データ 1
有明海研究最新データ

堤 裕昭さんが有明海研究のフィールドワークでは質・量ともにトップレベルにあることは自他ともに許すところ。その堤さんから未発表データを含めて最新のデータと写真が提供された。
上空から見ると、高塩分の海水と低塩分の海水がはっきり分る
=2004年4月26日、長崎県島原市上空から熊本県長洲町方向
を望む位置で撮影された



【22年間(81〜02年)の赤潮発生規模の変化】


有明海奥部海域を「熊本県玉名市と対岸の長崎県島原市を結んだ線上よりも奥側の海域」と定義して、この海域で1981年〜2002年の22年間に、10月〜12月に発生した赤潮の発生規模の変化を調べた(水産庁九州漁業調整事務所、1982〜2003)。赤潮の発生規模を定量的に評価するために、発生した赤潮の延べ面積を表現しうる指数として赤潮発生規模指数(継続日数 x 最大面積 km2)を用いた(堤ら 2003,2004)。1981年以降、最大面積が50km2以上に達した赤潮は、22回記録されている。これらの赤潮の発生規模指数を年ごとに集計すると、1981年〜1994年の14年間には、最大面積が50km2以上に達した赤潮は合計8回発生しているが、年別の赤潮発生規模指数の合計値でも0〜7,452の範囲にとどまり、この期間においては秋季〜初冬に目立った赤潮が発生していない。これに対して、1995年および1997年には、1回の赤潮の発生規模指数がそれぞれ16,200および11,084に達する大規模な赤潮が10月に発生した。さらに、1998年〜2002年には、5年連続して赤潮発生規模指数が15,000を超えた。 *未発表データ


【22年間(81〜02年)の10〜12月に有明海奥部で発生した最大面積50 km2以上の赤潮の発生規模指数】


1981年から2002年における10月〜12月に有明海奥部で発生した最大面積50km2以上の赤潮の発生規模指数(継続日数 x 最大面積)の年別合計値の推移。赤潮発生規模指数は、水産庁漁業調整事務所(1982〜2003)の「九州海域の赤潮」に掲載されたデータをもとに求めた。 *未発表データ


【一級河川から有明海へ流入する栄養塩類量の推移】

水産庁増殖推進部(2001a)のデータをもとに作図した。
水産庁増殖推進部(2001a):資料5−1 主要河川の流量・水質の状況 平成13年3月13日(国土交通省河川局)、p.463−485、in平成13年度農林水産省有明海ノリ不作等対策関係調査委員会資料集(1)、水産庁増殖推進部。


【有明海の調査地点】


【1回目(2002年7月)の大規模な赤潮発生時の有明海縦断方向の調査地点における塩分とクロロフィルa濃度】
[ 塩分 ] [ クロロフィルa濃度 ]


=広域定期観測による有明海水環境の現状(「沿岸海洋研究、42: 35-42.」からの抜粋 *未発表データ

【2回目(2002年10月〜11月)の大規模な赤潮発生時の有明海縦断方向の調査地点における
塩分とクロロフィルa濃度】
[ 塩分 ] [ クロロフィルa濃度 ]


=広域定期観測による有明海水環境の現状(「沿岸海洋研究、42: 35-42.」からの抜粋 *未発表データ

【大規模な赤潮発生時の有明海縦断方向の調査地点における海水の栄養塩濃度(DIN)】





なお、その他の関連データなどは下記ホームページに掲載されている。
*URL:http://www.ariakekai.info/
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