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4 夜泣き
一番私を悩ませたのは、泣き声でした。
自分で処理できないことに出会うと、大声で泣くのです。まさに『火がついたように』
顔を真っ赤にして、全身で泣くのです。
それは、時と場所をえらびませんでした。
そして一度泣きはじめると簡単には止まりません。
『パニックをおこしている』という言い方をされました。
歌うことが好きだった私は、「こんな小さな体からどうしたらこんなに大きなよく響く声がでるのかしら」とじっくり観察したこともありました。
 観察してわかったことは、
1、行動が中断されたとき 2、恐怖を感じたとき 3、驚いたとき 
にパニックを起こすということです。
年齢からいって、恐怖を感じたときや驚いたときにパニックを起こすことは仕方のないことと思い、行動が中断されたときに起こすパニックの回数を少なくする方法を考えました。
さらに観察してわかったことは、泣いているときに声を掛けると、泣いている時間が長くなるということでした。掛けた声の回数×3分というぐらい顕著でした。
ご近所の方や友人たちに協力をお願いして、泣き始めたら声を掛けないことを徹底しました。
これは後に、幼稚園や小学校の先生にも、お願いしました。
「先生、ひと声5分の延長!お願い、我慢してくださいね。」
先生方はスムーズな学級運営のため、学級の子どもたちにも事情を話し協力してくださいました。
 昼間に泣くのは、それなりに原因がわかって対処する方法を考えることができましたが、夜泣きには本当に困りました。
1歳半頃から、毎晩夜中の一時頃になると、火がついたようになき始めます。
抱くと体をのけぞらせていやがります。部屋の隅で、時々私を恨めしそうに見ながら、泣き続けるのです。私はただ、子どもが疲れきって眠るまで、じっと見守るしかないのです。
この夜泣きは一年以上続きました。
狭い家に住んでいたので6畳一間に3人の子どもと一緒に寝ていたのですが、幸い、上のふたりの子どもたちは、この夜泣きで目を覚ますことがありませんでした。
夫からも何もいわれたことがないので、私は気兼ねなく夜泣きに付き合えました。
 この夜泣きは劇的に終わりました。
いつものように、泣きはじめた娘を優しく抱くと、いつものように体をのけぞらせて嫌がります。
娘がさんざん泣いて、しゃくり始めた頃、私はなんだかとても悲しくなりました。
涙があふれ出てきました。
「どうしたらいいの?」「ごめんね、おかあさんわからない」
かわいそうで仕方がなかったのです。
すると、娘は突然、我に返ったように泣き止み、私の前にしゃがみ、私の顔を覗き込むようにして見つめ、頬の涙を小さな手のひらでぬぐってくれたのです。
私は、うれしさと驚きで、ますます涙があふれてきます。
すると娘は、私の頭を「いいこ、いいこ」といわんばかりに優しくなぜはじめました。
こんなに感動したことが、今までにあったでしょうか。
「ありがとう、おかあさん大丈夫よ。ありがとう。」
娘を抱きしめると、今度は嫌がらずにわたしの腕の中におさまります。
そしてそのまま眠りました。
この出来事を境に、娘の夜泣きは止みました。
いまでもあのときの事、娘の表情は、はっきりとよみがえってきます。
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子どもを育てることが出来るのは、本当に幸せなことです。私には3人の子どもがいます。
3番目に生まれた女の子は、生まれたときから私にたくさんの体験をさせてくれました。
当時は大変な事だったのですが、振り返ってみると楽しいことばかりだったように思えます

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