ホーム >> ブック >> ブックリスト2 >> 読書感想 >> No.21〜30

サイトマップへ ・ サイト内検索へ


読書感想

▼bottom

読書感想目次
(New) ←以降へ  以前へ→ (Old)

No.21〜30

[30] NHK人間講座 ようこそ「マザーグース」の世界へ

鷲津名都江

NHK教育で放送している「人間講座」という番組の2004年12月〜2005年1月期の分の講座のテキストです。

ふとテレビ番組欄で、マザーグースという言葉が目に入り、見てみました。

そのときはすでに1月の終わりで講座も終わりかけ。あとは再放送が数回分残っているだけでしたが。それでテキストだけでも読んでみようと。

鷲津名都江さんは目白大學の教授ですが、歌手の小鳩くるみさんでもあります。

マザーグースの歌の世界って、あまり知らなかったです。アリスに出てくるハンプティ・ダンプティがそうかなあという程度。でも、幼い頃から心に染み付いているイギリス人などはたとえ話とか、いろんなことに使われて、それが説明されなくても、ピンとくるんでしょうね。

マクドナルドの本の[17]『北風のうしろの国』の中に、ボー・ピープちゃんの歌があったんじゃないかという気がする。やはりあの本の歌はマザーグースに関係あるものだったみたい。

映画の「トイ・ストーリー」の女の子の人形はボー・ピープちゃんなんですね。

英語の詩の韻のふみかたなども、説明されていて分かりやすいテキストでした。

2回ほど放送を見た講座では、歌も歌われて、目で見るだけのテキストと違って、言葉の面白さが伝わりました。

リストへ戻る

▲top


[29] 中世イギリス英雄叙事詩 ベーオウルフ

訳:忍足欣四郎

大場啓蔵氏訳の[22]『べオウルフ』の感想がありますが、岩波文庫に別の訳があって、最近重版されたということで読んでみました。

(岩波のもので文語のものもあるということですが、それは、忍足氏のではありません。 1941年に出ていた、厨川文夫氏の訳が文語だそうです。)

今度のは、これは口語…っていうのかな?

でも、特に地の文以外の台詞のところはかなり古風な言葉づかいで訳されてて、雰囲気がでていい感じです。

「われら出自はイェーアトの者にして、  ヒイェラーク王の炉辺に侍(さぶら)うものにてござる。」

なんて感じです。

シュルディング(デネの国)とシュルヴィング(スウェーデン)は名前が似てるけど、敵同士、なんて頭がごちゃごちゃになりそうです。でも2回目で少しだけ慣れてきました。 大場訳では、ベーオウルフの国は「ゲアタース」となっていたところがこちらは「イェーアト」。あれっと思ったけど、綴りは Geatas 。

注釈が後ろのほうにまとめてあります。物語の最初のほうは注釈を参照するところが たくさんあって、いちいちめくるのが面倒でしたが、読んでいくと理解が深まりました。 また各章の前には、親切に大筋が書いてありました。

(追記)
(参考:関連記述:[117] 魔法ファンタジーの世界

リストへ戻る

▲top


[28] ギルガメシュ王さいごの旅

文・絵:ルドミラ・ゼーマン
訳:松野正子

3作目です。

さいご、目頭あつくなりました。いいお話でした〜…。

あとがきにあった、ギルガメシュ王の物語にはのちの英雄物語の要素がすでに入っている、というような事、ほんとにそうだと思えます。感動しました。

リストへ戻る

▲top


[27] ギルガメシュ王のたたかい

文・絵:ルドミラ・ゼーマン
訳:松野正子

ギルガメシュ王シリーズ、2作目です。

メソポタミアの地形や、自然からくる脅威が、このような試練の形として描かれているのでしょうか。

この本の絵の、オレンジ色、緑色がかった青色、とてもきれいです。試練の場面もまた、紫っぽい色があるところがあって、心に残りました。

リストへ戻る

▲top


[26] ギルガメシュ王ものがたり

文・絵:ルドミラ・ゼーマン
訳:松野正子

絵本です。 『ギルガメシュ王のたたかい』と『ギルガメシュ王さいごの旅』との三部作で完結です。

ギルガメシュ叙事詩とは、メソポタミアで発掘された粘土板にかかれた楔形文字が解読された、シュメール人が語ったという世界最古の物語のひとつだそうです。それをもとに力強い絵と共に描かれた、感動的なストーリーでした。

前に、斎藤孝さんの『読書力』にこの三部作のことが書かれてあったと記憶している。書評欄か何かでも見たことがあるような気がするし、良い本のようだったし、読むことにしました。

良かったです〜。この絵本にまとめられているのはもとのギルガメシュ叙事詩からどんなふうにとられているのか、アレンジされているのか、分からないのですが。

著者がルドミラ・ゼーマンという名前、そして、カレル・ゼーマンという名前が本の後ろに見えました。あれっ、カレル・ゼーマンってきいたことある。ルドミラさんは娘さんということみたいですね。

