを全面にだし、ぐいぐい引っ張っていくリーダーがいれば、天草はすぐにでも元気になると思います。はやくしないと、海を守る人もいなくなってしまいますよね!

お忙しい中、ご丁寧にお答え頂き、ありがとうございました。



▼2006年3月24日10:57▼ 松本もとすけからT.Oさんへ

> リーフレットからは、海を守る、現状への憂いといったようなものしか伝わってきません。

やはり海と関わってきた時間が長かったせいだと思います。
現状打破の方策が示されていないということでしょうか?
小さな字で書いても、なかなか読んでもらえないと思い極力シンプルにつくりました。

具体的方策までは書き込めなかったのは確かかもしれません。

>メールでお聞きしたようなことに力を注がれるのであれば、天草は元気になると思います。また、そうであるなら、市長になってやって頂きたいと思います。メールの松本さんのような思いを全面にだし、ぐいぐい引っ張っていくリーダーがいれば、天草はすぐにでも元気になると思います。はやくしないと、海を守る人もいなくなってしまいますよね!お忙しい中、ご丁寧にお答え頂き、ありがとうございました。

こちらこそ、貴重なご意見ありがとうございました。
何とか思いを実現し、元気な天草つくりを進めていきたいと思います。
ご協力いただければ幸いです。


▼2006年3月24日19:01▼ T.Oさんから松本もとすけへ

要は、松本さんは、海を守る人なのか、一次産品で・・・という人なのかを知りたかったのです。リーフレットからは海を守る人という印象ですが、一次産品への思いもお持ちのようなので・・・。誰も、あれもこれもは出来ません。目標、思いをひとつにしないと天草はひとつになりません!「私はこれで天草をひとつにするんだ」の「これ」は何ですか? もちろん、ひとつだけすればいいということではありませんよ(^ ^)。


▼2006年3月25日22:17▼ 松本もとすけからT.Oさんへ

やはり、自分が関わってきたことは「天草の海を守る」ということでしょうか?
しかし、1次産業がどんどん衰退し、1次産品生産に関わる人々が激減してゆくいま、それもまた何とかしないと、という思いはあります。

また、両者はある意味不可分な部分もありますので、「天草の海を守る」ことで水産業が元気になることにも当然繋がると考えています。
漁民の人たちも「自分たちの海」と言う意識を改めてもらう必要があると思います。
漁業が厳しいゆえに補償金のために海を切り売りするようなことはもう止めてもらわないと・・・。


そして、最後にこんなやり取りが行われたー

▼2006年4月5日14:34▼ 松本もとすけからT.Oさんへ

この度、知り合いのフリージャーナリストの方がホームページに私のコーナーを作ってくれることになりました。
その中で今後天草市における雇用拡大に関する私の考えとしてとして先日のOさんとのメールのやりとりを載せたいと言う提言があったのですがご了解いただけないでしょうか? どうぞご検討下さい。



▼2006年4月6日14:34▼ T.Oさんから松本もとすけへ

ご要請の件、構いません。

ただ、念をおしておきますが、守ることで元気にはなりません。宇宙は拡大し続けています。よりよくなろうとしてこそバランスが保たれるのです。それが自然です。積極的に何かをするからこそ、結果守れるのです。「切り売りした補償金をあてにするな」ではなく、「こうこうこういうふうにして収益をあげなさい、そうすれば、切り売りせずにすみますよ」結果、海が守れるのです。人も「するな、守れ」と言われるより、「こうするんだ、やろうや」と言われたほうが元気がでますよ。


●その3● いま、実現を目指して……

このほか、【我ら 松本もとすけ 勝手連】に掲載させてもらった鈴木弘美さんの支援エールも松本もとすけが発信したものを見て寄せられたものである。このようなやり取りを通じて、彼なりの“手応え”を感じている。
それらを踏まえて、「実現を目指すこと」として―
1> 農林産業の振興・雇用の拡大
2> 豊かな海・自然環境の保全・再生
3> 少子・高齢化社会への対応
―を掲げている。

各項目をブレークダウンしよう。
  1. では、働く場の拡大と創出を目指し、天草の風土の特性を活かした特産品作りを図り、海直し・森直し・川直しに取り組む。
  2. では、海の生産力回復のために藻場・干潟の再生を目指す。自然を壊す開発事業から環境再生型公共事業への転換を図り、貝掘り・海遊びができる浜の復活に取り組む。
  3. では、福祉・医療サービスの充実を図り、高齢者にやさしい地域づくりに取り組み、子供の権利を尊重する施策を進める。

―などとしている。

そういう具体的な目標を持って、地元・天草を変えていこうとしている松本もとすけの熱意と実行力に期待したい

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