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カビ(対策)

 

 [我が家のカビの状況]
 私が現在住んでいる家は、築30年の木造賃貸住宅です。建材によるシックハウスの心配はほとんどないのですが、古い家だけあって、カビが生えやすいです。私はカビアレルギーがあるので、カビ対策はCS対策と並ぶ重要事項です。本を読むと、CS患者の中にはカビでぐあい悪くなる人が多いようです。*1 

 2002年にこの家に引っ越してきた時、室内のカビのにおいの強さに驚きました。引っ越して1週間ほどで、喘息がひどくなってきたので、本格的に対策しなければ、と思いました。その頃、私はLDKに寝ていたのですが、システムキッチンの辺りが特にカビくさいと感じました。システムキッチンはステンレス製の古いものです。これは各パーツを並べて置いているだけのもので、パーツとパーツの隙間にはシーリングが施されていませんでした。隣り合う調理台の隙間は5mm程あり、この部分にゴミや汚れが入り込んでいました。ここから強いカビのにおいが立ち昇っていました。この部分はどうやっても掃除できそうになかったので、幅の広いマスキングテープでふさぐことにしました。システムキッチンのありとあらゆる隙間をマスキングテープでふさいでいきました。マスキングテープは独特のにおいがありますが、私はこのにおいには耐えられました。

 隙間をテープでふさいでしまうと、その日の晩から喘息はぴったり止まりました。やはりキッチンのカビが原因だったようです。あれから3年たった現在でも、隙間をふさいだままで暮らしています。マスキングテープは時間がたつと糊が変質してきて剥がれにくくなるので、定期的に貼り替えています。

 システムキッチンは、配水管などをうまく処理すれば、丸ごとはずして移動することができるようなのですが、あまりにも大がかりな作業になってしまうので考慮の末やめました。移動させると中のカビが大量に飛散する恐れがあるし、大量のカビを目にしても、それをうまく掃除できるか自信がありませんでした。

 この家はもともと、お風呂場と脱衣所に換気扇がありませんでした。こんな湿気の高いところに換気扇がないというのは驚きでした。引っ越してきた時点で、すでにお風呂場と脱衣所は、カビくさかったので、すぐさま換気扇をつけることにしました(→スモール・データ・バンク「換気」 参照)。そして、お風呂場に生えているカビを徹底的に掃除しました。

 2003年4月に、お風呂場のタイルの割れ目にカビが生えてきて、喘息が悪くなりました。この割れ目はブラシなどでは掃除できなかったので、割れ目にコーキング剤を入れて封入しました(第1章〔1〕−a参照)。コーキング剤のにおいで一時的にCS症状が出てしまいましたが、カビのにおいはうまいぐあいに収まりました。

[トイレのカビ対策]
 我が家のトイレは、夏になると、かなりカビくさくなっていました。2003年の5月に徹底的にカビ掃除をしました。まず、便器の縁の内部が黒くかびていたので、ブラシで念入りに掃除しました。(→スモール・データ・バンク「消毒用アルコール」参照)。よく観察してみると、他にもカビが生えているところはいっぱいありました。便器とタンクの境目、便器と床の境目、排水パイプの外側などが真っ黒にかびていました<図1参照>。

カビはたいてい石鹸をつけてブラシでこすり、水で流すときれいになるものですが、この部分は水を流してすすぐことができない場所でした。元栓で止水して、トイレをバラバラに分解して丸洗いしてみようと思いました。それで、図書館で本を借りてきて、トイレの構造を調べました。我が家のトイレはTOTOとかINAXのものではなく(?)、本に載っているような典型的な構造のトイレではありませんでした。どう分解していいのかわからないし、分解して壊したりすると、CSのために修理が難しそうなので、分解は諦めました。

 拭き掃除だけでカビをきれいに落とせるのかどうか心許なかったので、結局ビニールでカビ部分を完全に覆ってしまうことにしました。ホームセンターで養生用のビニール*2 を買ってきて、それをちょうどよいサイズに切って、トイレのカビ部分を覆いました。夫と2人で、ビニールを被せてはマスキングテープで貼りつける、という作業を続けました。曲面の部分も、ていねいにやれば、きれいに覆えるものです。全身カビだらけになりながら、最後までやり遂げました。私は化学実験のような出で立ちで、全身を完全防御して、作業しました。カビの胞子を吸い込まないようにマスクもしました(→スモール・データ・バンク「マスク」 参照)。ビニールで覆ったらトイレのカビ臭は格段に少なくなりました。安心してトイレに行けるようになりました<図2,3参照>。