リストへ戻る

▲top


[25] 四人の旅立ち −児童文学の秘密の力−

本多英明

『大草原の小さな家』のローラ・インガルス・ワイルダー、『ピーターラビット』のビアトリクス・ポター、『砂の妖精』のイーディス・ネズビット、『第九軍団のワシ』のローズマリ・サトクリフの四人。 その生い立ちや生涯に目を向けながら、それらの作品の、また児童文学の深さを探ります。

四人がそれぞれに、自己を見つめながら、成し遂げたもの。それはネズビットのように、自分が望んだものではなかったのかもしれません。彼女は、生活の手段として児童文学を書いた面もあったし、自分が目指した者にはなれなかったと思っていたのかもしれないけれど、結果的には偉大なる児童文学の功績を残してくれたのでした。

また、ローラが、語りなおしてくれた人生。それによって、われわれは、名もなき人々の人生を、心に刻み付けることになりました。

ポターの絵には記号性がある。初期の絵ではマクレガー夫人の絵がこわい顔だからと書き直しさせられたものは、本多さんが言うように、そういえばちょっとポターのお母さんに似ている。ポターとお母さんはいろいろと確執があったのね…。

サトクリフの本のローマン・ブリテン三部作(のちに、また出たので三部じゃなくなったけど)は読んだばかりだったので、いろいろな考察が載っていて嬉しかった。

また、本多さんは、『トールキンとC.S.ルイス』という本も書いている人です。この二人には詳しいのだろうなあ…。タイトルの四人のことだけかと思ったら、ルイスのことも時々出てきて、ラッキー☆

(参考:[108]『トールキンとC.S.ルイス』を後日読む。)

ローマン・ブリテン三部作を読んで

「指輪物語を連想した人もいるのでは」

というように書かれていて、<えッ!?>と思った。つまり、主人公と友情や苦難を分かち合う存在、それがサトクリフの作品には出てくるのだけど、それが、フロドとサムの事を思わせるのでは、と言うのだ。

そのことについては、<えーっ、そうかなあ…?>と感じた。

でもそのすぐあとで、指輪物語の背景にあるところの、壮大な伝説物語とつながるものとして、ローマン・ブリテン三部作で描かれているアクイラ一族の、前の作品での物語が後の作品の<伝説>となっているところに注目していた。ほんとだ、そこに描かれる意味も違うだろうし、エルフの時間からしてスケールが違うかもしれないけど、確かに伝説を受け次ぎ、また伝説が生まれる物語の形になっていると思いました。そこで思ったのは、太古のエルフとか、そういう偉大な者としてではなく、むしろ<名もなき人々が伝説になる>ということ。フロドとサムのように…。そこにも共通項があるような気がしました。

そうだ…<名もなき人々が伝説になる>というのは、そういえばローラの物語でもそう言えるなあ…とか思いました。ファンタジーとリアリズムの違いはあっても。

リストへ戻る

▲top


[24] 銀のうでのオットー

ハワード=パイル
訳:渡辺茂男

ハワード・パイルは、『ロビン・フッドのゆかいな冒険』のタイトルが思い浮かぶのだけど、これも読んでみよう!と。すごく良かった!

(参考:[52]『ロビン・フッドのゆかいな冒険』を後日読む。)

時代は暗黒時代と呼ばれる中世、十三世紀のドイツ。時代は荒れ、自分勝手にふるまう城主や騎士が戦いを繰り返していました。ドラッヘンハウゼン(竜の館)城の城主、コンラッド男爵もそのひとり。

子供むけの単純なストーリーといえばそうですが、物語がとても<よくできている>という印象をうけました。

訳は、ミス・ビアンカシリーズの渡辺茂男さん。わたしはあまり存じ上げなかったかただけど、いろいろ訳しておられるんだ。原文はどんなのか分らないけど、せりふの古風な言葉づかいが印象的でした。

また、絵も良い! ハワード・パイル自身が絵を描く人で、自作には絵をつけているそうですが、これもそう。

ただ、騎士たちの絵、すごく荒々しいというか、少年は、性格は違うけれど血筋的には大人になったらあんな風になる可能性もあるわけですが、そうは思えないくらい優しげなので、それに比べて大人たちはむさくるしすぎというか、目付き鋭くこわすぎる、って感じです。

でも大人たち、厳しいけど、優しいところもあるんですよ。

「わが子よ…いとし子よ。」

なんて言って号泣したりする。こちらも、敵も、どちらも悪くて、そこはどっちもどっちなんですが、身内にひどいことをされると、そんな風に怒ったり泣いたりする、純粋なところも見えました。

ちょっとむごいと思えるところもあるので、あまり敏感なお子様には向かないかもしれませんが、大人でも楽しめる、いいお話だと思います。

リストへ戻る

▲top


[23] 床下の小人たち

M.ノートン
訳:林 容吉

床下に住む、<借り暮らし>の小人たち、ポッドとホミリーとアリエッティ。

小さな、床下に住んでいる小人、と聞いて、コロボックルのお話を思い出しました。 佐藤さとるさん(?)の。

人間は、自分たちを養うためにいる、と、アリエッティは、はじめ、信じているんですよね。そして人間はたくさんはいないと思っている。でも、人間は、たくさんたくさんいて、アリエッティの知っている知識が、世界が変わっていく。

ホミリーは、人間に<見られ>ることをすごく嫌がっているわりに、ことが起こると、(お人形の家の家具に心奪われているのもあるけど)わりと気前よくアリエッティが外に行くのも許したり、大胆になってゆきすぎっていう気もしました。

三人の小人たちの話は、いわば話中話になっていて、どこか、遠い、不思議な話のようにも思えました。

リストへ戻る

▲top


[22] 新口語訳 ベオウルフ

訳:大場啓蔵

八世紀半ばごろのイギリスで書かれた頭韻詩の英雄物語ということです。

英雄ベオウルフの、グレンデルという悪鬼(?)との戦い。火龍との戦い。

とても気にいりました。かっこいいです。特に、年老いて(?)からの火龍との戦いのところが、ベオウルフも、そして家来の人がとても凛々しい。

シンプルな、学問っぽい感じの体裁の本なので、難しいかなと思っていました。たしかに難しいところもたくさんありました。メインの筋とは別のお話が突然挿入されていて、戸惑いました。でも、口語訳になっていて、メインの筋は大体わかりました。訳者さんも、語学的には正確を期したが一般の読者を対象とした、とのことです。

調度今、岩波文庫から、違うかたの訳のものが復刊というか重版というのか、されているみたいです。こちらは、『ベーオウルフ』というタイトル。(参考:[29]『中世イギリス英雄叙事詩 ベーオウルフ』を後日読む。)

グレンデルは、ただの悪鬼とか妖怪じゃなくて、カインの末裔ということになっていたり、キリスト教的なところがありました。

ヘンゲストという人の名前が出てきた。サトクリフの[18]『ともしびをかかげて』にヘンゲストって出てきた。なにか関係でもあるのかな?

トールキンが、影響を受けてるということで、やはり雰囲気が似てる、と思いながら読んでいました。

「火龍」もそうだし(『ホビットの冒険』)、人の名前もどこか似ていたり、武士たちは『指輪物語』のローハンの騎士たちみたいでした。

あと、これは、ふと思って、見当違いかもしれませんけど、グレンデルはカインの末裔とされています。つまり<人を殺める>という背景があって、悪鬼というようなものの運命を背負う、というのは、『指輪物語』のゴクリにも通じるんじゃないかと思いました。

ロード・オブ・ザ・リング好きな人にはおすすめです。

リストへ戻る

▲top


[21] 魔法のベッド2 −過去の世界でのぼうけん−

メアリー=ノートン
訳:八木田宜子

メアリー・ノートンでは、『床下の小人たち』というのをぜひ読みたいと思っています。 その前に、そうそう、これも読みたい!と、探してみました。残念ながら、前編の1が見当たらず、しかたなく2からです。

1は、南の島でのぼうけん となっていて、修行中の魔女、プライスさん、と、ケアリイ、チャールズ、ポールのきょうだいが、いろんな冒険をするらしいです。それから2年、きょうだいは、再びプライスさんに出会い、今度は過去へと…。

ベッドの玉飾りを回すと、ついた先は1666年のロンドン。一週間するとロンドンの大火があるという日。そこで、子供達は神経質な魔法使い(?)エメリウスに出会うのですが…。

面白かったけど、時々、どうしてそうなるのかなあ…と思うところもありました。きたなくて食事のマナーも悪いエメリウスに、まゆをひそめていたところもあるプライスさんだけど、どうしていつの間に惹かれたんだろう…とか。でも古風なしゃべり方をするエメリウス、わたしもけっこう好きかも。

それから、訳者の八木田さんも書いてたけど、さらっと書いている中にけっこう暗いところもあるんですよね。

「この本がでた五年後に、『床下の小人たち』が刊行されるわけですが、からっとした明るい物語『魔法のベッド1 −南の島でのぼうけん−』、この『魔法のベッド2 −過去の世界でのぼうけん−』、文明批評の色を強くもつ『床下の小人』シリーズ − と、ノートンの世界はだんだんふかまり、かげか濃くなっていくように思えます。」
(解説より)

なるほどー…。床下の小人たちも、ぜひ読んでみたいです。

あと気づいたことは、この話もイギリスのお話ですが、ローマ人の遺跡が残っているという記述がありました。このところ、サトクリフなどの関連でローマ帝国に少し興味が出てたので、気づきました。

リストへ戻る

▲top

(New) ←以降(31〜40)へ  以前(11〜20)へ→ (Old)

読書感想のトップへ戻る

ブックリスト2メニューへ戻る