   
 以上のように、家中のカビ対策をしてきましたが、それでも毎年5〜10月は家中がカビくさいです。目に見えるところではなく、見えないような部分(外壁と内壁の間など)が、かびているのではないかと考えています。これは対策のしようがないので困っています。

[空気清浄機]
 「カビ対策に空気清浄機はどうかしら?」と思い、調べてみたことがあります。結局、リーズナブルで私の体に合いそうな空気清浄機は見つかりませんでした(→第1章〔2〕−d「浄化する」参照)。空気清浄機について調べていくうちに、とてもよいサイトを見つけました。花粉症の患者が運営するサイトです。「空気清浄機はなぜ効果があるのか」「どのような条件でいかに効果を発揮するのか」ということをよく分析し、よい空気清浄機とは何かを考えています。各メーカーの空気清浄機の中から、よりよい製品を選ぶための具体的なガイドになっており、読み応えがあります。アレルギー対策のために空気清浄機を買おうとしている方は、一見の価値があります。

 http://www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/6468/seijouki2005_index.html

このサイトには、CS用の空気清浄機についての説明もあり、参考になります。とてもいいサイトです。空気清浄機の効果的な使い方がよくわかります。  

[カビを防ぐ方法]
 カビを生やさないようにするには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。生活環境の中でカビが好む状況は次の3点です。
1.高温
2.高湿度
3.栄養源がたくさんあること

この3点についてうまく管理すると、カビの発生を抑えることができるようです。本にはこのように書いてあります。温度・湿度については、本によって数値がまちまちなので、ここに具体的な数値を載せるのはやめました。しかし、実際にこれを実行するとなると、案外難しいです。

 1の温度についてですが、夏になると気温が上がって、カビが生えやすくなります。家中をエアコンで猛烈に冷やさない限り、カビの生えにくい温度にするのは難しいのではないでしょうか。我が家にはクーラーがないので、温度を下げる方法はありません。カビは驚くほど低い温度でも生えます。例えば、冷蔵庫の中に生えるカビもあります。我が家では真冬になると暖房をしていない部屋は氷点下になります。さすがに、この時はカビは生えないのですが、春になって気温がプラスになると、早速カビが生えてきます。よく換気していても完全に防ぐことはできません。

 2の湿度については、除湿器を使うという手があります。除湿器の効果はどれくらいあるのでしょうか。私には喘息持ちの友人がいて、この人はカビアレルギーがあるので、いつも家中を徹底的に掃除していました。換気も頻繁に行い、湿度が高い時は除湿器も使います。カビの生態については異常に詳しい人です。(本州に住んでいる人です。) この人が言うには、除湿器で湿度を管理するのは難しいということです。特に梅雨の季節は外からどんどん湿気が入ってくるので、どうにもならないそうです。除湿器を回しっぱなしにして、いったん室内の湿度を下げても、ちょっと窓を開けただけで一気に湿度が跳ね上がると言っていました。この人は気密性の高い鉄筋コンクリートのマンションに住んでいてこうですから、木造住宅の場合はもっと難しいと思います。

 3のカビの栄養源を断つ方法ですが、これはとにかく、ひたすら掃除するとよいようです。カビは有機物なら何でも餌にしてしまうので、埃や食べこぼし、汚れを掃除します。ダニとカビはセットになっていて、ダニの餌はカビの餌にもなるので、掃除をするとどちらの対策にもなります。仙台にいる時は、部屋がフローリングだったので隅々までよく掃除し、寝具を頻繁に洗濯し、カビ・ダニ対策に努めました。これはアレルギーにものすごく効果がありました! これによって子供の頃から20年以上続いていた、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎はほとんど治りました。(だいたい完治と言ってもよいと思います。1年に2日くらい鼻水の発作を起こす程度です。ふだんは、鼻水が出ることはありません。)

 現在住んでいる家はカーペット敷きなので、いくら掃除してもあまり効果が出ません。ダニ数はフローリングに比べてカーペットは100倍〜1000倍くらいいるようなので、掃除しきれないようです。ダニが多いということは、それだけカビも多そうです。フローリングなどにすればよいのでしょうが、CSがあるのでリフォームは難しいです。こんな生活状況ですが、何とか暮らしています。

 カビを生やさないようにするために、換気は効果がありそうです。カビは空気がよどんでいるところに生えやすいので、カビの胞子がひとつ所にとどまらないように空気を動かしてやるのがいいのだそうです。

*1 「環境アレルギー」ピーター・ラデツキー/著 青土社/刊
*2 養生用ビニールは幅1800mm×10mのポリエチレンのシートです。ホームセンターで買うことができます。

(2005.7.7)

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「薬」へ続く
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